トラカイ〜ヴィリニュスの雑感
- うぐいす張り
「タキオイ・ネリス」はなかなか風情のあるホテルだった。
結構、内装に木材が多く使われていて暖かみがある。
但し、夏場は暖か過ぎるかも・・・。
至るところがうぐいす張りになってて不審者の侵入は防げそうだ。
但し、泊り客にはちょっとうるさい。
ベッドは包み込まれるような柔らかさだった。
但し、夜中に寝返りをうつとぼよよよ〜〜ん。
腰が痛い・・・。
朝メシはやっぱりブフェ。
結構地味だった。
そんなに山のように料理が並んでる訳じゃなかった。
なかなか我々の健康に配慮してくれてる。
パンもトリさんが喜びそうな・・・。
やっぱ、それだけ田舎なんだと思う。
でも天気はいい!
ま、いっか!
- 「旧日本領事館」
アウシュビッツと並んで今回の旅の目玉だった。
別名「杉原千畝記念館」である。
朝一番で訪問。
多分、観光客は日本人が圧倒的に多いんだと思う。
正門に「命のビザ」と書かれたプレートが掛かっていた。
決して広い建物じゃない。
ツアーの23人が行き来するのも大変。
でも、65年前にここで、この机で、すごいドラマがあった。
その場所にいると思うとやっぱ感じ入るモノがある。
1940年はナチスドイツが猛進撃してた頃。
ポーランドやバルト3国も蹂躙された。
「ユダヤ人」狩りも始まってたんだと思う。
逃げてきた「ユダヤ人」が日本領事館に亡命の為の通過ビザを求めて殺到した。
本国の回答はもちろんNO。
でも、杉原千畝は本国の指示に背いて3千枚のビザを発行した。
それによって6千人の「ユダヤ人」の命が救われたという・・・。
- 寄付
最初にDVDの上映があった。
杉原千畝の生まれ故郷の岐阜県の村が監修したらしい。
なかなかのパワーである。
故郷の村には広大な記念公園が出来てるらしい。
すべて村や民間のチカラでやってるんだ。
ホントなら政府が主導して動いてもおかしくないべや。
DVDの内容もとても良かった。
もちろんある一面ではあるけど、功績が感動的に描かれてた。
素直に1人の日本人として嬉しく思う。
前の席でおばはん達が涙を流していた。
やはり記念館維持の為に寄付を募っている。
カレンダーなどのグッズも売って資金の足しにしているそうだ。
またまた何の抵抗も無く寄付して、カレンダーも買ってきた。
こんな遠い空の下、異国人の記念館を維持するのは大変だと思う。
何となく気持だけでもバックアップしたくなる。
- 手違い
みんなはいつの間にか建物の外に出ていた。
ふと気づいたら展示室の中に1人だけ取り残されてた。
何だか部屋の外でギャ〜ギャ〜やってる声がする。
部屋を出るとキョーコさんと現地スルーガイドが何かやり合ってる。
出くわしてしまったので一瞬、会話が止まった。
またか・・・。
何だか不穏な空気が・・・。
バスに乗り込んで次の目的地「トラカイ城」に向かう。
キョーコさんからいろんな案内がある。
今日は主としてリトアニアの雑学を話してくれた。
どうも昨日とはテンションが違っている。
クリアな話し方で説明が聞きやすい。
ひょっとして昨晩、又「ひとり反省会」やったのかな・・・?
でも、よっぽど現地旅行社の手違いが多いんだべな。
「皆さんにはお伝えしてませんが、今回はホンットにいろんな事があります」
みんな何だか良くわからない。
「ホンットにいろんな事があって大変ですが、何とかします」
わっかんな〜い。
聞き方次第かも知れないけど、私はこんなに大変なんです!
少しはわかって下さい。
協力して下さいって言いたいのかなあ・・・って思っちゃう。
- 諜報活動
「旧日本領事館」絡みで面白い話があった。
何故、このカウナスに日本領事館があったのか?
