「ガイランゲルフィヨルド・クルーズ」のこと【8/10】

  • クルーズ船

 「ガイランゲル」の港に向かう。
我々が乗る船が待ってる。
沖に停泊してる豪華クルーズ船とはちょと違う。
小型のフェリーである。
ここから、「Hellesylt(ヘルシルト)」までのクルーズだ。
 所要、1時間強。
桟橋にはヒトがいっぱい待ってた。
毛唐のグループも幾つか見える。
「とりあえず、ここでお待ち下さい」
「ヒロミさん」がスタッフと何か交渉してる。
 「さ、乗りましょうっ!」
何故か、我々のグループは最優先で乗船。
毛唐たちが指差しながら何か言ってるのが聞こえる。
何だか気が引けるなあ・・・。
仕組みが良くわかんない。
世界の「JТB」は乗船の順番も買っちゃうんだべか?

  • 1番乗り

 釈然とはしない。
でも、せっかくの1番乗りである。
どこでも好きな場所を確保出来る。
快適に景色を眺められる場所を探す。
 でも、勝手がわかんない。
最初、船首のキャビンの中にしようかと思った。
でも、ここは窓の外のデッキにヒトが立ったらアウトである。
かと言ってデッキで風を切ってくのも寒そう。
タイタニック」じゃないんだから・・・。
 結局、最後尾のデッキにした。
グループの皆さん、同じところにイスを並べた。
みなさん完全武装である。
ダウンジャケット姿も見える。
一応アドバイス通り、手袋やマフラーも持ってきたけど・・・。
後ろだからそんなに風も強くないべ。
 そこに、さっきの毛唐たちがドヤドヤと上がって来た。
何やらぎゃ〜ぎゃ〜言ってる。
さぞムカついてんだべな・・・。
我々の周りにイスを並べて、もっと詰めろとか言ってる。
あずましくな〜い・・・。

  • アナウンス

 船にはアナウンスがあった。
多分、ノルウェー語、英語、日本語、韓国語で話してるんだと思う。
フィヨルド」を進みながら、見どころを解説してくれる。
「右に見える滝は『7人姉妹』と呼ばれ・・・」
なかなか良く出来た仕組みである。
 ちょっとアナウンスの順番が気になった・・・。
自国以外は、アルファベット順だべか・・・?
アイウエオ順じゃないべな・・・。
「JТB」がアナウンスの順番も買ってたりして・・・。
 「左に見える牧場は・・・」
「ぼおおおおお〜っ!」
「縄ばしごを使って・・・」
「ぼおおおおお〜っ!」
「税務署員が来ると・・・」
「ぼおおおおお〜っ!」
 ”え〜い、うるさいっ!”
せっかくの説明が聞こえないべやっ!
他の船とすれ違う時は汽笛を3回鳴らすのがシキタリらしい。
汽笛は我々のすぐそばにあった・・・。

  • ひかり

 船は狭い「フィヨルド」の中をゆったりと進む。
両岸はほぼ垂直に切り立った断崖絶壁。
雄大な景色である。
これはちょっと日本には無いなあ・・・。
 「7人姉妹」、「酒瓶の滝」、「誰それの牧場」・・・。
幾つかの見どころがある。
水の色もきっと鮮やかなミルキーグリーンなんだべ。
氷河のミネラルが溶け出すと、こういう色になるんだそうだ。
 でも、ひかりが足りない。
雨こそ降らなかったけど・・・。
終始、抜けるような曇天だった。
何となく景色がモノトーンになっちゃう。
写真を撮っても何だか暗い・・・。
もうちっと何とかしてくんないかなあ・・・。

  • 「Hellesylt(ヘルシルト)」

 イマイチすっきりしないまま、「ヘルシルト」到着。
小さな街だった。
どうでもいいけど、ヒトを見かけない。
国民全部集めても450万人だという。
国土の面積は38万平方キロで、日本と大差ない。
人口密度は25分の1か・・・。
どおりでヒトを見かけない訳だ・・・。
 この街から、次の目的地「ボヤナ氷河」まで3時間。
大自然の中をドライブである。
基本的に、北欧は全部岩盤の上である。
水は決して浸み込まない。
昨日からの雨であちこちに滝が出来てる。
普段は無い滝である。
雨は雨で、貴重なんである。
 道中、何度かバスが止まったり、徐行したり・・・。
見ると、ヤギさんやヒツジさんの団体がいる。
道路もヘチマもない。
彼らにとっては知ったこっちゃないのである・・・。

  • ルート60 

 バスはルート60を疾走。
さすがにヒトが少ないから、クルマも空いてる。
ほとんど貸切状態である。
車窓は何とも言えない雄大な牧歌的風景だ。
フィヨルド」と岩山と牧場の組合わせは何とも妙である。
 間もなく、大きな湖が見えてきた。
「Lake Hornindal(ホーニンダール湖)」である。
水深514mで、ヨーロッパではナンバー1。
ここは氷河のミネラルが溶け出していないそうだ。
だから水の色がミルキーグリーンじゃない。
すごい透明度らしい。
 「Loen(ローエン)」って街でトイレ休憩。
街のスーパーマーケットにくっついてるトイレだった。
やっぱ、少しは買い物してあげなきゃ・・・。
とっとと店に入ると、ビールと水とつまみを買った。
スーパーバッグを提げて店を出ると、注目の的。
「何、その荷物?自炊でもすんの?」

