中華料理屋の雑感15

  • お詫び

 横浜の桃源からお詫びメールが来た。
こっちからクレームメールを送ったからだけど・・・。
ホントは店にご意見箱でもあればその時に書いてきたんだけど・・・。
あの料理が「Bミアン」の値段だったら絶対に残した。
でも、1品2,000円の料理である。
哀しいかな、ビンボー人は全部喰ってきちゃった・・・。
「オレってちっちぇえ・・・」
 って事は店にはクレームが届かない。
それはそれで良くない。
「おお、今日もキレイに喰ってくれたわい」
「きっとご満足頂けたんだべ。ふぉっふぉっふぉっ・・・」
そう思っちゃうに違いない。
 悔しいのでニューオータニのHPを開いた。
何だかわかんないけどメルアドを見つけたので送った。
タイトルは「どうしちゃったんですか?」である。
締めくくりは「予約した窓際の禁煙席が最高のご馳走でした」
ヤなクレーマーである。

  • 定型文

 送り主は横浜のマネージャーらしかった。
ま、本人が書いてるかどうか知らんけど・・・。
だいたいどこでも最近は「クレーム対応マニュアル」がある。
「いらっしゃいませ、こんにちは!」とおんなじだ。
ここんちの定型文はこんな感じ。

過日は「横浜 桃源」を御利用戴きまして、誠に有難う御座いました。
さてこの度、料理の提供のタイミングの悪さと料理の味が悪いという御意見を頂戴致しまして、私・調理長をはじめ従業員一同が深く反省致しメールをさせて戴きました。
改装中はお休みを頂戴し、御客様に多大なる御期待を御寄せ戴いて居ったにも関らず、この様な失態を招き、誠に申し訳御座いませんでした。
今後は二度とこの様な失態を起こさぬ様に努力する所存で御座いますので、再度チャンスを頂戴出来れば幸いと存じ上げます。
出来ますれば直接お詫びさせて戴きたく、御手数とは存じますが、返信のメールか下記へ御連絡を頂戴したいと思って居ります。
略儀ながら先ずは書中にてお詫び申し上げます。

 直接お詫びってどういうこと?
再度チャンスってどういうこと?
ひょっとして1回チャラにしてメシ喰わせてくれるとか・・・。
スケベ根性がムクムクと頭をもたげてくる。
 でもさあ・・・何だかなあ・・・。
ホントのクレーマーみたいじゃん。
多分、もう連絡はしないのである。
めんどいし・・・。
 メールに「予約した」って書いてあるんだから・・・。
予約のメール履歴見ればすぐわかるのに・・・。

  • 団体

 今日は故郷の三島から団体が来た。
最初はじ〜じ、ば〜ばが遊びに来ると言ってた。
弟に運転手を頼むとか言ってた。
「じゃ、夕方来て一緒に晩メシでも喰おうか」
ってなことになった。
 昼まえに電話が来た。
「孫たちがみんな行くって言うんだよ」
「一番チビまで泣き出してさあ・・・」
「・・・」
一族郎党、団体さまご一行の来訪である。
 さて、9人でメシを喰うにはどこがいいか?
さすが嫁さんのアタマの中には店が詰まってる。
「Wンズがいいんじゃない?」
「あっ、なるへ・・・」
中華なら量も喰えるし、子どもにはいいかも・・・。

  • コース

 一族郎党、お店に到着。
「オレ、ラーメン!」
「オレ、チャーハンが喰いてぇあ!」
「アタシ、中華嫌い!」
ったく・・・。
中華ってのはラーメンとチャーハンだけと信じてるらしい・・・。
「アタシ、エビチリが食べたい」
おっ、やっと料理の名前が出た。
早速、開戦前夜の雰囲気である。
 ラチが明かないので嫁さんがまとめてオーダーする。
「ホリデー・ファミリーコース」ってのがあった。
前に行った時も気にはなっていた。
前菜・飲茶にお好きな料理3品のセットである。
値段は3,500円。
これを3人前とあとはアラカルトにした。
 ものすごい量である。
厨房がフル稼働し始めた。
幸いにしていつもの通り、客は我々だけだった。
ちょうどいいタイミングでポンポン出てくる。
その度に子ども達がワッと群がる。
頼んでないモノでも何でも片っ端から喰いつく。
なかなか盛観である。
何だかコイのエサやりを思い出す。

  • パイタン系

 もう、嫁さんが完全にコツを掴んだ。
絶対にメニューの選択を外さない。
当店の基本は絶対パイタン系塩味である。
今回も幾つか冒険もしたけど全部イケてた。
全体に大好評であった。
 ま、ビールは惜しいことにキリンの一番絞り。
ば〜ばが乾杯しようと言い出す。
子ども達が生意気にも騒ぐ。
「オレも何かのみてぇあ!」
「水でも飲め!」
「やだあ!ウ〜ロン茶あ!」
ったく・・・。
 【バンバンジーサラダ】
野菜サラダの上に短冊のバンバンジーが乗ってゴマダレでまずまず。
とりあえずのビールのつまみにはOK。
揚げソバのトッピングがちょっとシツコイ。
 【ショウロンポウ・シュウマイ】
フツーに美味しくて子どもは大喜び。
ショウロンポウはポン酢でさっぱり。
前回もそうだったけど、セイロに敷いてある白菜が美味い。
 【卵の皮の変わり春巻き】
ん〜〜ん、ビミョー。
何かが足りない。
パンチが無いってゆ〜かあ、ボケた味だった。
 【モンゴウイカとチンゲン菜炒め】
当店の本領発揮である。
パイタン系塩味であっさりながらいいダシが効いてる。
いつもながら美味かった。
 【酢豚】
ば〜ばのリクエストでオーダー。
当ったり前だけど酸っぱくて美味い。
初めて喰ったけど本格的でかなりイケる。
 【カニ玉】
これも本領発揮出来る料理。
パイタン系塩味のあんかけでさっぱり。
子ども達にも好評だった。
 【エビの変わり春巻き】
弟のリクエストでオーダー。
エビを丸ごと1本春巻きの皮で巻いて揚げてある。
エビフリャアと似てる気がするんだけど・・・。
 【エビチリ】
子どものリクエストだったけど早々にギブアップ。
我々だけだったら絶対にオーダーに入らないメニューである。
でも、意外に美味かった。
生トマトを使ったソースは絶品だった。
パスタにしても美味そうなソースだった。
 【ナスの辛味オイスターソース炒め】
これは前回発見した絶品料理。
ちょっと辛いけど美味い。
ビールには最高なので、もっと早めに出して欲しかった。
 【塩野菜ラーメン】
想像がつく通り当店の本領発揮。
「これ、すんごく美味い!」
みんなで奪い合って喰ってた。
 【五目醤油ラーメン】
子どもは醤油味が好きだから、ま、いっか。
実はこの系統はイマイチなのである。
オイスターソースでちょっと工夫してくれると嬉しいんだけど・・・。
 【五目チャーハン】
これもホントに美味い。
直球勝負でホントに丁寧な正統派チャーハンである。
先日の桃源のドしょっぱい「蟹レタスチャーハン」が頭を過ぎる。
値段は1/3以下である。
客人も苦しみながらほぼ完食した。
 【杏仁豆腐】
客人は皆、もう喰えないとうんざり顔。
弟が果敢に喰うと言い出した。
みんなはひとサジずつ味見する。
味見した途端に追加オーダーが殺到した。
確かにそれっくらい美味い。
 大勢でメシを喰うってのもいいモンだ。
ついつい雰囲気で久々に喰い過ぎてしまった。
それでもこんだけ騒いで喰って、23、000円である。
リーズナブルだ。