考えてみりゃ不思議だ。
当時だってそんなにメジャーな国じゃ無かったべな。
背景はやっぱり戦争だったそうだ。
当時の日本はドイツとソ連の両方の情報が欲しかった。
その為、当初は日本人不在の日本領事館を置いたとか。
極めて異例だったらしい。
要するにスパイ活動が主目的で領事館を置いたという事らしい。
その後、杉原千畝が赴任する。
外交が仕事だけど何より情報収集を命じられていたらしい。
でも、戦況はどんどん悪化する。
そして赴任した杉原千畝も1940年の8月には退去。
当然、領事館も閉鎖された。
「命のビザ」は退去前1ヶ月で書かれたらしい。
ちょっと意外だった。
大日本帝国も一応はそんな科学的な考えを持ってたんだ。
毛唐の情報なんか要るもんか!
精神論と竹槍だけで戦うんだ!
これだけかと思ってた・・・。
- 暮らしぶり
リトアニア始め、バルト3国の経済状況はほとんど差がないらしい。
やっぱポーランドに較べるとぐっと貧しいようだ。
平均月収は3万円くらい。
ま、これも公称ってヤツなので怪しい部分もあるそうだ。
幾ら物価が安いったってそんなモンじゃ喰えない。
休みに働いたり、バイトしたりで裏の収入が無いと生活出来ないらしい。
ちなみに所得税は33%、消費税は18%だそうだ。
これで年金や医療保険払ったら、どうなっちゃうんだべ・・・。
現在もフィンランドやアイルランドに出稼ぎに行くヒトが多い。
物価も高いけど収入も高いので仕送りが出来る。
まだまだ構造的には途上国なんだ。
年金保険料は2%と安いだそうだ。
そのかわり支給も安くて、1万円程度なのでとっても喰えない。
停年は男性65歳、女性62歳なんだとか・・・。
男女差別だ!
詳細は不明だけど医療保険もあるようだ。
国立の病院に行けば治療費はタダ。
薬剤費だけ一時負担して、後から全額償還されると言ってた。
私立病院は訳がわかんないようだ。
ひっくり返るような金額をふんだくられるそうだ。
どっかの国と似ている・・・。
2004年にEU加盟が決まった時の騒ぎはすごかったそうだ。
何となくテレビで見たような気がする。
花火が上がって、飲めや歌えやのお祭り騒ぎ。
「やっとヨーロッパの国になれた!」
それこそ戦争に勝ったっくらいの喜びようだったらしい。
1942年のソ連侵攻以来、リトアニアも暗い時代が続いていた。
東側全体の暗闇に飲み込まれていた。
シベリア送りになったヒトも数知れず・・・。
1990年に独立してもソ連の影響は避けられなかったべ。
EU加盟は「真の独立」的な意味があったかも・・・。
でも、早速ロシアから天然ガス値上げの要求が来てるとか・・・。
ヤな感じ・・・。
これもバルト3国共通の現象だけど、ロシア人が減ってるらしい。
ウクライナやベラルーシも同様でどんどん国に帰ってる。
何故か?
最近ではリトアニア語を話せないと仕事が無いんだそうだ。
今までは結構ロシア語で通じてたってゆ〜かあ、通じさせてた。
この反動なんだべなあ・・・。
徴兵制もある。
18歳〜27歳の間で兵役は12ヶ月以上。
何故か海軍だけは24ヶ月以上だそうだ。
- 「トラカイ城」
そうこうしてる内にバスも走行して、赤いハナが見えて来た。
赤いハナと言えば「トラカイ」である。
まるで絵葉書のような景色ってのはこの事だべ。
水面にレンガ色の城が映ってる。
空は吸い込まれそうなくらい青く、最高の光だ。
今回のツアーで初めてのピーカンの景色じゃないかな?
