珍しくもない本の雑感89

 【不可触民と現代インド】(10)

 っが、分離した当時を知るヒトの談話。

「東パキスタンでは上位カーストなどからの虐待の経験はほとんどありませんでした。
何しろ周りは圧倒的にイスラム教徒だったし、彼らの間にはカースト差別はありませんからね。
ヒンドゥーイスラム教徒が争ったり、憎しみ合ったりはしていませんでした。
1947年の分離独立の際のあの突然の殺し合いはなんだったのかと今でも不思議に思います」

聞けば道理じゃん。
元々、何も争う環境じゃなかった。
 争いのキッカケは無理に作られたらしい。
ある日、惨劇が起きたそうな。

パキスタンからインド側に到着した列車の全乗客が虐殺されていたっ!”

運転手1人だけを残して・・・。

「っぴゃ〜〜〜っ!何じゃ、そりゃ?」

 以来、双方の殺戮が始まった。
憎しみの連鎖で、ず〜〜〜っと殺し合いが続く。
死者は百万人以上と言われてるそうな。
仕舞いにゃ、お互いに原爆まで持ち出した。
先のヒトのコメント。

「インドとパキスタンが憎しみ合う理由なんかどこにもありません。
全く政治的陰謀によるものです。
政治的権力を強めるため、民衆に不信と敵意を植えつけ、憎み合わせているのです」

根が深ゃあなあ・・・。

  • 2つのいんど

 インドには2つのいんどがあるそうな。
進んだインドと、遅れたいんど。

「進んだインドでは『恋愛結婚』が自慢になる。
後進的いんどでは『恋愛結婚』は未だにタブー。
そして『恋愛結婚』が許されるカースト社会はインドの3〜4%」

ってのが実態だと言う。
 遅れたいんどで『恋愛結婚』したら・・・?

「何ぉ〜〜っ!親の許可も無しに『恋愛結婚』だとぉ〜〜っ?」

ってんで、娘を木に吊るして焼き殺しちゃう。
実の父親の当然の仕打ちだとか。
これが異カーストの結婚だったりすると大変らしい。

「どけぇ逃げたっ!探し出せぇっ!広場に吊るせぇっ!焼けぇっ!」

公開処刑・・・。
 もちろん、結婚だけじにゃあ。
あらゆる事が、この分類になってるそうな。
そしてカーストの最大の犠牲者は女性。
カースト間の争いで犠牲になる。

「例えば、頭を坊主にされて、首にロープを巻かれて、
素っ裸で村中を引き回される女性の話など、日常茶飯事です。
そんな事、昔から事件ですらなかった。
最近ですよ、こういうことが”犯罪”として報道されるようになったのは」

っぴゃあ〜〜っ!