「ダボス会議」のこと

  • 年次総会

新聞に「ダボス会議」の総括記事みたいなのがあった。
良く知らなかったが名前だけは聞いた事があった。
この際だと思ってしみじみと読んでみた。
ダボスってえのはスイスの山奥の街の名前だそうだ。
スイスの公益団体「世界経済フォーラム」と言うのが毎年ここで総会を開く。
正式には「世界経済フォーラム年次総会」と言う。
長ったらしいから地名を取って「ダボス会議」と呼んでいる。
会議には世界各国の政財界リーダー達が集まる。
世界に存在感を示す巨大な「国際弁論大会」と言う趣向らしい。
今年は1/26〜30日で約2千人が参加したそうだ。
「貧困」「災害救助」などのテーマを討議したと言う。
写真にはブレア英首相やクリキントン前米大統領なんかが写ってる。
ビル・ゲイツやU2のボノなんかも見える。
想像に難くないが、日本の政財界からの出席は極めて少なかったらしい。

  • 「器量」と「深み」

一番張り切っていたのはブレア英首相らしい。
疫病・貧困に苦しむアフリカへの緊急支援を呼びかけて大活躍だったとか。
シラク仏大統領は悪天候で出席出来ず、ビデオ出演で参加したそうだ。
やはり貧困救済の為に航空燃料税などを提案した。
要するにエエカッコしいのスタンドプレイ合戦と言えなくも無い。
でも悪い事をする訳じゃ無いし、多分口約束だけって事も無いんだろう。
「器量」と「深み」を鍛える為には絶好の他流試合と言う事らしい。
エエカッコしいが持論をぶつけ合うだけではケンカになっちゃう。
そこで如何にユーモアとウィットを発揮出来るか?
これが「器量」と「深み」と言う事らしい。
幾つか発言事例が載っていた。

ウクライナのユーシェンコ新大統領(夕食会の乾杯スピーチで)
「思い切りグラスをぶつけ合って乾杯しましょう。そうすればワインのしぶきが互いのグラスの中で混じりあうので、毒を盛られる心配などありません」

このヒト以外には言えないジョークだわね・・・。

アフリカの社会活動家(テレビインタビュー途中で言葉に詰まって)
「済まない。英国から独立してからずいぶん長い時間が経ったので、英語を忘れたんだ」

ホントだったりして・・・。

中国の元駐仏大使(趙紫陽氏についての人権感覚の疑義に答えて)
「1789年のフランス革命で女性参政権は獲得されたでしょうか?民主主義は息の長い道程なのです」

・・・らしいと言えばらしい・・・。

イスラエルのペレス副首相(11回目の参加)
「立場や信条の異なる人々との対話は、たとえ苦痛を伴うものであれ私の義務である」

かっこい〜!

  • 政界代表

日本は通常国会の最中で国会議員は身動きし難い。
と言うのも良い訳だろうけど、政界代表みたいな格好で2人が参加。
川口順子前外相古川元久衆院議員だそうだ。
「寂しい」「歯がゆい」と言う感想だったらしい。
ダボスではアウシュビッツ強制収容所開放60周年記念式典も行われたそうだ。
中国出席者のコメント。

「日本の政治家は歴史認識問題で弱みがあるから、来たくなかったのか」

ったく・・・。
いつまでも被害者ぶりっこしてろ!
仮想敵国を作って国内矛盾を昇華させる・・・。
こんな古臭いカビの生えた様な手で統治出来る国なんだなあ・・・。
為政者は楽で楽で笑いが止まらないだろう。
それにしてもその場にいるべきヒトが居ないのが情けない。
的外れな誤解や曲解を論破出来る日本人が不在なのが残念な気がする。

  • メルマガ

我が家はマネックス証券のメルマガを送ってもらっている。
毎日、松本大社長のコラムが載っているからだ。
悪いとは思うんだけどそれ以外の部分はほとんど斜め読みだ。
先日のコラムに「ダボス会議」の事が載っていた。
昨年まで松本社長も4年連続で出席していたそうだ。
今年は会議の参加プログラム変更などで出席しなかった。
会議場の遠くにあって、一抹の寂しさと情報不足を感じていた様だ。
やっぱこのヒトはそう言うポジションのヒトなのだ。
何て勿体無い事を・・・。