住宅事情の雑感19

 大変な騒ぎである。
「ローンが34年残ってるのに・・・」
「カネの問題じゃない。こんなとこに住んでられない」
「タダで公営住宅に入れて欲しい」
「国も責任があるべや!」
 ちょっと騒ぎ過ぎって気もするけど・・・。
耐震強度を偽造してカネを浮かせる。
浮いたカネをセンセイ方に配ってメクラ判を押させる。
「販売元」と「設計事務所」と「民間検査機関」の三位一体。
お約束の構図である。
 カツラの建築士のリアクションが興味深い。
「こんなのプロなら誰だってわかりますよ」
まるっきり悪びれた様子がない。
これだけでも構図がよくわかるべ。
 気持ちを良く表してる。
圧力に屈してヤケになって偽造を続けるっきゃない。
どうせいつかバレるに決まってる。
マンションが倒れるかも・・・。
ど〜にでもなれ!って・・・。

  • リスク

 不動産にはリスクが多い。
客はほとんどシロウトである。
テキは百戦錬磨である。
悪徳業者だってウヨウヨいる。
当然、リスクは大きい。
 当ったり前じゃん。
そんなの今に始まったこっちゃないはずだべ。
だからこそみんな慎重に吟味した。
一生に一度の買い物だ、みたいな・・・。
家を買うってのはそういう事だべさ。
 っと思ってたけど最近は違う。
時代が変わったんだべなあ・・・。
不動産も特別なモンじゃなくなったらしい。
ほとんどコンビニの買い物感覚である。
「衝動買いしちゃった〜」
20代の若い衆が簡単に8千万円とかの買い物をする。
ま、ワンコの為にマンション買うヒトもいるけど・・・。

  • 勘違い

 何も考えないヒトが増えたって事もある。
業者も何とか考えさせないようにしてるし・・・。
「家賃払うより買った方がトクですよ」
「今年中に買えば税金がガッツリ返ってきますよ」
巧妙である。
 少子高齢時代の影響も大きい。
カネも不動産もダブついてきてる。
一人っ子が多くなって、両家からフンダンに援助が来る。
金銭感覚がマヒマヒである。
どうせ一家に2軒ずつ相続出来るんだから・・・。
うつろなヒトビトが増える訳だ。
 今や不動産購入に何の緊張感も無い。
業者なんて調べないんだべなあ・・・。
「サンズイの地名は避けろ」
んな〜んて言ったら笑われるべな。
 結果、被害に遭う。
そりゃ、自己責任だべさ。
被害者なんだから国が面倒見ろ?
そりゃ、大きな勘違いだべさ。

 ここ数年、そんな話は幾らでもある。
基礎が打ってないとか柱が途切れてるとか・・・。
そんなに驚くこっちゃないべや。
氷山の一角というか、日常チャメシゴトというか・・・。
今やそんな建物がウジャウジャあるべさ。
シロウトにはわかんないだけ。
 基本的にはあくまで民間の取引の問題。
業者に弁償させるしかないべ。
瑕疵担保責任がある。
業者が倒産させなければの話だけど・・・。
 国に要求出来る事は何か?
固定資産税の減免はわかる。
資産価値は無いんだから税金は要らんべ。
それ以外は要求する方がおかしい。
「不動産が値下がりしたからカネ返せ」に似ている。
 これで少しは買い手が慎重になるべ。
欠陥住宅で泣いてるヒトはヤマほど居る。
悪徳業者が増えてるんだべな。
客がきちんと見れば減るはず。
業者も少し淘汰された方がいいんじゃない?

 「犯人探しは経済にマイナスだ!」
武ブーの発言が全てを物語ってるべや。
ほじり出したら収集つかなくなる。
せっかくのユートピアにキズがついちゃうべや。
ホンネだべなあ・・・。
 そもそも「民間検査機関」って何だべ?
「民間車検場」とおんなじようなモンなんだべなあ・・・。
カネ次第で何でも通っちゃう。
単なる天下りの受け皿組織だべさ。
役人OBに合法的にカネを渡す為の手段だべ。
官主導で民間を巻き込んだ甘い汁吸飲システム。
さぞ美味しいべなあ・・・。

  • 「明日は我が身」

 余禄もありそうだ。
ただでさえユートピアなのに・・・。
税金を掠め取るだけじゃ足りないらしい。
テキトウな審査で袖の下を要求するんだべさ。
美味しさ倍増である。
 フツーならすぐにバレるんだけどなあ・・・。
でもなかなかバレない。
そういう仕組みにはそれなりのハイエナ業者が群がる。

「つまらぬモノでございますが・・・」
「ほう、菓子か?」
「左様で。山吹色の菓子にござりまする」
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、お主もワルじゃのう・・・」

由緒正しい構図だ。
 この仕組みはちゃんと引き継がれる。
後から天下りする役人OBもそれを期待してる。
だから現役は見て見ぬフリ。
「明日は我が身」だから・・・。
見事な仕組みである。