「Sognefjord(ソグネフィヨルド)地区」のこと【8/10】

  • ルート5

 今夜は「ソグネフィヨルド地区」に宿泊。
「Laerdal(ラルダール)」という街だ。
明日の「ソグネフィヨルド・クルーズ」の船が出る港町だ。
午後は「ラルダール」までドライブである。
 ほどなくバスは「Sogndal(ソグンダール)」ってな街に・・・。
えりゃあ、キレイな街である。
フィヨルド」と牧場と森・・・。
カラフルなマッチ箱みたいな家々がパラパラ・・・。
さすがに運ちゃんも、写真ストップでバスを止めてくれた。
 この景色はハンパじゃない。
この現実離れした眺めは何なんだべ?
これは写真には収まらんべ。
部分的に切り取ってもダメな気がする。
ま、しっかりと眼に焼き付けまひょ!

  • フェリー

 「Mannheller(マンヘレル)」って港に到着。
ここからフェリーが出てる。
時間にすると15分の距離。
日本だったら、あっという間に橋が架かっちゃうべ。
道路族センセイ方の絶好のゴチソウである。
 ノルウェーはヒトが少ない。
だからフェリーでいいそうだ。
余計なカネをかけず、景観を壊さず、雇用も確保出来る。
まったくだと思った。
日本もこれからヒトの数が減る。
こういう発想になれるんだべか?
 長〜いトンネルを抜けるといきなりフェリーターミナルだった。
トンネルの中で車線が急に増えた。
陸上競技のトラックみたいになって、番号が振ってある。
何だ?何だ?
びっくりしてたら、これがフェリーの順番待ちの車線だった。
んなあるへ・・・。

  • 30分

 あいにく17:00のフェリーは満車だった。
次は17:30だという。
別にい〜じゃんって気持ちになる。
ま、トイレでも行ってのんびり待ちまひょ!
 近所の子どもが、チェリーを売ってた。
1パック5ユーロ(約750円)だという。
多分、1kgっくらいあったべ。
「菊Tさん」がソク買ってきて、みんなに配ってる。
頂いてみたらえりゃあ美味い!
 これなら買うか、っと思ったらもう手遅れだった・・・。
後続のバスに毛唐の団体がいた。
全部買い占められてしまった。
子どもはいっぺんに仕事を終えて、スキップしながら帰っちゃった。
ぬかったぜ・・・。

  • 地図

 意外な発見があった。
フェリーを待つ間、みんなヒマである。
そこら辺をウロウロしてる。
ターミナルの壁に地図を発見。
昨日からの「フィヨルド・ツアー」のルートがわかる。
 嫁さんに通ってきたルートを説明してた。
「こっから来て、こ〜で、こ〜で、ここにいて、ここに行く・・・」
何となく、周りにひと気が増えてきた。
「ちょっと、もう1度教えてよ」
 「え〜っとね、こ〜で、こ〜で・・・」
又、別なヒトが来た。
「これのどこよ?」
「ちっともわかんねえな・・・」
 僭越ながら・・・。
何回、説明したかわかんない。
その内、おばはんに言われてしまった。
「何故、そんなことがわかるのよ?」
「いやあ・・・」
再認識した。
世の中、地図を読む気がないヒトが如何に多いか・・・。

 船が来た。
小っちぇえ!
函館とか、苫小牧から出てた船と大差ない。
ま、15分だからねえ・・・。
 このフェリーは、お坊ちゃまを思い出させる・・・。
北海道にいた時に、何度か静岡県まで帰省した。
飛行機は気圧も変化してストレスが大きい。
ってんで、フェリーを使った。
 最初にフェリーに乗った時は大変だった。
ペットが同伴出来る個室が無かった。
仕方なくケージに入れて、別室に預けた。
お坊ちゃまは鳴き続けた。
 ず〜っと、ず〜っと鳴き続けてた。
ダメだ、こりゃ・・・。
ってんで、こっそり部屋に連れてきた。
以来、必ず同伴・・・。
いっつも一緒だったなあ・・・。

