リトアニア・カウナスの雑感

  • 運転手

 バスの運転手はポーランド人。
しかも英語があんまり得意じゃないらしい。
更にこの運転手は地図を持ってないとか・・・。
昨日、マーガレットさんとお別れしてからは現地ガイドはいない。
行く先々で現地スルーガイドと待ち合わせである。
さっきからキョーコさんはさかんに運転手と何か大声でやり取りしてる。
ケータイで電話もしてる。
ツワモノどもには何が何だかわかんない。
 突然、バスが止まった。
キョーコさんが叫んでる。
「違う!ここに止まれと言ってんじゃない。走って!走って!」
もちろん英語だけど・・・。
トイレのあるガソリンスタンドに止まってくれと言ったらしい。
あんだけまくし立てたら英語がわかるヒトでもパニクるかも・・・。
 キョーコさんが大きなため息をつく。
「とっても不安です」
おいおい・・・。
客の方が不安になっちゃうべ。

ため息をつくたびに、幸せが1つ逃げてゆく・・・。

  • 「タキオイ・ネリス」

 今日のホテルの名前である。
まずはここで荷物を降ろしてから市内観光に行く事になっていた。
バスはホテルを探しながらウロウロ。
ツワモノどもはほぼ全員オソロのガイドブックを持ってる。
「違うよ。この道じゃないよ」
「もう1本、向こうの通りを右折だよ」
とか何とか言いたい放題・・・。
 カウナスは小さな町だった。
ホテルの名前にもなってる「ネリス川」と「ネムナス川」が流れる。
その合流地点に作られた町だ。
世界大戦の22年間、ここにリトアニアの首都が遷されていたそうだ。
現在の首都ヴュリニュスがポーランドに占領された為だとか・・・。
複雑である。
カウナス市民は首都ヴュリニュスに対抗心があるそうだ。
首都を奪われたってことだんべか?

  • 「カウナス旧市街」

 なかなかしみじみとしたいい街並みだった。
「カウナス城」から「旧市庁舎」「聖ペテロ&パウロ教会」
「ヴィタウタス大公教会」などを観ながら散策。
 現地スルーガイドはヨランダさん。
当地で見かける女性としては珍しく恰幅がいい。
日本語を勉強中ということで、会話は英語、ガイドは日本語。
ガイドを聞き終わると一同拍手。
やっぱ日本語ってえのは難しい・・・。
 街中で気になったことが幾つか・・・。
1つは落書きの多さ。
せっかくの史蹟なのに古いレンガ造りの壁にペンキがぐちゃぐちゃ・・・。
「旧市街」が死骸化してるってか・・・?
遠くから飛行機飛ばして来た観光客はガックリである。
観光を地域産業として考える気はないんだべか・・・?
 もう1つは見るからしょ〜もないジャリの多さ。
改造バイクでび〜び〜走り回ってる「銀バエ」
あっちこっちでくわえタバコで群れてる「ハエダンゴ」
一様に病んだ眼をしている。
僕らが落書きの犯人でございって、うつろな顔に書いてある。
成長途中のホネと筋肉の軋みなんだべか?
ポーランドではこんなの見かけなかったなあ・・・。

  • 「カウナス城」

 13世紀に作られた「カウナス城」は一部が残っている。
当時、川の対岸はドイツだったそうな。
ドイツ騎士団と戦う為に堅固な城を作った。
でも、ドイツ騎士団が没落したら城は用なしになっちゃった。
後は荒ぶばっかりで、川の氾濫もあったりして残ったのが今の姿。
っとヨランダさんが丸暗記した日本語ガイドを完了。
一同拍手〜っ。
 そこまでは良かった。
何を思ったか「O山田じいちゃん」が質問した。
例の「無着成恭」調である。
「こぉんな城で〜戦えたんですかねえ〜?」
ヨランダさん、質問の意味がわからず困窮。
キョーコさんが飛んできた。
「何かありましたか?えっ?質問ですか?」
「こぉんな城でホントに戦えたのかって訊いただけだ〜」
「え〜っと、当時はこの川の向こうはドイツだったんですね。それで・・・」
「そぉんなことを訊いてるんじゃないんだ・・・」
「O山田じいちゃん」とっとと行っちゃった。
やっぱしマーガレットさんの穴は埋められそうもない・・・。
何だか不穏な空気が・・・。

