ポーランド出国の雑感

  • 回復

 旅行6日目にしてようやく朝から晴れた。
気温も夏らしく20℃を超えるという予報である。
フツーの海外旅行は大体8〜10日間っくらい。
正味の日数は前後2日を差っ引かなきゃなんない。
もし8日間コースだったら今日は帰国前日である。
もしそんな事になってたらグレてやる・・・。
 今日はリトアニアのカウナスまで380kmを移動。
予定所要時間は6時間半。
途中、国境に近いアウグストという町で昼メシ。
その後、国境を越えて、両替をして、トイレに寄って・・・。
夕方、「カウナス旧市街」観光がある。
ま、かなりゆったりした行程だ。

  • 雑学

 道中が長いと添乗員さんは大変。
いろいろな手持ちの雑学ネタを披露してくれる。
そしてしゃべる方も聴く方も疲れてくるとBGMを流してくれる。
でも、この雑学は結構面白い。
本を読んでるのと訳が違う。
目の前にある珍しい現物についての話を聴けるのである。
 そんで又、興味のある関連ネタが出て来たりする。
それは日本に帰ってからの楽しみに取っておく。
調べて、納得して、次の旅のネタに繋げたり・・・。
いつも旅の大きな楽しみの1つでる。
 キョーコさんはポーランドの残りネタを披露してくれた(らしい)。
が、気のせいかも知んないけど、どうもテンションが低い。
いつも必要以上にでかい声なのに、何だかもごもごぶくぶく言ってる。
ヘタすると本の丸読みみたいな解説にも聞こえる。
何だか聴き取れなくてイライラしてくる。
良くわかんないけど「どーせ誰も聞いちゃいない・・・」
なあ〜んて思ってんじゃないべな?
 遂に、おばはん代表「I川さん」が声を上げた。
「済みません。良く聴き取れないんですが・・・」
こう言う時の対応が上手じゃないと感じてしまう。
「あ、そうですか?わざとボソボソしゃべってたんですけど・・・」
余計なヒトコトである。
「良くアンケートで添乗員の話がうるさいって書かれちゃうもんですから・・・」
更に余計である。
 「はいっ、了解しました。ちょっと大きな声で話してみますね」
っでいいと思うんだけど・・・。
そして、「どうですか?聴き取れますでしょうか?」だべや。
ひょっとして向いてなくない?

  • 家賃

 昨日のマーガレットさんからのポーランド雑学。
平均月給は8〜9万円と言われるそうだ。
でも、公称ってヤツはあてにならないと言ってた。
所得格差は大きくって農村部なんかはとんでもなく貧困だという。
 都市部はずいぶん豊かにはなった。
住環境も格段に良くなったらしい。
共産主義時代には17〜8㎡の集合住宅が主流だった。
今は30㎡くらいが主だとか。
家賃は公営住宅なら8千円くらい。
市営住宅になると青天井だけど、ま、3万円くらいが相場らしい。
いつも思うけど、こう言う物価水準と観光地での物価がまったく釣り合わない。
観光客からはほとんどぼったくりじゃん。
 ジモティはユーロ導入に反対しているそうだ。
他国の例を見てもわかるけど、間違いなく物価は上がる。
農村部なんか喰えなくなっちゃう。
旅行者には便利でいいという声もあるけど、それこそカラスの勝手だ。
逆に国の個性が無くなってつまんなくなっちゃうかも・・・。

  • 「連帯」

 世界情勢にオンチな我々でもワレサの名前は知ってる。
ポーランド=自主管理労組「連帯」=ワレサという繋がりである。
東側社会を揺るがした張本人と言えるかも・・・。
グダニスクの造船所が世界の震源地になった・・・みたいな・・・。
 そのワレサの話もあった。
「連帯」の委員長だったワレサは1990年に大統領になった。
このヘンまでは覚えがあるなあ・・・。
ところが大統領になっちゃったら大変身したそうな。
脱税したり、親族郎党100人くらい引き連れて海外出張に行ったり・・・。
一気に信用を失ってしまったそうだ。
 そして1995年の大統領選挙で対抗馬をクソミソに罵倒した。
それがテレビで放映されて信用失墜のダメを押したらしい。
見事にワレサは落選。
国民はワレサキに対抗馬に投票したらしい・・・ってか?(^^)
 でも、この事は海外ではあまり知られていない。
国内ではすっかり不人気だけど海外からはまだ引き合いがあるらしい。
そこで海外で講演活動なんかして喰いつないでいるとか・・・。
何だべねえ・・・。

