和食屋の雑感Ⅳ

  • 停年

会社の先輩が今日で停年を迎えた。
明日からは会社に来ない。
心なしか嬉しそうだ。
凄い能力の持ち主だった。
停年を前にあちこちから声が掛かった。
残ってくれ、いやウチに来てくれと引く手数多。
でも全部蹴った。
そして今日、晴々とした顔で停年を迎えた。
これからはご自分が人生で本当にやりたかった事に邁進するんだろう。
今や人生80年はザラに生きる。
相当な事が出来ると思う。
今の内から良〜く考えよう。

  • 憧れ

以前から先輩と一度行こうと思っていた店があった。
すし屋の「Hる」だ。
凡そこの街らしくない店だ。
お洒落でこじんまりした店構え。
丁寧な仕事、目配り・気配り。
東京なら幾つかあるかも知れないが・・・。
やはり人気がある。
一度、先輩を連れて飛び込みチャレンジしたが見事撃沈。
今日は先週の内に予約を入れておいた。
憧れの「Hる」である。

  • お任せ

大将と女将さんと従業員が2名ほど。
大将の目配りと女将さんのテンポがなかなか良い味を出す。
何とも心地良い。
値段はお任せで1万円くらいかな。
安くは無い。
が、その価値は十分にあると思う。
今日はヅケの山かけから始まって煮タコ、焼き穴子などをつまむ。
サンマ、シメサバ、ヒラメなどの刺身も美味かった。
最後に寿司を握ってもらう。
シャリは小さく一口サイズだ。
小振りで上品なのでワカモノにはちょっと物足りないかも・・・。
オジサンには丁度良いんだけど・・・。
以前、知人に紹介した。
後で感想を聞いたら、ウチに帰ってからもう一度メシを喰ったそうだ。
量を喰いたいヒトにはオススメ出来ない。

  • お馴染み

あっという間に席は一杯になった。
しかも周りは常連さんばっかし。
「今日は白身は何がある?」「イクラの醤油漬けは無いか」とか・・・。
自分ちの台所の雰囲気である。
きっとこの界隈のお金持ちなんだろうな。
やっぱしちょっと違う人種が多い。
我々みたいな数年に1回、キヨブタの客とは訳が違う。
あるとこにはあるモンだ。
でも悔し紛れに言わせてもらう。
こう言う寿司はたまに喰うから美味いんでい。