「ヴェリチカ」観光の雑感

  • 手違い

 12:00くらいにクラクフの駅に到着。
ホームでご当地のスルーガイドと待ち合わせ。
ほどなくガイドさんが現われた。
キョーコさんは挨拶もそこそこに何だかギャ〜ギャ〜やってる。
どうも現地旅行社に手違いが多いらしい。
バスが毎日変わる。
運転手やスルーガイドも話が違う。
クレームの嵐だ。
英語であれだけやり合えたらいっちょ前だと思う。
でも、決して耳障りは良くない。
 スルーガイドだってきっと気分悪いべな。
何だか名前も紹介してもらったかどうかわかんない。
でも、美人だった。
 車中でもスルーガイドとひたすら話している。
バスを降りると2人でずんずん先頭を切って歩いて行っちゃう。
足の不自由なヒトもいるんだけどなあ・・・。
鳥付く島が無い。
夢中になっちゃうと我々23人はアウト・オブ・眼中かな?
ひょっとしてこの仕事、向いてなくない?

  • 道路事情

 昨日、得た雑学の1つ。
ポーランドはチョー歩行者優先。
横断歩道に立つとどんなクルマも必ず止まってくれる。
見事なモンである。
最初は信じられなかった。
よっぽど罰金がきついのか、まだ人間性が豊かなのか・・・。
 「ヴェリチカ」に向かう道はえりゃあ混んでた。
大渋滞である。
今日はサマーバケーションの初日なんだとか。
明日13日が土曜日、14日が日曜日。
そして15日は聖母マリア昇天祭で休日。
ポーランドカトリックの信仰が厚いのでちゃんと休むそうだ。
ここに引っ掛けて休みを取るヒトが圧倒的に多いようだ。
 窓から外を見てたら横を走ってた乗用車が前のクルマに追突した。
ま、渋滞の中だから大したスピードじゃあないけど・・・。
前のクルマのおっさんが苦笑しながら降りてきた。
ぶつけたクルマからはおばはんが出てきた。
お互いに自分のクルマのキズを調べてる。
そして何か言葉を交わしてから何ごとも無かったみたいに行っちゃった。
大らかなんかなあ・・・。
これが日本だったら流血騒ぎだんべなあ・・・。

  • 昼メシ

 そうこうしてる間に「ヴェリチカ」岩塩採掘場前まで来た。
昼メシはお向かいのレストラン。
今日はご当地名物シリーズの1つ「ピエロギ」が出てくる。
まずはビールだ。
 ポーランドでは有名な地ビールが3種類ある。
その1つ「ZYWIEC」だった。
呼び方がわかんないので勝手に「チビック」と呼んでた。
0.5Lで7zl=約280円。
そ〜だべなあ〜。
せいぜいそんなモンだべなあ〜。
結構、美味かった。

  1. 【ポテトスープ】  じゃがいも具沢山、好みだ。ホシ2つ。
  2. 【ピエロギ】  ポーランド風水餃子・クリームスープって感じ。まずまず。ホシ2つ。
  3. 【フルーツポンチ・生クリーム添え】  あっさりしてて美味。ホシ3つ。

なかなか好成績だった。

  • 同席者Ⅳ

 レストランは田舎風の造りで山小屋仕立て。
木造の無骨なテーブルは6人掛けになってる。
何となく座ってみた今回の同席者は茨城の「A田夫妻」
写真好きの「Hヤシさん」と英語堪能の「ハマちゃん」
元々近所にいたから何となくそうなったメンツだ。
 昨晩、飛ばしてた「A田夫妻」だけど今日はフツーだった。
妙に安心してしまった。
何でも守谷で幼稚園を4つ経営しているという。
始めたのはご夫人のお母さん。
それをどんどん事業拡大したらしい。
 ご主人は早大卒。
谷垣センセイなんかと一緒に司法試験の勉強をしてたそうな。
ところがある日、幼稚園の子どもと遊んで人生が変わってしまったとか。
こんな明るい面白い世界があったんだ!
暗い司法試験の勉強なんか放り投げてしまったとか・・・。
 ホンネを言うと最初はご主人をかなり警戒して見ていた。
実は遠目にみてると昔のヤな上司にそっくりだった。
第一印象ってえのは絶対外れないという。
いけないと思いながら既成概念で苦手な人に見えていた。
ところがこの話を聞いて急にファンになってしまった。
単純というか、ハラが無いというか・・・。
 何よりびっくりしたのはお二人の若さ。
ご主人が昭和19年、ご夫人は21年生まれだとか。
ぜんぜん見えない。
どう見ても50歳代半ばかと思っていた。
そうお伝えしたらちょっと嬉しそうだった。

