マイエンフェルト〜ルツェルン雑感

  • ハイジの郷

ゆったりとホテルを出発、一路マイエンフェルトへ。
アルプスの少女ハイジのモデルになった村。
バスの中でガイドのメグミさんがテーマソングを歌う。
「♪教えてえ〜〜」とか。
あまりのイメージギャップに、割れるような笑いと拍手喝采であった。
当人はどう見ても胡坐でコップ酒、演歌に手拍子の風情である。
ハイジの郷は暑かった。
記録的な猛暑は、爽やかな高原の散策を難行苦行に変えた。
お約束のハイジの家に入って記念撮影。
ハイジの家はコンパクトだ。
そこに観光客が殺到しているからたまらない。
流れる汗でシャツはびしょびしょ。
早く外に出たい。
何なんだ?このスイスは?
聞くところでは日本は冷夏だとか・・・。

  • 昼食

あまりの暑さにフリータイムの散策も早々に切り上げ、レストランに避難。
予約時間までハアハア言いながら入口付近でお預け。
ウチの「まお」とおんなじだ。
やっとテーブルへ。
まずはビール。
銘柄は忘れたが何でも美味い。一気飲み。
ビールは500mlで5.5SF(スイスフラン)=約550円だ。
メニューはまず野菜の千切りサラダ。ビールのつまみだ。
次にソーセージとレシュティ(ジャガイモの千切り焼き)、郷土料理とか。
スイスは独・仏・伊に囲まれて夫々の地区で言語も食文化も違うらしい。
この辺りはドイツ語文化圏と言う事だ。
料理はドイツっぽい素朴な味わいで、結構美味しかった。
デザートはアイスクリームだが、この陽気で溶けていた。

  • 山並み

流石はスイス、どこか山並みの景色が違う。
頂が鋭角な山が多い。
これが本場のアルプスかと思う。
車中、ガイドのメグミさんがスイスについて解説してくれる。
スイスの特徴はヨーロッパ1の所得水準、物価高、バイリンガルとの事。
国民の平均月収は50〜60万円だと言う。
その代わり物価はひっくり返るほど高い。
確かに昨日、空港で見た自販機のコーラは350円だった。
ソフトドリンクは水もビールもあまり変わらない。高え〜。
言語はドイツ語・フランス語・英語は仕事に必須。
それに一部地方に真の現地語「ロマンシュ語」と言うのがあるらしい。
更にイタリア語・スペイン語を加えると有利になるとか。
歴史を紐解くと山に囲まれたこの国の大変な事情が見えて来る。
バスは一路、古都ルツェルンへ。

ガイドのメグミさんの解説は分かりやすい。
多分、性格的に細かい事を省いたブリーフィングが上手いんじゃ無いかな。
如何に楽して効率良く動くか。
共感が持てる。
この辺りがスイス建国の基礎となった地区らしい。
有名なウィリアム・テルの伝説もこの地区を舞台にしているそうだ。
ハプスブルグ家が派遣した悪代官ゲスラーをウィリアム・テルが倒した。
これを契機にルツェルン湖岸3州が独立。
その中の1州、シュビーツ(Swizz)州が建国の基礎だと言う。
わっかり易い。

  • カペル橋

ルツェルンはおっそろしくキレイな街だ。
有名な木造のカペル橋とバッサートゥルム(貯水塔)観光。
下を流れるロイス川の水は透明度100%。
水量は怖いくらい豊富だ。
猛暑で例年に比べ雪解け水が異常に多いとか。
木造の橋に花がこれでもか、と飾ってある。
川沿いの家並みもおとぎ話の世界かと思うほどキレイだ。
あまりの暑さに川辺で水浴びしている子供もいる。
橋を渡って家並みを縫って散策。
何もかもお洒落!
屋台の果物も輝いて見える。

  • ライオンの記念碑

解説を聞かないと意味が分からない。
岩山の壁面に瀕死のライオンのレリーフが彫ってある。
聞けばスイスの悲しい歴史が凝縮されたレリーフなのである。
山に囲まれた貧しいスイスで外貨を獲得する手段はヒトの輸出だった。
つまり傭兵だ。
ふと思い出したが、バチカンのサンピエトロ寺院の警備兵はスイスの傭兵だった。
ミケランジェロデザインとかのハデな縦じまの衣装を着てた。
傭兵は雇われた国の兵として戦う。
フランス革命の時に悲劇があったそうだ。
ルイ16世とマリーアントワネットを警護していたのがスイス傭兵だったとか・・・。
800人弱の傭兵が全滅、あまりに悲惨な戦いだったそうだ。
戦死者を讃えたレリーフなのだそうだ。
マーク・トウェインは「世界で最も悲惨で心を打たれる岩塊」と言ったそうな。
確かに解説を聞いて強烈に印象に残った。
嫁さんはトイレに行っていたのでぽかんとしていた。

  • グランドホテルヨーロッパ

今夜の宿泊は花一杯の湖畔のホテル。
これまたキレイである。
バスの冷蔵庫にミネラルウォーターを積んでいる。
結構有り難い。
更にこのバスはビールを積んでいる事を発見した。
ホテル到着時、4本購入。
300mlだが2SF(約200円)だ。安い。
メグミさんがチェックイン手続きする間に、ロビーで全部飲んでしまった。
あまりに暑いのである。
夕食までに時間があるので、湖畔から街中まで散策する。

  • 湖畔の散策

散策も爽やかじゃ無い。
ビールを飲んでますます暑い。
売店でミネラレウォーターを買う。
2リッターボトルで4.5SF(約450円)、高え〜。
水飲みながら頑張って街中まで歩いて、ショッピングモールに来た。
たかだか徒歩10分程度だが、汗びっしょり。
又、ビールとミネラルウォーターを大量購入。

  • トイレ事情

トイレの場所だけは良く覚えている。
多分、もう一度行っても迷わず行けると思う。
ハイジの郷も、瀕死のライオンも、売店のトイレも良く覚えている。
それだけ都度、真剣に探すからだろう。
ショッピングモールに来ても例によって探した。
これは嗅覚の世界である。
ホントに臭って来る訳では無いが何と無く分かる。
果たして程なく見つけた。
悔しい事に有料トイレだった。
2SF(約200円)は高過ぎるよなあ・・・。

  • 夕食

19:00とは言っても真昼の明るさである。
でも取敢えず、夕食。
まずビール。300mlビン5.5SF(約550円)、高え〜。
サラダは昼と同じ、野菜の千切り、ドレッシングがビネガーで美味しかった。
メインはここの白身魚のムニエル、ポテト温野菜添え。まずまず。
デザートはチョコムースだが、やはり溶け気味。
現地のヒトもこんな暑さは経験が無いそうだ。
明日はツェルマットへ。
憧れの氷河特急だ。