中華料理屋の雑感23

  • 送別会

 シーズンではある。
でも、今年はハンパじゃない。
周囲で連日のように送別会がある。
身体もカネも大変である。
”こんなモン、カイシャで払えっ”ってな声も出るっくらい。
全国、至るところで毎日のようにやってんだべな。
 カイシャは4月に合併する。
その前に、早期退職制度をやらかした。
羨ましい事に、かなりのヒトが鼻唄まじりで手を挙げた。
てんめえ〜っ・・・。
 これは迷った。
出来ることなら手を挙げたかった。
札幌のマンションのローンさえ残ってなかったら・・・。
そしたら、嫁さんにリクルートしてもらって・・・。
早速、炊事・洗濯・掃除の特訓だ。
立派な主夫を目指して頑張っちゃうんだけど・・・。

  • 見栄

 そんな送別会続き・・・。
ヘンな場所での送別会の案内が届いた。
汐留シティセンター41階」とか・・・。
何じゃ、そりゃ?
中華料理「GRAND CHINA」とか・・・。
何用あって、高層ビルへ・・・?
 わっかり難い。
まず、エレベーターがわかり難い。
店もわかり難い。
真っ黒で、看板も上がってない。
迷った挙句、時間ギリギリに発見。
名前を告げると、ねーちゃんが席に案内するという。
 店内は暗くって、やたらに段差が多い。
バリアフリー”なんてクソ喰らえってな造りである。
しかも席は階段を登った先の個室だった。
確かに窓の眺めはいい。
レインボーブリッジまで一望出来る。
でも、送別会である。
話が出来りゃいーんだから・・・。
そんなとこで見栄張らんでも・・・。

  • 報告会

 ショットバーか何かみたいな店内。
でも、中華料理屋なんである。
こーゆーんがオシャレって言うんだべか?
店内はびっちり満席だった。
 ま、まずはビールで乾杯。
大ぶりのグラスだった。
こーゆー店じゃジョッキって訳にゃいかんだべな。
 それぞれの前途を報告しあった。
集まったのは9人だったけど、カイシャに残るのは3人。
あとは、リタイアか、転職。
決して、望んで辞める訳じゃないヒトもいた。
この数ヶ月の混乱ぶりが良くわかる。
 1人がスーツの胸にカイシャの徽章をつけてた。
たちまち非難轟々雨あられ・・・。
「そんなモン、つけてんじゃね〜よっ!」
「捨てっちめえ、んなモンっ!」
気持ちが表われてるよなあ・・・。
 通常、送別会のパターンは決まってる。
1万円会費で集まる。
幹事がちょっとした送別の品を買っておく。
その残りで会食するってなパターンである。
今回はちょっと通用しないべな・・・。

  • 料理

 高級「広東名菜」と謳ってある。
料理はそれぞれに取り分けて持って来る。
ま、上品っぽいこじんまりした料理である。
よく言う”喰った気がしない”ってヤツですか・・・?
 しかも、味は良くない。
メニューがお好みじゃなかったってだけじゃない。
見た目は上品なのに、味に繊細さがまったく感じられなかった。
ごまかしに、エスニック調の香草を使ってる。
これが更に状況を悪化させる。
 「冷菜」はボケた味で、妙に肉っぽい。
「エビのサラダ仕立て」は中華料理じゃねーべやっ!
「スープ」はドしょっぱかった。
「詰め物入り鶏の唐揚げ」が出て来た。
これが喰い難い上に、味は居酒屋の「手羽先餃子」の方が美味い。
 「ほほ肉のステーキ」まで登場した。
それなら普通の鉄板焼きで生醤油か、デミグラソースで喰いてゃあ。
仕上げに出て来た「ラーメン」が完膚なきまでに落胆させた。
はっきり言って、まじい・・・。

  • 酔い醒まし

 飲みモノはビールと紹興酒だった。
紹興酒は10年モノがどーたらこーたら・・・。
料理が出てくるのが遅いので、ついつい酒が進んじゃう。
これも作戦か・・・?
 大分、酒も進んだところでそろそろお開きに・・・。
会計を頼んだ。
請求のメモを見て、一気に酔いが醒めた。
135,000円・・・!
「じゅ、じゅうさんまん〜っ???」
 1人当たり15,000円である。
高っけえ〜っ!
幾ら高級ムードだからって、そりゃね〜べ。
よく見ると、室料が10,000円。
ビールは800円弱、紹興酒が1本7,000円だと!
誰だ、10年モノとかに乗ったのは・・・?
 それにしても内容とのギャップが大き過ぎる。
この料理だぜ〜っ。
5,000円も出したくね〜ぜっ!
あー、もったいなかったあ〜。