  • 「新市街」

 ホテルは新市街の真中にある。
今日の晩メシはホテルで19:30・・・。
昨日、これっくらいの時間だったら良かったのに・・・。
多分、みんなが思ったはず・・・。
なかなか上手く行かないモンである。
 メシまでに時間があるので「新市街」の散策に。
ホテルのすぐ裏は立派な「聖ミカエル教会」
その正面を真っ直ぐ「旧市街」に向かって「ライスヴェス通り」が走る。
小洒落た店が並んでいるこの町の目抜き通りだ。
中央がポプラ並木になっていてヒトビトは強い陽射しを避けて散策してる。
めっちゃキレイな通りである。
後ろを見返ると、そこには「聖ミカエル教会」・・・なんちって・・・。

  • スーパーマーケット

 ホテルのすぐ前にスーパーマーケットがあった。
みなさん、行動パターンは同じ。
おばはん3人連れや「Sガピョン」達と会った。
「Sガピョン」が水を漁ってる。
「どれが『ガス無し』かわかんないですねえ・・・」
「請け売りですけど、ボトルが柔らかくて水位が高いのがそうです」
「へえ〜〜〜っ」
予想以上に感心されてしまった。
 又、缶ビールと水とつまみを仕入れる。
美味そうなスモークチーズがあったのでゲット。
100gくらいで5LTL(リタス)=約200円。
安い!
しかも美味かった。
 でも、良く考えてみると両替を3回したカネである。
我々が持ってる「リタス」は世間の相場とは違うべな。
ちなみに計算してみた。
成田で約29,000円を両替=200ユーロに。
ワルシャワで150ユーロを両替=547.5zl(ズウォティ)に。
国境で156.12zlを両替=130LTL(リタス)に。
ってなこって1LTLは47.6円になっちゃった。
最初にワルシャワで200ユーロも両替しちゃったヒトは大変だんべなあ・・・。

  • 晩メシ

 何となく同じメンツになりがちだけど、同席者は「A田夫妻」
ま、落ち着けるメンツである。
まずはビール。
銘柄は忘れたけど0.5Lで5LTL=約200円
味は、ん〜〜〜ん。

  1. 【グリーンサラダ】  緑の葉っぱにちょっと感激。ホシ2つ。
  2. 【ミートローフ、インゲン・ハッシュドポテト添え】  ケバブ仕立てで一部め〜め〜の香り。味は美味。ホシ2つ。
  3. 【レモンムース】  まずまず。ホシ2つ。

 「A田さん」に関しては、今日も新たな発見をした。
バスが道に迷ってる時にまったく同じ感覚で地図をご覧になってた。
「きっとこれが『ライスヴェス通り』ですよね」
固有名詞もポンポン出て来る。
ちょっとびっくり。
失礼ながらそんなに詳細に地図なんか見ない方かと勝手に思ってた。
 更にご主人は本も書いてるという。
アタマの中でイメージがどんどん変わってゆく。
幼稚園を4つも経営してるといろんな所に顔も出してる。
教育関係や厚生・福祉関係も顔が広そうだ。
 ウチの会社の良く似た風貌のかつての上司とはまったく違う。
並べたら失礼である。
それにしても良く似てるんだよなあ・・・。
姿カタチ、首の太さ、足の長さ、顔の形まで・・・。
面と向かって眼を見た時に初めて「ああ、別人だ」と思うっくらい・・・。
それにしても既成概念ってえのは恐い・・・。
明日は「旧日本領事館」「トラカイ城」の後、ヴュリニュスへ。