湖水地方の雑感

  • クレトナグリーン(Cretna Green)

全然聞いた事が無いマイナーな国境の村。
この村の牧場兼土産物屋みたいなところでトイレ休憩。
天気は相変わらずの抜ける様な曇天。
でも牧場は気持ちが良い。
昨日話が出ていた牛「ハイランドキャトル」が居ると言う。
「良し、見に行こう」と言う訳で牧草地に入って行った。
牧草地でいきなりピーターラビットに遭遇。
野ウサギである。
多分、現品は初めて見た。
テキもびっくりしたと見えて凄い3段跳びで逃げて行った。
「ハイランドキャトル」が3頭居た。
ん?
こちらを睨んでいる。
近づくに連れて大きさが分かって来た。
できゃあ。
立派なツノも生えている。
牛と言うよりバッファローみたいな印象だ。
ちょっとびびった。
赤いマントも持ってないし・・・。
早々に引き上げた。

  • 害獣

バスの中でトモコさんが語る。
「ハイランドキャトルは如何でしたか?昨晩はあれを食べたんですね」
一同苦笑・・・。
ピーターラビットは野ウサギ。
この愛らしいウサギも牧場にとっては害獣なんだそうだ。
野ウサギは牧草地のあちこちに穴を掘る。
飼育している羊がこの穴に足を取られて骨折してしまうのだとか。
そこで秋になると狩猟解禁となり牧場に銃声が響くそうだ。
何だかなあ・・・。
そんな事、淡々と言われるとなあ・・・。

  • アンブルサイド(Ambleside)

景色がだんだん変わって来た。
湖が増えていかにも湖水地方の名に相応しくなって来た。
このカンブリア地方は氷河の跡が湖になって残った。
ロンドンっ子の初夏6月頃のバカンスに圧倒的人気とか。
8月は皆、長期休暇でスペインや北アフリカに大移動するらしい。
従ってこの辺りは比較的空いている時期なんだそうだ。
車中からであるがアンブルサイドの街並みを眺める。
有名なブリッジハウスがあった。
本当に川の上、石橋に小さな石造りの家がある。
何でもスコットランド人が土地の税金逃れの為に造ったとか。
例のスコットランド人はケチだと言う話に結び付いている。
ホントかねえ・・・。
現在はナショナルトラストが管理して土産物屋になっているそうだ。

  • グラスミア(Grasmere)〜ウィンダミア(Windermere)

詩人ワーズワースゆかりの地として名高い。
ワーズワースが最初に経営した宿「ダブ・コテージ」を見た。
小さな古家に観光客が群がっていて美しく無い。
周辺の街並みはキレイだった。
「セント・オズワルド教会」でワーズワースの墓も見た。
あまり墓の写真を撮る趣味は無いので早々に退散。
そして有名な「ライダル・マウント」へ。
オカネを手にしたワーズワースが晩年住んだと言う立派な屋敷だ。
高台の庭がなかなか良い。
ところどころからウィンダミア湖が見下ろせる。
いろんな花が植えてあるが、とりわけアジサイが見事。
どピンクとかどブルーとか日本では考えられない色である。

昼食はマナーハウス
昔の貴族の屋敷をホテルにしたヤツだ。
好き好きだが例外無く古〜い匂いが漂っている。
まずビール。
ここは1パイント£2.7(約600円)。
安く無いがどこで飲んでも美味しい。
だんだん飲むメンバーが固定されて来た。
我々と従姉妹同士の女性2人連れが固定だ。
必然的に同じテーブルが多くなる。
料理は生ハムサラダ、ポークソテー野菜添え、デザートは焼プディング。
美味かった。
添乗員のトモコさんの話を聞いた後だけに尚更かも知れないが・・・。
なるほど薄味である。
これは「ホシ3つです」だった。

  • ボウネス(Bowness)

ウィンダミア湖をクルーズする船の桟橋がある。
予約の船の出港時間までフリータイム。
街を散策する。
小さな街だがホテルやカフェが並びとてもキレイ。
どこんちもこれでもかと花を飾る。
丁度、太陽が顔を出し始め、街中が輝いて来た。
街中に「ビアトリクス・ポターの世界館」と言うのがあった。
ピーターラビットが出迎えるお子ちゃま向けのアトラクションだ。
いっちょ前に£5(約1,100円)も入場料を取る。
ピーターラビットの看板と一緒に写真だけ撮って引き上げた。
小市民はケチである。

  • ウィンダミア湖クルーズ

レイクサイドの桟橋まで45分のクルーズ。
水面を渡る風は爽やか。
天気も回復して最高に気持ちが良い。
カモメ(?)が船と並行して飛ぶ。
観光客が投げてくれるエサを待っている。
嫁さんが「松島のカモメと同じだ」とか言ってる。
ムードがにゃあ!
ここのカモメは外鳥だ。
「ギミー・ギミー」と鳴いてるじゃんか。
違うか・・・。

  • レイクサイド&ハヴァースウェイト鉄道(Lakeside&Haverthwaite)

