「ガイランゲル・フィヨルド」のこと【8/9】

  • ビューポイント

 山を下る途中、バスが一旦止まった。
外は真っ白。
でも、ここが「ガイランゲル・フィヨルド」のビューポイントだとか・・・。
よく、パンフレットやポスターに使われる景色だそうだ。
 ”あれか・・・。”
岩のてっぺんにヒトが座ってて、遙か彼方に「フィヨルド」が・・・。
フィヨルドには豪華クルーズ船が・・・みたいな・・・。
確かにちょー有名な景色なんだべ。
でも、土砂降りで雲が低くて何も見えない。
 「残念ですが、明日に期待ってことで・・・」
バスを降りることも無く、ビューポイントはパスである。
ホンットに残念である。
何で、よりによって雨なんだべ。
観られなかったと思うと、余計に気になっちゃう・・・。

  • 「Geiranger(ガイランゲル)」

 「フィヨルド」の港町「ガイランゲル」に到着。
いいっ!
素っ晴らしい景色である。
こんな景色は日本にはちょっとないなあ・・・。
波1つない水面に暮れない空が映える。
しばらく感覚が慣れないけど、「フィヨルド」は海なんだよなあ・・・。
 今日のお泊りは「ガイランゲル・ホテル」
そのまんまである。
フィヨルド」に面した最高のロケーションである。
でも、全員が山側の部屋だった。
ビジネスクラスで参加した2組もおんなじだった。
ま、公平でいいんだけど・・・。
せっかくここに泊まって、山と駐車場しか見えないのは寂しい・・・。
 バスが到着すると、近所の子どもが2〜3人集まってくる。
ベルボーイのバイトらしい。
スーツケースをそれぞれの部屋に届ける。
それが済むと、チャリンコで帰って行った。
何だか、しみじみしてていいなあ・・・。

  • 晩メシ

 今日も20:00っくらいの晩メシ。
みなさん、長距離移動で疲れ気味。
今日は間違いなくブッフェである。
最初っから旅程表にそう書いてあった。
ノルウェーだから「コルボール」か・・・。
何でも同じって噂もあるけど・・・。
 テキトウに座ったら、6人席の中央になっちゃった。
両サイドをビジネス組の「吉D夫妻」と「M本夫妻」に挟まれた。
しくじったかな・・・。
っと、一瞬思ったけど結構気さくなメンツだった。
 「吉Dさん」のご主人はガンガン飲んで陽気。
「M本さん」のご主人は甲斐甲斐しく、かつ良くしゃべる。
そして両家の奥さま方がなかなか・・・。
何でも同じ19年生まれだそうで、実に座持ちがいい。
ずいぶん楽しませて頂いた。

  • ソアベ

 まずビール。
ここも「Hansa」ドラフトだった。
500mlで52NKR(約1,100円)である。
だんだん感覚がマヒマヒになってくる。
 「吉Dさん」が白ワインをオーダー。
リストを見たら「ソアベ」があったってんでフルボトルを取った。
あっと言う間に1本空いた。
お値段は330NKR(約7,000円)。
ひっくり返った。
 「M本夫妻」は、たしなむ程度である。
でも、ご主人の甲斐甲斐しさには舌をまいちゃう。
何度も何度も席を立つ。
奥さまの分も合わせて、いろいろ取ってくる。
 その内に、我々の分まで持って来てくれたりする。
「いやいや、そんな申し訳ないですから・・・」
結局、スープを全員分持って来てくれた。
 でも、スプーンが無かった。
これ以上、先輩を立たせる訳にゃいかんざき。
吹っ飛んで、スプーンを取って来た。
「吉Dさん」が13年、「M本さん」は15年生まれだとか・・・。
若いっ!

  • 散歩

 さっきのビューポイントの話題になった。
あまりにも惜しい。
明日、バスで行ってくれないかな?
同じ道はもう通らないんだろうか?
みなさん、やっぱ同じ気持ちらしい。
 「歩いたら、どれくらいかかるかな?」
「吉Dさん」が「ヒロミさん」に訊いた。
「ヒロミさん」が近くのテーブルでメシを喰ってたドライバーに訊く。
 「30分はかかるって言ってますね」
「有難う。30分ねえ・・・」
”30分じゃちょっときつかんべ・・・。”
っとは思ったけど、悪くない。
「明日の朝、行くんですか?」
「うん、歩くのが好きだからねえ〜。行ってみようかな・・・」
 夜、密かに作戦を練った。
明日は「フィヨルド・クルーズ」だ。
ホテルは9:00に出発。
バゲージダウンは6:45である。
レストランは7:00から・・・。
早起きして、手荷物を1つ作れば何とかなるか・・・。

  • メニュー

 「コルボール」もちょっと慣れてきた。
バランス良く喰うコツがわかった。
計画性が大事だ。
行き当たりバッタリはダメなんである。
 まず「コルボール」全体を見渡して、全体計画を立てる。
デザートまで適量で喰えるような計画である。
今回は全部をイメージした。
 まず「マリネ」と「冷製」を少し・・・。
次に「トマトスープ」
仕上げは「暖かいパスタ」
余力があれば「温野菜」も少し・・・。
デザートは「アイスクリーム」だ。
 完璧である。
「マリネ」系は美味かった。
っと思う間もなく、「M本さん」がいごいた。
「『トマトスープ』美味しいですよ。これ、オススメですよ」
すぐに「スープ」が来ちゃった。
ところが、これが結構粉っぽくって・・・。
 仕上げの「パスタ」も年寄り向きか、軟弱な茹で加減だった。
デザートの「アイスクリーム」は美味かった。
全体としては、☆2つかなあ・・・。
どうも、ブッフェが上手に喰えない気がする。

  • カフェ

 情報が入った。
レストランの下のフロアがカフェになってる。
このカフェでコーヒー・紅茶が無料で飲めるという。
要するにブッフェの続きみたいな感じらしい。
 下の階に降りてみた。
なかなかいい雰囲気である。
大きなテラスがあって、外にも席がある。
但し、さっきまでの雨でぐちゃぐちゃに濡れてる・・・。
 カフェだからしょうがないんだけど・・・。
室内は、めっちゃタバコ臭いっ!
コーヒーを持って、とっととテラスに逃げた。
まだ霧雨程度の雨が降ってはいた。
 でも、眺めは最高!
こんな雄大な景色って、経験ないなあ・・・。
フィヨルド」の鏡のような水面に家の明かりが映える。
めっちゃキレイである。
 いつの間にか、我がツアーメンバーはほとんどテラスにいた。
「わあ〜、ここいいわねえ〜」
「最高の眺めねえ〜」
一同、大好評だった。

  • 散策

 もう22:00を過ぎてる。
でも、港の土産物屋の灯りが呼んでいる。
散策したくなる雰囲気だよなあ・・・。
みなさん、ゾロゾロと出掛けた。
 土産モンはあんまり食指が湧かない。
主流は「トロール人形」と「トナカイ」グッズ。
例によってお値段は立派なモンである。
小っちゃなキーホルダー程度でも20NKR(約620円)もする。
オチャラケで買う値段じゃないべや。
 「トロール人形」ってえのは、ここんちの伝説の生き物らしい。
ノルウェーの森のヌシみたいな・・・。
決して美しい姿態で、顔は魔女の親戚っぽい。
キモカワイイっ!」っとか言って売れてるらしい・・・。
 雨は上がった。
雲の流れが早い。
ってことがわかるっくらい、やっと薄暗くなってきた程度である。
さすが、北欧の白夜。
よっしゃ!
明日は早起きするどっ!