「うわあ〜、キレイ!」
みんなバスを降りると一斉に写真を撮り始めた。
キョーコさんが叫ぶ。
「写真は後で幾らでも撮れますから、まず最初にお城の観光に行きましょう〜」
誰も聞いちゃいない。
ってゆ〜かあ、こんなのは「ノリ」である。
感動ってえのは「旬」がある。
そのヘンが今ひとつねえ・・・。
キョーコさん、スルーガイドと2人でスタスタと先に歩いて行く。
たまたま我々が小走りですぐに追いついた。
「ったく、私が何回叫んでも誰も聞いちゃいないんだから!」
「まあまあ、そんなに急がなくっても大丈夫よ」
2人の英語のやり取りである。
当世、英語くらい理解するヒトは沢山いるんだから・・・。
クチは災いの元・・・。
- 観光地
如何にも観光地らしい要素を備えた所だった。
見事に復元された城や展示物。
昔のゴーモンの道具とかも置いてあった。
手かせ・首かせをつけて、城をバックに写真が撮れる。
湖畔にはモーターボートと中型ヨットがあった。
盛んに客引きやって、遂にイタオンナをゲットしたところだった。
揺れるヨットに乗り込むだけでカラス100羽っくらいの騒ぎ方だった。
あれだけ大声で大騒ぎ出来たら十分元取れるなあ・・・。
・・・なんて妙に感心しちゃった。
売店も沢山ある。
日本のお友達の顔を想像しながら見て歩く。
ここは琥珀と人形だけじゃなかった。
いろんなハンドメイドの小間物や実用品もある。
嫁さんが小洒落たナベつかみをゲット。
ここにも「魔法使いのおばあさん」が売ってた。
チェコ以来、ず〜っと宿題である。
如何にもボロキレで作ったようなホウキにまたがったおばあさん。
その顔のつくりがいろいろで面白い。
チェコのおばあさんは最高にえぐい顔だった。
ここのおばあさんはみんなヤに可愛い。
ってんで却下。
- 昼メシ
今日は湖畔のレストランで名物料理。
窓越しにお城がで〜んと控えて最高の景色だ。
今回は2人席をゲット。
妙な緊張感から解放された。
ま、まずはビールね。
銘柄は良くわかんないけど0.5Lで6LTL(リタス)=約240円。
嫁さんは午後のトイレを警戒して0.3Lに押える。
こっちは4LTL=約160円。
ピーカンで汗ばんだ後だから、ビールも美味い。
「っかあ〜っ、ちっくしょ〜っ」が出てしまった。
- 【チキンスープ】 さすがに今回は具沢山じゃなかった。ちょっと油が・・・。ホシ2つかな。
- 【キビナイ】 ピロシキみたいなモン。油っこいクロワッサンの中に肉まんの具が入ってるみたいな・・・。重い・・・。ホシ1つ。
- 【ツェベリナイ】 名前の由来は飛行船。イモ餅の油漬けの中に肉まんの具が入ってるみたいな・・・。ベタベタ。ホシ1つ。
- 【フルーツポンチ】 ホッとした。ちょっと油を中和してもらわんと・・・。ホシ2つ。
名物に美味いモノなし。
良く言ったモンである。
後で嫁さんがつぶやく。
「キビナイ、ツェベリナイ、タベレナイ・・・」
写真家の「Hヤシさん」にウケてた。
「ウチのおとーさんとおんなじようなシャレ言ってる〜っ」
*ヴィリニュスの雑感
- ヴィリニュスへ
昼メシの後、思い思いに写真を撮ってのんびり出発。
バスは一路、リトアニアの首都ヴィリニュスへ。
嫁さんも早速ケータイで撮った写真を日本に送ってた。
でも、文章はすっかり文字化けしてたとか・・・。
きっと買ってもらえなかった「魔法使いのおばあさん」のタタリじゃ〜。
キョーコさん、「お食事は如何でしたあ〜?」
一同の反応はイマイチ。
「美味しくなかったですかぁ〜っ?こちらの名物なんですけどぉ・・・」
どっかのおばはん、「油っこ過ぎるよねえ・・・」
「そ〜ですねぇ。寒いところですからねぇ・・・。私は中身だけ頂きましたぁ」
何となく立派な体型が維持出来てる秘訣がわかった。
「景色はどうでしたあ〜?」
何だかしゃべり方がぶりぶりしてなくない?
今日はテンションが高そうである。
「お城が正面に見えるイッチバンいい席を予約したんですけどぉ・・・」
多分、みんないい席だったと思ってる。
でも、そう言われると「良かったですう〜」って言い難いべなあ・・・。
タイミングの問題かな・・・?
- 「杉原千畝モニュメント」
バスはだんだんヴィリニュスの街中に入って来た。
又、キョーコさんのテンションが下がって来た。
市内の説明をボソボソと・・・。
昼メシの反応がイマイチだった所為か、単に疲れてきたのか・・・。
その内にニャリス川を見渡せる芝生にモニュメントが見えて来た。
ホンの写真ストップである。
バスを降りて各々カメラを構える。
ここで「知りたい病」がアタマをもたげてくる。
何故、杉原千畝のモニュメントがヴィリニュスにあるのか・・・?
