続・佃煮御三家のこと

  • 【天安】

 次に行ったのがここ。
店構えが如何にもって感じ。
雰囲気がある。
味もいい。
丸久】と【田中屋】の中間的な塩梅。
お値段もほぼ同じっくりゃあ。
 ここんちも小っちぇえ紙が…。

「【天安】は天保八年に創業いたしました。初代が安吉と申し、天保年間の『天』と安吉の『安』をとり【天安】と商号を命名いたしました。
 以来170年余り『つくだに』一筋、古いのれんに新しい味覚を加え、新鮮な原料を吟味し、最高の調味料を使用して造った『つくだに』でございます。
 『つくだに』はすぐ食べられて保存がきき、また、栄養の点では蛋白質、カルシウム、鉄分、無機物など、人体に必要なものを種々多様に含んでおります。
 弊店の『つくだに』は永持ちいたしますので、御遠方への御進物にも安心して御利用いただけるので大変喜ばれております。
 毎日の御食膳に、御贈答や御土産に、地方への発送も承りますので是非御愛用の程御願い申し上げます。」

やっぱ特徴が出てる。

  • 【田中屋】

 最後がここ。
一番優しい味付けのような気がする。
かと言って、グル味じゃにゃあ。
土産に使ったら、結構喜ばれた。
3種類セット1,000円がお手頃…。
 ここんちも「しをり」が…。

天正十八年、徳川家康関東に下降の時、摂津国西成郡佃村の名主森孫右衛門はじめ漁民33人を江戸に移住せしめ、鉄砲洲の東の干潟百間四方を賜わり正保二年に築島し、郷土の名をとり『佃島』と名付けたのであります。
 『月もおぼろに白魚の』の名せりふの白魚は佃漁民の専業で徳川家に献上し、平成の現在までも続いております。その白魚及び雑魚類を生醤油で煮しめて保存し、家庭内の副食物としておりました。
 また、郷土の守護神たる住吉神社の分霊を産土神として佃島に祭りました。この住吉神社の信者の方々で万人講が興り、白木屋さん、西川さん、伴伝さんなどが世話人として参拝しました。その時、初代源右衛門が土ぺっつい(土で造ったかまど)で雑魚類を煮て、万人講の皆さんに佃煮と称して御披露したのが佃煮の初めであります。
 初代源右衛門から代々材料を厳選し、吟味研究の結果、強皆様から御賞賛を博するようになりました。」

なるへー。