「はとバス」のこと

  • 金婚

実家の両親が金婚を迎えた。
総領の甚六が今年、知命を迎えるってんで気づいた。
それも事後だった。
入籍したのは50年前の2月だったようだ。
のー天気である。
いやあ〜、最近は歳を感じるなあ・・・。
遂に今年は50歳か・・・。
ってことは、親も結婚してから50年か・・・。
ん?
待てよ!
ってんで気づいた。
総領の甚六である。
我が家は男3人兄弟。
でも、当然それまで誰も気がつかない。
今ごろになってバタバタとお祝いモードになってる。

ホントは海外旅行をプレゼントしようと試みた。
が、無駄な努力だった。
ちょっと前までは、ば〜ばは行きたがってた。
ロンドン、パリ、ローマ・・・。
昔、娘時代に映画で見た街を見てみたいと言ってた。
が、じ〜じはガンとして動じない。
以前から何度も誘ってたんだけどねえ・・・。
そうこうしてる内にば〜ばは膝が痛いとか言い出した。
もうダメだ。
じ〜じへの気遣いもあるんだろう。
ば〜ばは「はとバス」に乗って東京タワーに行きたいと言う。
かくして「はとバス」観光と「丸ビル」ディナーで落ち着いた。

  • 早起き

今日は有給休暇。
朝は5時半起きだった。
寄る年波で早起きはさほど苦痛じゃなくなって来たけど・・・。
朝一番で「まおさん」
ひんやりした空気がとっても気持いい。
結構、朝早くからワンコの散歩に歩いてるヒトは多い。
さすがに遠足という訳にはいかないが、お坊ちゃまも満足。
してくれたと思う・・・。
通勤の人ごみに揉まれて出発30分前に東京駅へ。
「おっ、いたいた」
はとバス待合室に置物状態になっていた。
何と1時間前に着いたという。
スナックやお茶を買い込んで、いざ出発!

  • スタッフ

我がバスは43名の乗客だった。
一番の人気コースらしい。
運転手もガイドも20代半ばだろうか?
見るからに若いんだけど、なかなかしっかりしてる。
会社の仕組みがいいんだろうなあ・・・。
プロとして実に良く教育されていると思った。
バスガイドは地方から上京する女学生の憧れの仕事・・・。
きっと1人ひとりの志が高くって・・・。
早く一人前のガイドになって田舎のおっかさんを・・・。
古すぎるか・・・。
どうでもいいけど、我がバスのガイドさんは巨乳だった。
はとバス」の採用条件は「はとムネ」な〜んっちゃって・・・。
「ど〜こ見てんのよお!」

  • 東京一日観光

どうしてもつまみ喰いになっちゃうけど充実したコースだった。

丸の内⇒皇居前広場(坂下門〜二重橋〜楠正成銅像)⇒国会議事堂・議員会館・議長公邸等(車窓)⇒赤坂離宮・赤坂見附・表参道・明治神宮・代々木公園(車窓)⇒新宿副都心・都庁・住友生命ビル(昼食)⇒甲州街道・四谷・市谷・靖国神社神田神保町(車窓)⇒浅草(浅草寺仲見世)⇒お台場(フジテレビ〜アクアシティ〜自由の女神〜海浜公園)⇒東京タワー⇒丸の内

懐かしかった。
学生の頃に遊びに行った場所がたくさん。
表参道・明治神宮・代々木公園・新宿・神田・浅草・・・。
嫁さんと懐かしまくってた。
住友生命ビルは30年前、唯一の超高層ビルだった。
今は雨後の竹の子というか、真夏のアスパラガスというか・・・。
あの頃は憧れだったなあ・・・。
展望レストランに上がる為のエレベーターは行列だった。
無理してクリスマス・ディナーの予約取ったりして・・・。
今や住友三角ビルは古い存在になってるらしい。
展望レストランもテナントが空いてる場所すらあった。
じ〜じもば〜ばも「横浜とはちょっと違うね」とか言ってる。
横浜ってのは去年行ったランドマークのことだ。
栄枯盛衰か・・・。

  • 「シャーウッド」

昼食は展望レストラン「シャーウッド」
さすが住友グループ・・・。
バスを降りる前にガイドさんから懇切丁寧な案内があった。
お客は高齢者がほとんど。
どうしても鈴木史郎アナウンサー状態だ。
ガイドさんも慣れたモンである。
「お食事は和食弁当になります」と始まった。
「お食事にはお酒が欲しい方もいらっしゃると思います」
思わず生ビールが頭に浮かぶ。
「飲み物は飲み放題、料金は払い放題となっております」
車中、大爆笑。
なかなかやるなあ・・・。

  • 東京タワー

東京タワーなんて40年ぶり。
それも子どもの頃、じ〜じと来て以来だった。
じ〜じ感激である。
40年前は150mの展望台から階段を使って降りたそうだ。
当然、スケルトン構造である。
記憶が定かじゃなくって幸いだった。
今だったら考えただけで血圧が上がっちゃう。
ば〜ばは東京タワーに初めて来た。
75年生きて来て珍しい存在かも知れない。
せっかくなので、250mの特別展望台まで上がった。
さすが圧巻だった。
特別展望台の造りが何となくショボいので迫力がある。
エレベーターのドアとフロアの間にスキマが見える。
恐ええ〜〜っ!
150m展望台には悪趣味なビューポイントがあった。
床をガラス張りにした場所がある。
じ〜じが意を決して乗った。
続いて嫁さんがガラスに乗ってジャンプなんかしてる。
ひええ〜〜っ!
甚六は写真係に徹する。
ば〜ばも「ひょえ〜っ」とか言って腰が抜けそうだ。
見事に性格が表れる・・・。

  • 土産

旅行といえば土産。
旅の楽しみの半分は土産を買うこと。
っという世代のじ〜じとば〜ば。
「雷おこし」「人形焼」「手焼きせんべい」・・・。
あっという間に両手にいっぱいの荷物になった。
あのヒト、このヒト、会社に、隣に・・・。
ま、いっか。
はとバス」は車内販売がある。
社内限定販売だから乗ったヒトしか買えないレアもの。
饅頭や傘やミニチュアなどがある。
ガイドさんがまたまた懇切丁寧なご案内。
「このバスはお部屋に飾るにも丁度いいかと思います」
10cmくらいのバスのミニチュアだ。
「大きい割に重くないし、お子様が飲み込む心配もございません」
また車中、爆笑。
じ〜じがミニチュアお買い上げ。

  • 満足度

じ〜じ、ば〜ばは結構満足してくれたようだ。
ば〜ばは膝が痛いのを我慢してよく歩いてた。
せっかくだからってことだろうな・・・。
たまには親孝行のマネゴト、くらいの積りで出掛けたが面白かった。
いろんな発見があった。
現代の若者でもこんなに見事に教育出来るという驚き。
観光地でずいぶんハングル文字の案内が増えた驚き。
皇居前広場の芝生で寝袋持って寝転んでるヒトビトの多さ。
代々木公園のあちこちに見えた青いビニールシートの多さ。
お台のスケールの大きさと何となく漂う現実感の無さ。
たまには違った環境に触れるのもいいもんだ。
何にしても満足度が高かった。
更に親孝行のマネゴトはトドメのディナーで仕上げ。
評判の「丸ビル」へGO!