  • 25%

 どーでもいいけど物価は高い。
北欧4国でも、ダントツの高さだそうだ。
本体の値段も高いけど、税金も常軌を逸してる。
消費税は何と、最高25%である。
 買ったビールは「Hansa」の500ml缶。
多分、1番ポピュラーだと思う。
1本が税込み24NKR(約500円)だった。
その他に水1リットルが17NKR(約360円)。
ポテチがやはり17NKR(約360円)。
スーパーバッグも2.5NKR(約50円)取られた。
 アルコールやタバコは税率25%。
タバコは60NKR(約1,260円)っくらいだそうだ。
ホントは、酒とタバコを一緒くたにして欲しくないんだけど・・・。
「百薬の長」と、「百害あって一利なし」だべさ・・・。
 一般の食品でも13%の税率。
ま、高度福祉社会だからしょうがないのか・・・?
でも、観光客にはぜんぜん関係ねーべや!

  • 「Fjaerland(フィアーランド)」

 バスは「Skei(シェイ)」って街から左に折れる。
ここから氷河地帯に向かう。
目的地は「フィアーランド」である。
 今日の昼メシはこのツアーの目玉だとか・・・。
「ボヤナ氷河」の真ん前にあるレストランである。
氷河を目の前に観ながらの昼メシ。
何とも雄大なこってある。
 レストランの窓はサンルーム仕様になってた。
でかいガラス越しに氷河が迫っている。
いざ、眼の前で観ると、なかなかの大迫力である。
 素っ晴らしい眺めのはずだった。
でも、どうもガラスが歪んで見える。
”何だよ、こんなとこに安いガラス使うなよ”
っとか思った。
 違った・・・。
大粒の雨が降り出してた・・・。
あ〜あ、何だよお〜っ!

  • 昼メシ

 時間は14:00。
結構、腹も減ってきた。
まず、ビール!
330mlの瓶ビールしかないという。
しかも1本、38NKR(約800円)である。
 だんだんマヒマヒだけど・・・。
それにしても高っけえ〜っ!
もったいなくって一気飲みなんか出来ない。
ま、しょうがないんだけど・・・。
 食事が始まった途端、誰かが叫んだ。
「あ゛〜〜〜〜っ!」
窓の外を指差してる。
見るとちょうど、氷河の先端が崩落するところだった。
なかなかドラマチックな景色だった。
ま、「ラルセン氷河」みたいな訳にゃいかないけど・・・。
ラッキーなことに全員が見られた。
最高のご馳走ってこって・・・。

  • 同席者

 今日の同席者はお初のメンバーだった。
って言っても大きなテーブルに全員で座ったんだけど・・・。
ま、近くに座ったって意味で2組がお初。
「土Yさん母娘」と「山Gさん」「鈴Kさん」ペアである。
 「土Yさん」ちは底抜けに明るいお母さんと30歳の娘さん。
娘さんは中学校の先生だとか・・・。
ま、とにかく良く笑う。
お母さんがボケかまして、娘さんが突っ込む。
間違い無く、今回のツアーの盛り上がりの起爆剤の1つだった。
 「山Gさん」「鈴Kさん」はナゾのペアだった。
何かの知り合いらしいけど、一切不明。
年齢もちょっと離れてる。
決していつも一緒に行動する訳じゃない。
聞いてると、お互いに言いたい放題。
 職業も不明だけど、きっと何か運動系だべな。
雨に降られた時、「鈴Kさん」の走り方はタダモンじゃなかった。
フィヨルド」で着てた防寒着も、”おっ!”と思った。
「ヨネックス」のウォームアップスーツだった。
これはテニスか、バドミントンか・・・。
 1度、話し掛けてみた。
「素晴らしい走り方ですねえ。何かやってたんですか?」
「まあね」
それで終わり・・・。
ま、別に深追いする気も無いんだけど・・・。
いずれにせよ、ちょーマイペースである。

  • メニュー

 今日のメインは「ボイルド・サーモン」だった。
さっぱり仕立てで香草が少々振ってある。
これはイケるかも・・・。
早速、「醤油」登場。
今回、仕入れて来た新鮮な「醤油」である。
 やっぱ、美味い。
ヘンに味付けされてなかったのでバッチリである。
「良かったら、どうぞ・・・」
周りのヒトにオススメした。
テーブルをひと回りして帰ってきた「醤油」は半分になってた。
それっくらい好評だったってこってある。
見渡すと、ほぼ全員が完食だった。
 付け合せも美味かった。
珍しくもない「ポテト」と「グリーサラダ」なんだけど・・・。
気のせいか、北欧の野菜はとっても美味く感じる。
後から聞いてわかったけど、やっぱモノが違うらしい。
 デザートは「レモンムース」と「コーヒー」
「ムース」も甘過ぎずで美味かった。
「コーヒー」も嬉しいっ!
完全に☆3つですう〜〜っ!