停年後のこと

  • 再会

昨年10月で停年退職した先輩と久々に再会。
場所は小市民の味方、居酒屋「Aさと」だ。
この店は先輩の一番のお気に入りだったがどうもフン切れが悪かった。
と言うのも先輩が夏頃から訪れる度に「クビだ」「停年だ」と言い過ぎた。
すっかり狼少年になってしまって女将さんが信用してくれなくなった。
ホントに最後の挨拶の積もりで10月末に訪れた時も同じ。
「じゃこれで今生の別れになりますが・・・」と先輩。
「またまた、いつもそんな事ばっかり・・・」で笑っちゃった。
11月になって先輩抜きで訪れて初めて信用した。
無理も無いけど・・・。
女将さんはお世話になったのにちゃんとした挨拶もせずに・・・と気にしていた。
残った我々もちょっと後味が良くない。
そこで無理強引にフェアウェルパーティーを企画した。
3ヶ月ぶりの再会だった。

  • 多忙

久々にお会いした先輩の顔は現役そのままだった。
良く聞く話だが停年退職した人も結構多忙だと言う。
社会保険事務所ハローワーク、銀行などなど出掛ける事が多いらしい。
手続きもあれこれ煩雑だとか。
先輩は更にご両親の介護のからみでいろいろあるらしい。
顔つきにのんびりムードが微塵も無かった。
いきなりヒゲ面で自由人でござい調のOBも何人も見ている。
そういう人は見事なくらいに顔の緊張感が消えている。
それはそれで何だかなあ・・・。

  • ハロワ

世の中に知らない事って山の様にあるもんだ。
先輩も痛感したそうだ。
ハロワの失業保険の給付を受けに行ったそうだ。
煩わしい手続きもあり何回も足を運ぶ。
働く意志があって、職に付きたい姿勢を見せなきゃいかん。
希望の職の条件をちょっと高めに登録してアンマッチ状態にしなきゃいかん。
希望の給料や勤務地などを少しわがままに登録する。
これで150日分の給付が受けられるそうだ。
でも更にその後も手当をもらってる人が沢山いるそうだ。
それは150日ギリギリで職業訓練を受ける人。
訓練は無料で受けさせてくれる上に、手当も受けられるんだとか・・・。
へえ〜〜、あこぎと言うか、何と言うか・・・。
いつの世も仕組みを熟知して上手く利用する人がいる。
同時にそれを愚直に支える人もいるんだ。
150日分もらう人。
更に訓練を受けて手当ももらう人。
どっちも失業後にカネを受ける事に変わりは無いかも知れないが・・・。
どっちが早くボケるだろうか?
びみょ〜・・・。