「ムムターズ」のこと【1/11】

  • 転身

 第5代皇帝「シャー・ジャハーン」。
ある日バザールを散歩したそうな。
そこで1人の売り子をめっけ。
ひと目惚れっ!

「ひゃあ、ホレたっ!第2婦人になっちくれっ!」

売り子は答えた。

「よっシャ〜っ!ジャハ〜ん嫁になっちゃるわいっ!」(^^)

っで、妾になった。
 これもそれまでのインドじゃあり得にゃあ。
ヒンドゥーカーストの世界。
身分が違えば虫ケラ以下じゃん。
接触の機会すらにゃあ。
まして結婚なんか死んでもにゃあ。

「ひゃあ、やっぱイスラムの世界だからこそ、この世界遺産が出来たんだ!」

 一夜にして、売り子から王妃に転身。
その名前は、

「ムムターズ・マハル」

これは”宮廷の選ばれし者”って意味とか。
本名は「アルジュマンド・バヌー」

「ひゃあ、そりゃあ「ムムターズ」の方が、ぜってゃあ可愛い!」

何か、ぽっちゃり系を想像しちゃう。
ところが、彼女は若くして死んじゃったそうな。
37歳だった。

  • 激ボレ

 皇帝は激ボレしてた。
死は受け入れられなかった。

「あり得にゃあっ!何でワシの『ムムターズ』があっ!」

あまりの悲しみに気も狂わんばかり。

「ひゃあ、こうなったら国を挙げて弔いをすんべ!」

こうして墓造りが始まった。
 「ムムターズ」が亡くなったのが、1631年。
墓が完成したのは1653年。
工期22年間。
世界各地から集められた職人が2万人。
建材も世界中から集めた。

「ひゃあ、確かに忽然と白亜のドームが現われるもんなあ・・・」

 白大理石がベース。
これが又、見事な色合い。
更に装飾もすぎゃあ。
サファイア、メノウ、アメジスト・・・。
壁面にはびっちり貴石の象嵌細工が造られた。

「ひゃあ、これじゃ国が傾くのも無理にゃあで・・・」