  • アウグスト

 何の変哲もない通りすがりの町だ。
でも、何となくしみじみしていていい街並みだった。
街中の小洒落たレストランで早めの昼メシ。
まだ、準備中みたいな雰囲気で他に客は誰もいない。
オープンカフェもあってアイビーゼラニウムペチュニアがキレイだ。
天気はピーカンだし、こんなところでメシ喰えたらいいなあ・・・。
ま、無理やろね。
 とりあえず席につく。
天気もいいし、まずはビールでしょ。
ここにはポーランド地ビール3種の最後の銘柄があった。
「LECH」(レフ)である。
0.5Lで4zl=約160円。
安い!
でも、これがホントの相場だんべ。
これで「ZWEIC」(ジヴィエツ)「OKOCIM」(オコチム)「LECH」(レフ)と味わえた。
どれが一番美味かったか?
やっぱアサヒ・スーパードライだんべ・・・。

  1. 【トマトスープ】  酸っぱくって美味かった。ホシ3つ。
  2. 【ポークシュニッツェル・サワーソース】  惜しい。サワーソースが余計。ホシ2つ。
  3. 【アップルケーキ】  まずまず。ホシ2つ。

 結構、ポイント高かったなあ・・・。
あれでオープンカフェを融通してくれたら満点も夢じゃなかったかも・・・。

  • 同席者Ⅷ

 今回も同席者は「Sガピョン」だった。
たまたまあっちこっちのグループからあぶれたらしい。
でも、ちゃんと話するのは初めてである。
いい機会ではあった。
 「Sガピョン」は新宿で事務所を開いているそうだ。
不動産登記なんかの仕事をしてるらしい。
本人は土地家屋調査士で10人くらいの従業員がいるとか・・・。
ひぇ〜っ、社長さんだべや。
楽しそうな事務所である。
 「いつも一人旅が多いんですか?」
っと振ってみた。
「女房にも子どもにも相手にされない団塊の世代ですよ。一人でしか行けません」
自分で言うかあ〜?
さすがは「Sガピョン」である。
 いつも旅行にはパソコンを持って来るらしい。
触れなかったけど、ケータイも持ってる事は知っている。
アウシュビッツで電話がかかって来て、中谷氏に怒られてたのが印象的だった。
「パソコンは主に何に使うんですか?日本と通信するんですか?」
無難な質問だと思うんだけど・・・。
「いえ・・・通信はしませんねえ。そうだなあ・・・写真の整理かな・・・」
やっぱ「Sガピョン」らしい・・・。

  • 国境

 ヨーロッパは垣根が無くなった。
っとは言え、やっぱり国境はそれなりに厳しいムード。
写真撮影は禁止。
バスに国境警備員が乗り込んで来てパスポートを回収。
1人1人写真と現物を確認しながら集める。
パスポートの写真も10年も経っちゃうと、まるで別人28号。
かなり念入りに確認されてるヒトもいた。
 出国はフリーパスで、入国は審査するスタンスである。
これはどこの国も共通みたいだ。
審査を待つ間にポーランド側で両替。
又、キョーコさんがこの解説にえりゃあチカラが入る。
どんどんテンションが上がって、声がでかくなって・・・。
あっち行ったりこっち行ったりで訳がわかんなくなる。
 要するにポーランドの「ズウォティ」はここで両替すべし。
コインの両替はここが最後のチャンスである。
紙幣についてはこの後の国でも両替は可能である。
リトアニア通貨は「リタス」でレートは「ズウォティ」と1:1。
ホテルでは円からの両替は出来ません。
2泊するのでそれなりに・・・。
 ってえ事だけなんだけど・・・。
枝葉が多過ぎて幹が見えなくなっちゃう。
「コインを記念に持って帰りたい方は別です」
ラトビアは1泊なので『ラッツ』の両替はしなくてもいいかも・・・」
何故か半パニ状態である。

  • マニアック

 ツワモノどもは慣れたモンである。
みんな勝手フィルターみたいなのを備えてる。
ある一定のレベルを超えた声は耳に入って来なくなる。
勝手に要点を掴んで「ふんふん」と聞き流してる。
 ところが中には几帳面に1から10まで聞いちゃうヒトもいる。
その典型がどっかの小学校の先生だという「Sコグチさん」
いつもでっかいリュックを背負って猫背で歩いてる。
中には立派な1眼レフのカメラが2台入っててパシャパシャ。
あっちこっち走り回って、かなりマニアックだ。
ほとんどガイドさんの観光案内なんか聞いてない。
 実務的な説明はまったく別。
キョーコさんの力説をストレートにちゃんと聞いてる。
見てると「Sコグチ」さんのアタマにだんだん熱がたまってくる。
その内、湯気が立ち始める。
んで、キレる。
「結局、どうすればいいんですか!」
「説明がまったく要領を得ないんだよ!」
っと始まる。
やれやれ・・・。
 「O山田さん」が後ろの席でつぶやく。
例の「無着成恭」調だ。
「あの方は〜、両替所から幾らかもらってるんでしょうかねえ〜?」
又、吹いちゃった。