ヒューストン空港(IAH)のこと【1/11】

  • マニュアル

 鬼のような入国審査。
やっと最初の関所を抜けて次の関所へ・・・。
次はセキュリティチェック。
でも、ツアーメンバーが誰も見当たんにゃあ。
我々が一番早かったらしい・・・。

「こんな殺伐としたとこで、先に行ってもしゃあんめ!」

 入国審査の出口付近で待つ。
やがてぽつりぽつりとメンバーが出て来た。
すると空港スタッフが近づいて来た。

「この界隈は立ち止まっちゃあかんっ!とっとと出て行け〜っ!」

ってんで追ん出された。
とは言っても移動距離3mっくりゃあ。
出口の内側か、外側かだけの違いである。
ったく・・・。
 多分責任範疇が違う。
入国審査のスタッフは任務を終えた。
もうオレの責任範疇じゃにゃあ。
早く次の責任範疇へ行ってくれ。
そうマニュアルに載ってるんだべな。
全てアメリカ的。

【マニュアルが全てを支配する異常な世界】

 出口の外でメンバーを待つ。

「遅いわねえ〜」
「誰か、別室送りになったんじゃない?」
「そこで拷問を受けてるとか・・・」
「そんなバナナ・・・」

とにかく話題に事欠かにゃあ。
これだけ常軌を逸したセキュリティ体制である。
みんなバカにしながら、盛り上がる。
何だかなあ・・・。
 ヒマである。
大きな吹き抜けの窓とエスカレーター。
後は休憩用のベンチが少々。
あとは何もにゃあ・・・。
って事もなかった。
エスカレーターの脇に星条旗が・・・。
 空気清浄機じゃにゃあ。
ハタである。
あのホシとストライプの派手なヤツ。
それも運動会の万国旗とは違う。
ぴらぴらしてにゃあ。
スタンドに立ててある。
もちろん風もにゃあから、垂れ下がったまんま。

「お〜〜っ!何か象徴的っ!」

思わずケータイのシャッターを切った。