  • 「ヴェリチカ」岩塩採掘場

 これも世界遺産
クラクフ近郊には世界遺産が3つもある。
1250年から1950年代まで現役で稼動していたそうだ。
観光用にいろいろ工夫されているが、当時の岩塩坑そのままだ。
 スルーガイドが入場券を買う間にキョーコさんが力説。
「これから2時間半、トイレがありません」
え〜〜〜っ?
ホントかよ〜〜っ?
「今の内に公衆トイレに行っておいて下さい」
もう散々ビール飲んじゃったべや・・・。
面倒くせえ、いざとなったら立ちしょんべんだあ・・・。
 男はどうでもいいのである。
女性陣はみんな真剣である。
嫁さんも待ってる間に2回もトイレに足を運んでた。
でも、後でわかったけど坑内にちゃんとトイレはあった。
ホントに良く脅かしてくれる・・・。

  • 2.5km

 フツーに歩いて約2.5kmの観光コースなんだそうだ。
4〜5人乗りの狭〜いエレベーターで地下に降りる。
きっと気分を演出するために当時のエレベーターを残してるんだべ。
今日はバケーション客が多くてえりゃあ待たされた。
そりゃ、効率が悪過ぎるもん。
 坑内はあっちこっちに岩塩の彫刻が飾ってある。
でも、決して美しい。
岩塩って黒いんだよね。
写真撮っても光を吸収しちゃうと見えてあんまりパッとしない。
撮影料を10zl=約400円払ったんだけど・・・。
絵的にはこれと言って見るべきモノは無かった。
ま、世界遺産保護の為の寄付だ。
 それでもせめてと思ってガイドのお姉さんの写真を撮ってきた。
観光用にヘルメットなんかかぶってる。
美人である。
こっち方面って美人しかいないような気がする。

  • 大渋滞

上りのエレベーターは大混雑。
岩塩で作った土産モノなんか見ながら待つ。
100円〜200円くらいの小間物ばっかしである。
おちゃらけで幾つか仕入れて来た。
 売店の前を過ぎると後はひたすら待つだけ。
人口密度が高くて結構、息苦しくなってくる。
閉所恐怖症のヒトは辛かんべ。
 エレベーターの手前に博物館の表示がある。
もちろん、もうご馳走様だけど暇つぶしにキョーコさんに訊いてみた。
「あの博物館って中に何があるんですか?」
キョーコさん焦ってまくし立てる。
「あそこに行くと更に1時間以上かかりますから・・・」
まったく先回りして外してる。
ついムッとしてしまった。
「いや、だから何があるかって訊いてるんだけど・・・」
傍にいた「H場さん」が助け舟で口を挟んだ。
「多分同じような彫刻が並んでるんだと思うよ」
「そうですね・・・」
俺ってちっちぇえ・・・か?
 地上に出るとピーカンだった。
まぶしい光が注いで、景色がぜんぜん違って見える。
やっぱヨーロッパの空はこれでしょ!
明日から期待しよう。

  • ノボテル・ブロンヴィーチェ

 今日の泊まりはちょっと郊外。
ここから街中に出るにはちょっと難儀だんべ。
でも、郊外にあるだけに部屋は広くてゆったりしている。
ワルシャワと同じノボテルなのでアメニティグッズもオソロだった。
 今日の晩メシはホテル。
結婚式場みたいなホールに円卓が用意されてた。
これはこれでかえって気楽である。
まずはビール。
昼メシん時と同じ銘柄「チビック」だ。
330mlで10zl=約400円とちょっち高い。
ま、ホテルだからなあ・・・。

  1. 【白菜のサラダ】  白菜とザワークラフトみたいなサラダで独特。ホシは1つかな。
  2. 【オードブル盛合せ】  イワシ酢漬けやゆで卵など美味かった。ホシ3つ。
  3. 【ビーフ荒引きハンバーグ・クリームソース】  美味かった。添え物のポテトも美味。ホシ3つ。
  4. 【オレンジパイ・コーヒー】  約15cm四方の巨大さで甘っ。コーヒーは薄い。ホシ1つ半。

まあまあ東欧に較べたら上等だと思う。
ちゃんと半分ずつ残すように気をつけて喰った。
 同席者は何となく1回目のかたまり傾向が出て来た。
今回は円卓だったので何となく無意識に座った。
見ると周りに何となくそれらしきメンツがいた。
「I川さん」始めおばはん3人組と「Hヤシさん」「ハマちゃん」だった。
特に新たな話題も無くってあんまり新鮮味が無かった。
 「ハマちゃん」はタバコが吸いたいので早々に退座。
「Hヤシさん」はとっとと探検に行きたくって退座。
我々夫婦も体調整備の為にテキトウに部屋に引き揚げた。
何だか他のテーブルでは「H場さん」達がガンガンやってる。
飲んで騒ぐグループも固まりつつあるようだ。
 明日はよいよ目玉の1つ「アウシュビッツ」だ。