中華料理屋の雑感21

  • 「チャイナ」

 何とも安直な名前である。
「クアラルンプール・ヒルトン」の中華レストランである。
「チャイナ」・・・か。
ま、ケチつけてもしょうがないんだけど・・・。
名前のわりには、立派な店構えだった。
 フロントの姉ちゃんに予約してもらった。
ホンットに親切な日本人スタッフだった。
18:30に店に行くと、ガラガラだった。
”これなら予約なんか要らないじゃん・・・。”
 メニュー登場。
「ま、まずビールをくれい!その間に考えるから・・・」
何となく、通じてるらしい。
「タイガー・ドラフト」登場。
兄ちゃん、じっと待っててくれる。
 でも、メニューを眺めてもわかる訳がない・・・。
兄ちゃんに訊く。
「ホワッチュア リコメンデーション?」
兄ちゃん、嬉しそうに一生懸命説明してくれる。
日本語も勉強中とかで、断片的に出てくる。

  • 前菜

 まずは前菜である。
何がオススメか?
「ディスワン、 オススメ」
見るとオードブルの4点盛りらしい・・・。
「フィッシュ、スキャンピ、スキャロップス、チキン、イール・・・」
一生懸命、説明してくれる。
 「イールって何だっけ・・・?」
「ウナギじゃなかったっけ・・・」
「オ、イエス ウナギね」
想像はつかないけど、いろいろ楽しそうだ。
「んじゃ、これ。ディスワン プリーズ」
どうせバクチである・・・。

  • メイン

 次は、やっぱ野菜系だんべ。
「リコメンデーション?」
「ん〜、アスパラガスは如何でしょ?」
「んじゃ、それ!」
 次は、豆腐料理。
豆腐の五目煮込みらしきメニュー発見。
説明を聞くと、どうもその系統らしい。
「んじゃ、それ!」
 「肉や魚は如何ですか・・・?」
「ん〜〜ん、どうしよう?」
「『青椒牛肉糸』みたいなのがいいねえ」
「ドゥユ ハヴ 『チンジャオ・ニュールースー』?」
「へ?」
ダメだ、通じない・・・。
 「ユア リコメンデーション?」
結局、全部このパターンである。

  • 【オードブル4点盛り】

 まず、前菜登場。
ま、オシャレ!
4点が小皿に分けられている。
みんな一口サイズである。
 白身魚のマスタードソース。
パリパリに揚げたダックらしき唐揚げ。
エビとホタテのマリネ。
ウナギ入り揚げ春巻きのサラダ仕立て。
 勝手に名前をつけると、こんな感じかな・・・。
いやあ〜、全部美味かった。
勝手がわかってれば2皿頼むべき前菜だった。

  • 【豆腐の五目煮込み】登場。

 これはイケてた!
すんごく美味かった。
中華料理でこんな繊細な味が・・・っと思わせる。
日本でも十分に通用すること、請け合いである。
 料理そのものも凝ってた。
大皿に豆腐そのものが流し込んである。
その上にあんかけ野菜が乗ってる。
この豆腐が又、美味い。
味も薄味で、我々の好みとビッタシだった。
 -【アスパラガスの辛味噌和え】
 さて、ここからが問題。
名前は勝手につけてるんだけど・・・。
でも、ま、当たらずとも遠からずだと思う。
グリーンアスパラは美味かった。
シャキシャキに湯がいてあって食感がいい。
 問題は和えてある辛味噌
「豆板醤」と「干蝦」と「魚醤」がベースだと思う。
嫁さんは、まず「魚醤」で音を上げた。
「ダメ!臭いが鼻についちゃう・・・」
 我が家は夫婦揃って「ナンプラー系」が苦手である。
でも、ここんちのは「干蝦」で巧くカバーされてた。
「干蝦」の芳ばしさの方が勝ってんじゃん・・・」
「任せるわ。後はよろぴく!」
「げっ!」
 ホントにイケなくはなかった。
結構、美味いと思ったんだけど・・・。
後から辛さがど〜っと津波のように襲ってきた。
汗が一気に噴出してきた。
ソク、ビールのお代わりを頼んだ。

  • 【牛肉の香草炒め】

 最後にこれはきつかったなあ・・・。
細切り牛肉でも何でもなかった。
カレーやシテューに入ってるっくらいの大きさ。
ドン、ドン、ドンって感じだった。
それが、数々の秘伝(?)の香草とタレで炒めてある。
味の形容がとっても難しい・・・。
 イケなくはなかった。
何とも独特の甘・辛・香・酢っぽい味だった。
でも、こっちはボリュームに負けた。
その前に「アスパラガス」で爆発しちゃった所為もある。
嫁さんは、これも「よろぴく!」である。

  • 仕上げ

 オーダーする時に量は想像出来ない。
仕上げは何にするか、又後で考えることにした。
喰えれば、麺類とか炒飯とか・・・。
冗談じゃなかった。
 結局、アスパラと牛肉は残しちゃった。
断腸の思いだけど、降参だった。
嫁さんは豆腐だけを8割方担当した。
アスパラと牛肉の担当者も頑張ったけど、チカラ尽きた・・・。
オードブルと豆腐だけは見事に完食である。
 もう、これで精算。
それでも全部でRM270(約9千円)っくらい。
何ってったって、天下の「ヒルトン」である。
意外に安いかも・・・。
 嫁さんと話した。
「今度、行く時は勝手がわかったね」
「次も必ず豆腐料理を注文するわ」
次っていつだべ・・・?