住宅事情の雑感23

  • 終身建物賃貸借制度

 知らなかった。
いつの間にか、こんな法律が出来てた。
それも2001年って言うから、もう5年も前である。
正式には「高齢者の居住の安定確保に関する法律」
【高齢者居住法】っと言うらしい。
 入居者は60歳以上限定。
死ぬまでの「一代限り」の賃貸契約で更新の必要がない。
都道府県知事の認可が必要。
部屋は25㎡以上でバリアフリー仕様が条件。
貸し手にとっては空室リスクは少ない。
安定収入が見込める・・・。
いいことだらけじゃん。
 っと思うのは素人の赤坂見附。
ユートピアの役人が考えるほど世の中は楽観的じゃない。
法は出来たけど、5年間たなざらしだった。
これが現実である。

  • 終の棲家

 子どもない夫婦にとっては、えりゃあ関心事である。
ず〜っと前から真剣ゼミで考えてた。
子どもがいて、相続のアテのあるヒトはいい。
何の憂いもなく、とっととマイホームを持てばいい。
我々は残してもしょーもない。
出来れば、命とともにキレイさっぱり何も無くなっちゃうのがいい。
 でも、現実は難しい。
年寄には賃貸のハードルが高い。
そりゃ民間だったら貸したくないべな。
頼る身寄りが無い老人じゃ、どうしても引いちゃうべ・・・。
病気になったらどーすんのよ?
家賃が払えなくなったらややこしいべや?
 ナンたら賃貸住宅管理協会で調査したらしい。
ホンットに日本ってナンたら協会が好きだねえ・・・。
その結果では老人の4人に1人が入居を断わられたとか・・・。
ま、そ〜だべな。

  • 第一号

 この春、「終身賃貸契約第一号」が誕生したそうだ。
東京都大田区新築マンション
3階の1LDKを借り、1・2階は介護施設になってるという。
経営は学研の子会社「学研ココファン
やっぱ、民間でも大手じゃないと出来ないべな・・・。
バリアフリー投資だって楽じゃないし・・・。
 家賃は21万円。
”っぴゃ〜〜っ!”
高っけえ〜〜っ!
更に共益費なんかで6万6千円かかるとか・・・。
何だよ、「住」だけで月に30万円もかかんの・・・?
「衣」と「食」はど〜すんのよ?
「遊」とか「趣」なんて夢のまた夢になっちゃうべや・・・。
それでも、全7室のうちすでに5室が決まっているという。
 選ばれたヒトしか入れないわな・・・。
特定の業者しか参入出来ないし、特定のヒトしか入れない・・・。
これが現実か・・・。
社会的格差は死ぬまで続くってこってすか・・・。

  • 作戦会議

 キリギリス夫婦は作戦会議を開いた。
「60歳を過ぎてからホームレスはちょと辛いねえ・・・」
段ボールハウスじゃ、シャワーも使えないべなあ・・・」
「せめてエアコンが無いとねえ・・・」
まるで真剣みがない。
 我が家の作戦は暗黙の内に決まってる。
居られる限り、ここにいりゃあいい。
借家が一番のん気でいい。
いよいよ切羽詰ったら出来るだけ安い中古マンションでも買う。
出来ればキャッシュで払っちゃう。
 あとはやりたい事やって、のん気に暮らす。
やりたい事って何だべ・・・?
うっ・・・!
テニス・・・?
海外旅行・・・?
ロングステイ・・・?
そんなの健康じゃなきゃ出来ないべや。
じゃ、健康じゃなくなったら・・・?
これだけはいつも夫婦で意見が一致する。
「絶対、先に死んでやるっ!」