「そうですよね。不思議ですよね」
周りにいた「Hヤシさん」も同調する。
「仕方ない。一肌脱いでチャレンジャーになるか!」
キョーコさんはいつも通り、スルーガイドと2人でやり合ってる。
「ちょっと済みません!」
2人の話に割って入る。
一瞬、ぴくっと動きが止まった。
「何故、ここに杉原千畝のモニュメントがあるんでしょう?」
「えっ?さっきバスの中でお話したんですけど・・・」
「や、申し訳無いけど聴き取れなかったんですよ。エンジン音の所為かなあ・・・」
キョーコさん、隣のスルーガイドにギャ〜ギャ〜言い始めた。
「冗談じゃないわ。あなた、会社にマイクを点検するように言ってよ!」
スルーガイドは苦笑い。
「わかったわ。でも夫々の席でスピーカーのボリューム調整が出来るわよ・・・」
もうキョーコさんの耳には入らないようだ。
アタマを抱えてる。
「ああ、私が午前中ず〜っとしゃべってた事は何だったんだろう?」
「いや、午前中の話はちゃんと聴こえてましたよ・・・」
きっともう耳に入ってない。
バスに戻ると「Hヤシさん」が言う。
「マイクの所為じゃないですよね。急に声の調子が落ちちゃったんですよね」
その通り、みんなわかってるんだけど・・・。
ま、要するに、杉原千畝はヴィリニュスには来た事がない。
でも、早稲田大が外務省の協力を得て偉大な功績を称えるために作った。
それだけのこと。
すっきりはしたけど、めっちゃくちゃ後味が悪かった。
ひょっとすると向いてなくない・・・?
- 「聖ペテロ&パウロ教会」
いよいよヴィリニュスの市内観光である。
最初に、ちょっと離れた場所をバスで周ってしまってから歩く魂胆らしい。
波乱の「杉原千畝」の後は「聖ペテロ&パウロ教会」である。
街中からちょっと離れてるので逆に観光客が少なくっていい。
静かな落ち着いた佇まいだった。
外見は17世紀の結構古びた建物だ。
それもなかなか趣があっていい。
更に中に入ってびっくりした。
素晴らしい漆喰彫刻の数々、何と2千点以上あるという。
その繊細なタッチに唖然とする。
イタリアなどから200人以上の職人が集まって7年かけて造ったそうだ。
ここでも例にもれず寄付を集めていた。
またまた迷わずポケットのコインを寄付しちゃった。
するとおばさんがニッコリ笑ってハガキをくれた。
見ると漢字で「礼状」っとか書いてある。
何だかなあ・・・。
- ビューポイント
次にヴィリニュスの街並みが一望出来るというビューポイントへ。
小高い丘の途中の駐車場である。
確かに一望出来るんだけどイマイチ迫力が・・・。
もうちょっと高い場所から見たい。
ま、せっかくだから写真を1枚。
何となく嫁さんの口数が減ってきた気がする。
そう言えば、昼メシの「トラカイ城」を出てからもう2時間以上経ってる。
警戒して「小ビール」にしたとは言え、そろそろトイレかな?
