寄付のことⅡ

  • 強制募金

 会社で若い衆が募金箱を持ってはしゃいでた。
「組合で募金をする事になりました。宜しくお願いしま〜す」
又、ヤ〜な気持になる。
ちょっとかまってみた。
「ご苦労様。ところで何の募金なの?」
「えっ?さあ、何だかわかりません」
「何のためかわからないのにカネ集めるの?」
「え〜っと、確か組合の上部団体からの指示とか言ってました」
「そっかそっか、まあご苦労さん」
 若い衆は不思議そうである。
何でそんな事訊くんだろうってな雰囲気だ。
暫くして若い衆が紙っ切れを持って来た。
「趣意書とか言うのが来てました。これでわかりますでしょうか?」
「ああ、わざわざ有難う」
見ると彼が言った通り上部団体に協力するためと書いてある。
ふにゃふにゃいろんな事が書いてあったが要するに使い道がわからない。
”何かの機会に役立てるため”って感じ。
 過去の実績ではナンとか協会にカネを出したとか書いてある。
ある時は上部団体に属するヒトの子どもさんが難病で海外渡航費を寄付した。
これって何だろ?
このルーズさが日本人らしいのかな・・・。
そんな事ほとんど気にしてるヒトもいないだろうけど・・・。

  • 仕組み

 やっぱ仕組みがおかしい。
最たるモンは税制だと思う。
寄付金は全額控除にすりゃあいいじゃん。
セコく1万円差っ引いたりすんなよ。
当然、寄付を受けたら全部領収書も発行する。
明朗会計にすりゃあい い。
カネの流れがちゃんとわかって、監査受けて、税金も払って・・・。
その環境で初めて寄付するかどうかの判断が出来る気がする。
今の環境は暗闇にカネを投げ込むかどうかの判断しか出来ない。
 当然、受け取った側もガラス張りである。
支払調書ならぬ受取調書を発行して税吏が擦り合わせする。
これならはっきりしてる。
 日本はどんどん少子高齢社会に向かっている。
誰もが自分が余生で必要なカネが幾らぐらいか想像がつく。
カネ背負って墓場に行ってもしょうがない。
せっかく生涯かけて得た血と汗の結晶だもん。
是非、有効活用したいと思うべ?
早く寄付がし易い環境を整えりゃあいいのに・・・。

  • 自治体

 もう1つの仕組みの不備は自治体の機動力だと思う。
もっと自治体が知恵を使っても良かろうに・・・。
何か寄付が必要になった時は自治体が機動的に動きゃいい。
震災時なんか自治体が全てカバーする。
手が足りなきゃ優良な民間企業へ委託すりゃいい。
ユートピアは崩壊しちゃうかも知れないけどどんどん民間委託を進める。
福祉・介護・健康推進・衛生・環境保護などなど・・・。
必要なカネは自治体が責任を持って回す。
 そうすれば怪しげな法人は不要になるべ
今回の「やまびこ会」とかいう詐欺団体は誰が認可したんだべ?
何の監視も指導も無いんだろうか?
引っかかった方もそれなりだけど・・・。
ハンコ押したヒトは個人で責任を取るべきだべ。
詐欺幇助だし。
認可しといてその後の監視を何もしないなんて許されないべ?
民間企業と同様に決算報告・監査体制があって当然じゃん。
 自治体が機動的に動けば民間の余計な手を煩わせなくっても済む。
会社・組合・自治会の強制募金は止める。
そもそも寄付ははっきりと意思を持ったヒトだけがすべきだべ。
街頭募金なんてのも止めた方がいい。
街頭でカネを集めるのは大道芸人くらいでいい。

  • 税調

 冒頭の記事から3日後、また旭新聞に記事が出た。
相変わらず日本の1家庭当り寄付金額が・・・とチカラが入ってる。
NPO「やまびこ会」詐欺のことはまったく触れて無かった。
やっぱ、うがうがしちゃうなあ・・・。
 6月17日に政府税制調査会の報告書が発表されたそうだ。
社団・財団法人に代えて設立される「非営利法人」の税制に関する報告書。
ややこしい・・・。
これによると「公益性がある」と認められた法人は税制が優遇される。
認めるのは民間有識者からなる「第三者機関」とか。
民間有識者ねえ・・・。
 現在、社団・財団法人は約2万6千もあるらしい。
その内、寄付金優遇の対象は約900。
これが今後は大幅に増える見込みだとか・・・。
NPO法人特定非営利活動法人)についても優遇対象を増やすらしい。
 NPOって言葉も随分ポピュラーになって来た。
嫁さんもよく「不要品はNPOに持ってく」とか言ってる。
NPOっていってもいろいろあるよなあ・・・。
世界的規模のメジャーなヤツから同窓会まで玉石混交。
承認する民間有識者も大変だべなあ・・・。
あの手この手が襲って来る。
せいぜい身体壊さないように気をつけないと・・・。