何故かここに蒸気機関車
距離にして6km弱、わずか15分くらいの鉄道だ。
と言ってしまうとムードがにゃあ!
やはり湖水地方蒸気機関車に限る。
これも現地旅行会社で予約がされていた。
いろんな国で聞いた事がある「ミキトラベル」である。
船を降りて予約の客車に行くと先客万来だ。
「ミキトラベル・リザーブド」と張り紙した席は全部埋まっている。
「きっとフランス人だ」とささやく。
添乗員のトモコさん、駅員らしきヒトに抗議。
予想通りラチが明かない。
しょうが無いので自由席に乗りましょう、と言う事になった。
空いていたので席はガラガラ。
確かに自由席はボロボロのシートで、指定席はテーブル付き。
先客はその席を狙って占領していたのだ。
更にいっちょ前にたかだか15分の為に社内販売が来た。
当然ながらセコい先客は何も買わない。
日本人観光客が座っていたら売れたかも知れないけど・・・。
売り子さんは残念でした。
ま、良いじゃ無い。
キレイな景色と懐かしい煙の匂いがご馳走だった。
やはり湖水地方蒸気機関車に限る。

  • お子ちゃま連れ

到着駅ハヴァースウェイトにはレトロな陸橋があった。
何でも映画ハリーポッターのラストシーンを撮影した場所だとか。
駅を降りた途端、一同橋に群がる。
お目当ての1つなんだとか。
もう1つグロースターの大聖堂もお目当て。
やはりハリーポッターの撮影場所なんだそうだ。
なるほど。
今回のツアーにお子ちゃま連れが多いのはそう言う事か。
母親と娘2人連れが2組、父親と娘1人連れが1組いる。
72歳のばあちゃんと娘の孫の2人連れもいる。
都合、お子ちゃまはが6人だ。
お子ちゃまの情操教育の為なんだろう。
決して大人が遊びたいが為に引張って来た訳では無いんだろう。

  • リゾッチャホテル

今日の宿泊は湖畔の小洒落たホテル・ロウウッド。
チャールズ皇太子も来た事があるそうで、ロビーに写真があった。
エントランスは花だらけ。
如何にもリゾッチャの雰囲気。
部屋もなかなかお洒落だ。
特に洗面所は素晴らしい。
明るくてキレイでタイルもお洒落。
ちょっとレトロっぽい英国らしい絵が掛かっている。
思わず写真撮影。
恒例により夕食前に館内探索に出掛ける。
おっ。アイスマシン発見!
何とマシンのメーカーは日本のホシザキだった。
これでビールがキンキンに冷やせる。
おっ。プール・ジムも発見!
更にビールが美味くなる。

  • 「まお」もどき

部屋のベッドの上に平べったい犬がいた。
白と黒のまだら模様で「まお」に似ている。
ホテルオリジナルグッズらしい。
手の肉球に£15(約3,300円)の札が付いている。
何ともとぼけた雰囲気が気になる。
部屋にいるとついつい視野に入っていて「まお」と呼びたくなる。
連れて帰っちゃおうかと迷った。
でも家に持って帰ったら3日ともたないだろうな。
「まお」の餌食だ。

  • ウィンダミア名物

夕食はホテルレストラン。
まずビール。
1パイント£2.8(約620円)。
何だか濃厚なビターにはまって来た。
サラダ、名物マスムニエル野菜添え、デザートはチョコケーキ&アイス。
確かに付け合せの野菜はお馴染みのメンツだ。
でも美味しかった。
薄味で・・・。
デザートはノドに凍みるほど甘かったが・・・。
「ホシ2つ半です」と言ったところかな。

  • キャラの違い

食事のテーブルではなるべく努めていろんなヒトと同席する。
パッケージツアーを円満に過ごす為のコツだ。
今日は葉山から来た若めのお母さんと高一と中一の娘3人連れと同席。
お子ちゃまを連れて来る事自体に議論がある所だが、ま、置いといて。
おもろい光景を見せてもらった。
この姉妹、お姉ちゃんは丸々太って天真爛漫お笑い系だ。
反面、妹は無表情でクールなスレンダー系で、食事もあまり喰わない。
妹が残したモノはお姉ちゃんが全部喰った。
姉「折角の料理を残したら、作った人に申し訳無いじゃん」
妹「だってそれが仕事じゃん」
一同、大爆笑。
これが現代のお子ちゃまの平均的キャラだろう。
それにしてもこのお姉ちゃんのキャラはどうやって出来たんだろう?
お子ちゃまみたいなお嬢さんお母さんの子育ての賜物か?
この時代に奇跡に近いキャラじゃないかな。

  • プール・ジム

食後、夕陽を見ながら湖畔を散策。
優雅だ。
更に美味いビールを求めてプールへ。
適度に身体を疲れさせてからサウナで汗を絞る。
いや〜〜〜っ。気持ちい〜〜〜っ。
外人も結構いる。
近隣のヒトが通って来るらしい。
サウナは絶好の社交場になる。
例外無く外人は社交的だ。
「どっから来たの?」から始まって質問攻めに遭う。
飲んでるしリラックスモードの頭には辛い。
只でさえ、最近は頭に浮かぶ事と口から出る言葉が違って来てるのに・・・。
危ない・・・。

  • 優雅な晩餐

今日は最高の湯上りビール。
氷でキンキンに冷えてる。
部屋でリラックスモードで飲むビールは堪えられない。
後はひっくり返って寝るだけだ。
22:30を過ぎた頃、突如花火が上がり始めた。
ほとんど目の前である。
我々は優雅で良かったが、寝てたヒトもいた様だ。
花火は暗くならなきゃ上げられない。
もっともだ。
6月のピークシーズンには23:00過ぎに上がるらしい。
それもちょっと考えモノかも知れない。
明日は「ヒルトップ」に行ってからチェスターまで移動だ。