でも、見てるとキョーコさんはスルーガイドとやり合うのに忙しい。
トイレなんかまったく「アウト・オブ・眼中」みたい。
ちょっと突っついた方がいいかも・・・。
- 「ヴィリニュス市内観光」
いよいよ街中を歩く。
大聖堂の前でバスを降りた。
「ちょっとヒトコト言ってきなよ」
嫁さん、ソソクサと話に言った。
でも、哀しそうな顔で戻って来た。
「まだ、トイレ休憩の予定はありません!って言われちゃった」
しょ〜がねえなあ・・・。
ま、観光しながらカラスの勝手に探すさ。
ってんで歩き始めた。
又、いつもの通りスルーガイドと2人でズンズン歩いてく。
何故、そんなに急がなきゃいけないのかわからない。
当然、杖の「0山田じいちゃん」なんかが遅れる。
たちまち列が長〜く間延びする。
もう、これだけでも後ろが気になっちゃってあずましくない。
「ヴィリニュス大学」だの「大統領官邸」だのって説明してる。
けど、後ろはぜんぜん追いついてないし・・・。
嫁さんもいつもの限界間近な顔になってきた。
思えば、世界各地でどれだけトイレを探したことか・・・。
そんな想い出に耽ってる余裕はない。
カフェやら観光案内所やら覗いてみる。
- 「日本トイレ協会」
いつの間にか、我々が最後尾になった。
だんだん必死になって来た。
いざとなりゃ、土産物屋にでも飛び込むか。
何か買い物でもすりゃヤとは言わないべ。
いつの間にか、一緒にトイレを探してくれてるヒトがいる。
「H場さん」である。
「あれっ、ダメか。ここはカギがかかってらあ・・・」
「何だか済みませんねえ」一応、礼を言う。
「日本だったらパチンコ屋に飛び込んじゃえばいいんだけどなあ・・・」
後で名詞を頂いてわかったんだけど、この方「日本トイレ協会」の会員だった。
具体的に何をされてるのかは知らないけど・・・。
でも、気持だけでも有り難い。
すったもんだの挙句にホテル発見。
道路に面してオープンカフェを出してるちゃんとしたホテルだ。
「やった!飛び込んで『ウォッシュルーム・プリーズ!』って言えば大丈夫だから・・・」
本人は必死だから素直に飛び込んでった。
予想通り、スタッフがにこやかに案内してくれてる。
やがて嫁さんが至福の顔で出て来た。
「サンキュー!」っとか言っちゃって・・・。
やれやれ・・・。
当然、ご一行様ははるか遠くに行っちゃってる。
「H場さん」や一部のヒトの協力でカドカドに見張りを立ててくれてた。
慌てて吹っ飛んでって合流する。
有り難いこってある。
この方々がいなかったら放浪の民になってたかも・・・。
「どうも有難うございました。助かりました」
嫁さんもお礼と愚痴が出る。
「助かりました。でも、添乗員さんはもうちょっと優しくして欲しいわ!」
「いやいや、それにしても何だか強圧的なんだよなあ・・・」
多分、キョーコさんはこの騒ぎをまったく知らないべな・・・。
- フリータイム
やっと合流したらフリータイムになった。
やれやれ・・・。
何だかくたびれた。
ようやく一息ついてビールでも飲みたいところだけど散策もしたい。
時間ももったいないってなこって歩き始めた。
一番の目抜き通り「ピリエス通り」をウロウロ。
いろんな土産物を覗いてみる。
嫁さんが「トラカイ城」で買ったナベつかみを発見。
何と値段が1.5倍だった。
「何だか得した気分♪」っとゴキゲンである。
露天商もいっぱい出ている。
見ていて飽きない。
宿題の「魔法使いのおばあさん」もあっちこっちにある。
音声センサー付きで眼が青く光って笑う魔法使いもあった。
都会のセンスなのかなあ・・・。
でも、キモい。
何だかんだビール飲む時間は無くなっちゃた。
仕方なくアイスクリームなんか喰いながら集合場所へ。
集合場所の「聖アンナ教会」もなかなかである。
中は何もないらしいけど、500年前のゴシック建築の傑作で何ともいい味である。
何だか半分はトイレ探しの市内観光だった。
- 「ル・メリディアン・ヴィロン」
今日の宿泊はちょっと郊外のホテル。
ゴルフ場付きのリゾートホテルである。
パッケージツアーでは良くあるパターンだけど、実は悪く無い。
設備が充実してるし、プールやテニスコートもある。
夏のヨーロッパはいつまでも明るい。
さすがにゴルフは出来ないけど、晩メシ後にテニスくらい出来ちゃう。
それが無理でもプール・サウナくらいはイケる。
運動不足解消にもいい。
でも、それはホテルで晩メシを喰わないと無理。
何故か今回は一旦チェックインしてから又、バスで出掛ける。
良くわかんない・・・。
そうなると出発時間まで部屋でビール飲むっきゃないべや。
またビールかよ!
- パスポート
集合時間になってみなさんロビーに。
基本的にツワモノどもは時間厳守。
それは大したモンだと思う。
ゾロゾロとバスに乗り込む。
ところが「A田さん夫妻」とキョーコさんが乗って来ない。
どうしたんだべ?