  • 「Fodnes(フォドネス)」

 ぼ〜っと考え事してる間に着いちゃう。
そんな距離である。
対岸の港は「フォドネス」
ヒトもクルマも一斉に架け橋を渡る。
 フェリーの架け橋って、金属の格子になってる。
よく排水溝のフタに使われてるアレである。
この格子のでかいヤツを架け橋にする。
当然、海が透けて見える。
 お坊ちゃまはこの格子が苦手だった。
絶対にこの上には乗らない。
お散歩してても排水溝のフタはジャンプしてよけた・・・。
こんなトコ絶対に歩かないべなあ・・・。
あべっ!
連想の連鎖か・・・。

  • 「Laerdal(ラルダール)」

 バスでちょっと走ったら、「ラルダール」に着いた。
ソグネフィヨルド・クルーズ」の基点になる街である。
今夜のホテルは「ラルダール・ホテル」
そのまんまである。
 ロケーションは最高だった。
港まで歩いて1分。
ホテルの前は一面の芝生。
その先に「フィヨルド」が広がってる。
素っ晴しい眺めである。
もちろん、我々は「フィヨルド」側の部屋じゃなかったけど・・・。
 ま、質素なホテルである。
造りはロッジ風で、エアコンも冷蔵庫もない。
旧式のテレビは2チャンネルしか映らない。
ベッドは、ぼよよ〜んである。
我々はここを「山小屋」と命名した。
以降、みなさんが「山小屋」と呼ぶようになった・・・。

  • 芳香剤

 多分、夏のバカンスシーズンだけの営業だべ。
冬場はクローズしちゃうんじゃないかな・・・。
当然、館内はカビ臭くなっちゃう。
そこで登場するのが芳香剤。
 カギを開けて部屋に入った途端、めまいがした。
すんごい臭いである。
トイレの消臭剤を煮詰めたような臭いだった。
どうもクローゼットが元凶らしい。
 「こりゃ、たまらんっ!」
早速、窓もドアも全開にした。
換気扇も全開で回した。
クローゼットも開けっ放しにした。
 それでもなかなかしぶとい臭いである。
しょうがない。
”毒をもって、毒を制するっきゃない!”
蚊取り線香を焚いた。
これは効果バツグンだった。
完全に蚊取り線香の勝ちである。
やれやれ・・・。
やっと落ち着いたぜ。
毛唐の世界では、馴染みがない臭いだろうけど・・・。

  • ダウン

 晩メシは19:00からだった。
「メシの前に芝生に出てみようかね」
「散歩っくらい出来るわね・・・」
ところが、何の!何の!
部屋の臭い取りに追われてる内に18:30になっちゃった。
 「ま、少しでも歩ってみよう・・・」
ってんで、部屋を出た。
すると、階段の踊り場でひと悶着。
「あたし、もうダメ!」
突然「近Dさん」がソファーに倒れ込んで来た。
 「どうしたんですか?」
「あたし、もう部屋替えてもらわないと明日起きれない!」
原因はやっぱ、あの芳香剤だった。
窓を開けたけどぜんぜん消えなかったという。
気持ちが悪くなってしまったそうだ。

  • パニック

 結局、「近Dさん」の部屋までついて行った。
換気を試みたけどそんなモンじゃ追っつかないみたい・・・。
もう具合が悪いから部屋を替えてもらいたいという。
「ヒロミさん」登場。
 「ホテルと交渉してみます」
こっちも何だかパニくってる。
何か別件でもトラブってる様子である。
後からわかったんだけど、「オスロ」とのやり取りに追われてた。
「藤Iさん」の具合が芳しくないらしい。
「ベルゲン」での合流は厳しそうって事だった。
 トラブルってのは、順番にはやってこない。
得てして団体さんで押しかけて来るモンである。
それを何とか捌かなきゃなんない。
ツアコンのつらいところである。
ま、仕事って何でもそんなモンだけどね・・・。