リマ市内観光のこと【1/12】
- お馴染み
「山中さん」が声をかける。
「久しぶりじゃない?元気にしてたの?」
って訊いたらしい。
この界隈でモノ売りしてるお馴染みらしい。
訊いてみた。
「これ、1ドルって言ってたみたいなんだけど・・・?」
「山中さん」ニッコリ。
「そーです。1ドルって言ってますよ」
やっぱし・・・。
脈ありってんで、子ども達が集まって来た。
他にも、いろんなモンを持ってる。
早速、同行のメンバーがバッジを買った。
他の子どものトーンが上がる。
「いちどる〜っ!いちどる〜っ!」
大騒ぎになって来た。
それにしても安すぎるべ。
すぐ壊れちゃうんじゃにゃあべか?
ついついウガウガしちゃう。
でも、いっか!
ダメモトでも、100円じゃん。
1つ、買っちゃろうかな・・・。
- クモ
1ドル札をゴソゴソ・・・。
その時、突然子ども達がいなくなった。
一斉に雲散霧消。
まさにクモの子状態だった。
見ると、向こうからポリスが歩いてくる。
「あいつかあ・・・」
いいじゃんか!
可愛い子どもなのに・・・。
そんなにシツコイ押し売りでもにゃあのに・・・。
文句言う観光客がいるんだべか?
1ドル札をポケットにしまう。
「又、その内現われるべ・・・」
でも、遂に来なかった。
かつては、この界隈の雑踏はすごかったらしい。
通り沿いに露店がびっちり並んでたそうな。
喰いモンから生活雑貨まで、何でもあったとか。
そりゃもう、活気にあふれてた。
同時に治安も悪かった。
んで、数年前に規制が始まった。
露店は全て撤去されてしまったそうな。
ポリスが眼を光らせてるから、治安は良くなった。
でも、何となく寂しくなっちゃったらしい・・・。
・・・だんべな。