バスの車窓から全員で注目だ。
3人でロビーでごちゃごちゃやってる。
バッグの中身をひっくり返して、何か探してるみたいだ。
20分経ち、30分経って、さすがに誰かが様子を見に行った。
どうやら奥様のパスポートが無い、という事らしい。
さっきのフリータイムで何か宝飾品を買って免税手続きをしたそうだ。
その時、手渡したパスポートを店員が返し忘れた。
更に奥様ももらい忘れた。
っという事らしい。
結局、お2人はタクシーでお店にパスポートを取りに行った。
そして晩メシのレストランに合流する段取りになった。
でも、ここまで漕ぎ着けるまでが大変だったらしい。
ご主人はこの店に間違い無いので急いで電話してくれるように頼んだそうだ。
ところが、奥様もキョーコさんもパニクッて話にならなかったとか。
「まず、スーツケースからハンドバッグまで全部中身を出して下さい!」
っと始まっちゃったらしい。
例のごとく、もう聞く耳持たない。
そう言えば奥様が部屋に走ってったっけ。
仕方なくその通りやって、無い事を確認してからようやく電話。
果たしてパスポートは店にあった。
キョーコさん、今度は店が19:00閉店だという。
「待っててもらうように頼みましたので、すぐにタクシーで行って下さい!」
お2人が店に到着すると、店員も申し訳無いと謝ってた。
閉店時間を訊くと21:00とか・・・。
何なんだ?
すぐ電話してくれりゃ、みんなをあんなに待たせずに済んだのに・・・。
手落ちがあったのは事実なので大きな事は言えないが・・・。
っと言いながらも、後から聞くとご主人は憤懣やる方なかったようだ。
気持はわかる。
きっとキョーコさんには延々と待たされた我々はアウト・オブ・眼中だったんだべなあ・・・。
みなさんにヒトコト事情を説明するゆとりは・・・ないべなあ・・・。
ひょっとして向いてなくない・・・?
- 晩メシ
晩メシも名物料理だった。
良く言われる「リトアニア風餃子」である。
何だかログハウスみたいな大きな木造の店だった。
テーブルもタタミ2枚分くらいのごっついヤツだ。
とっても動かせるシロモノじゃない。
10人掛けくらいの長イスなのでテキトウに座るっきゃない。
同席者は「H場さん」「Sガピョン」「Sコグチさん」「0田さん」「Hマチャン」「Hヤシさん」
同席お初の東大卒でどっかの建設関係の「I塚さん」
後は「A田さん夫妻」用の空席である。
ま、何でもいいや。
まずビールだい!
0.5Lで5LTL=約200円、ほぼ全員で乾杯!
何だ、イケるじゃん。
名物なのに不味くなかった。
- 楽団
しばらくしたら「楽団ふたり」が入って来た。
ギターとバイオリンというフォルクローレパターンだ。
「さくらさくら」なんかを交えて幾つか演奏してた。
まだ、喰ってる最中と踏んだんだべ。
チップ入れのカゴを一回りさせて隣のフロアに移って行った。
そこへ「A田さん夫妻」到着。
「みなさま、申し訳ございませんでした」
奥様が挨拶する。
一同、大拍手。
もうすっかり出来上がってる。
ま、とりあえず席について、駆けつけ餃子という事で・・・。
ご主人がキョーコさんに一応経過報告している。
とりあえずタクシー代の現金を借りて行ったらしい。
ご主人は100LTL=約4千円を渡した。
でも、キョーコさんは幾ら貸したのか定かじゃなかったようだ。
相当、パニクッてたんだべなあ・・・。
「タクシー代は幾らぐらいかかったんですか?」
っと訊いてみた。
「思ったより安くって80LTL=約3,200円で済んだの」
「良かったっすね。そんなモンで・・・」
そこへさっきの「楽団ふたり」が戻って来た。
今度はいろいろ小道具を持ってる。
「ギロもどき」とか「カウベルもどき」みたいな鳴り物である。
みんなに配ってる。
これを鳴らして一緒に踊れっということらしい。
嫁さんが率先して飛び出してった。
「A田さん夫妻」も続く。
「H場さん」「Sコグチさん」「O田さん」・・・。
次々と飛び出して行く。
何となくフラストレーションの貯まったツワモノどもは凄かった。
もう、どんちゃん騒ぎである。
「あ〜〜〜すっきりした〜」とか言ってる。
何だ、ウサ晴らしかい・・・?
明日は「十字架の丘」を観てからお隣のラトビアへ。