「エクシブ初島」のこと(4)

  • 散策

 前日の暴風雨はどこへやら。
翌日は朝からピーカン。
せっかくの豪華リゾッチャホテルである。
ちょっと散策しようという事になった。
 1階のレストラン「オセアノ」の横から庭に出た。
この店がブッフェの会場だった。
すんごいヒトである。
中に入れない客がずら〜っと待ってる。
ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ・・・。
ちょっと得した気分である。
 ホテルの前の磯に向かう。
「松林散策路」と看板が出ていた。
散策するには快晴過ぎた。
ってゆ〜かあ、異常に気温が高い。
たちまち全員汗みどろになってしまった。
後で聞いたら25度っくらいになったらしい。
9月の気温だったとか・・・。
 磯まではちょっと山道を下らなきゃなんない。
限りなく自然に近い遊歩道しかない。
ちょっと無理かなあ・・・。
ば〜ばはヒザにあまり自信がない。
「あんた達だけ行っといでよ・・・」
 次男坊に言ってみた。
「お前、ば〜ばオンブして下りろよ」
「へ・・・」
目が点になってる。
子どもの頃、腕力だけは取り柄だったけど・・・。
さすがに47歳はきついか・・・。
結局、諦めて部屋に戻ることにした。

  • ストレッチ

 ば〜ばは去年くらいからヒザが痛くなっちゃった。
一時はちょっとメゲていたようだ。
何となく元気がなかった。
歩くのがヤになってたようだった。
 やべっ!
みんなで寄ってたかっていろいろ言う。
あれがいい、これがいい・・・。
やっぱ、プロに任せる事にした。
スポーツプログラマーである嫁さんがストレッチを指導した。
ファイテンバンドもあげた。
サプリも紹介した。
 周りの必死さが伝わったかどうか、最近は好調そうだ。
ストレッチも素直に続けているらしい。
ホテルの部屋でもやってた。
何だか気合を入れて頑張ってた。
散策に誘ってもすんなり出掛けたので安心した。
何より何より・・・。

  • 朝風呂

 チェックアウトタイムは12:00。
せっかく来たんだからのんびりしよう。
みんな考える事は同じらしい。
初島なんて小っちぇえ島である。
特に行くとこも無いんだけど客はウロウロしてる。
 散策で汗かいてしまったのでもう一度温泉に行った。
今度はホントの展望大浴場だった。
伊豆半島や大島が一望。
大パノラマだ。
なかなかのご馳走である。
 少し雲が出て来た。
大海原に光が当たるところと陰るところがある。
光の当たる海はキラキラと金色に輝く。
雲の移動に連れてキラキラも移動する。
なかなかこんな眺めは見られんべ。
大ご馳走だった。
 温泉は最初っから最後まで貸切だった。
っかしいなあ・・・?
三島勢はどうしちゃったんだべ?
部屋に戻ると次男坊は部屋のシャワーを浴びてた。
・・・何で?
じ〜じはテレビにかじりついてる。
「もう、風呂はいいや・・・」
・・・何で?

  • チェックアウト

 11:30頃にチェックアウト。
お会計はしめて92,000円ほど・・・。
部屋代が2万円弱、晩メシが6万円、その他モロモロ・・・。
ま、そんなモンだしょ。
自然な成り行きでカードを出した。
 三島勢も一応は支払いの意思を示す。
「ま、いいよ。昼メシでもご馳走してよ」
太っ腹である。
顔で笑ってココロで泣いて・・・。
 これも仕事で覚えた「外」の常識だべなあ・・・。
中途半端な接待はするな!
これが接待の鉄則。
やっぱ接待だったんだ・・・。
 会計の間にば〜ばがパンフレットを見てた。
「ねえ、松茸尽くしのコースなんかあったんだねえ・・・」
「あったよ。他にも伊勢海老とか海の幸とかいろいろあったんだよ」
「松茸コースも良かったねえ・・・」
「だから!・・・」
ごっくんと大きな音が響いた。
嫁さんと2人で言葉を飲み込んだ音である。

  • 伊勢海老

 初島港発12:20の船で熱海へ。
船を待つ間、土産物屋をのぞいてみた。
防波堤沿いに同じ造りの店が10店くらい並んでる。
一番端っこの店まで行くヒトいるんかな・・・?
大きなお世話なのである。
 どの店もイケスを置いて活魚や伊勢海老を入れてる。
そこで調理して喰わせる為の食堂もある。
伊勢海老やイカやアワビ・サザエ・・・。
想像するだけで美味そうである。
でも、お値段はなかなかである。
定食モンでどれも2〜3千円くらいする。
 伊勢海老は土産用にもしてる。
1匹、3千円くらいからと表示されてる。
結構なお値段だ。
半端モノのイケスもあった。
1匹、千円からある。
角の折れた伊勢海老は価値半減なんだそうだ。
さすがの三島勢ももう買い物はしなかった。

  • 昼メシ

 熱海に着いたのは13:00頃。
さすがに朝メシが軽かったので腹が減った。
健康的な空腹である。
次男坊は船の中で菓子をバリバリ喰ってた。
あんなに軽い朝メシじゃ持たないようだ。
空腹に耐えかねたらしい。
 昼メシはば〜ばと嫁さんの意見が一致した。
熱海には見るべきモノがない。
ちょっと近隣に出た方がいいのでは・・・。
そこへ次男坊が提案。
「熱川に魚料理の美味い店があるんだけど・・・」
3人の意見が一致した。
じ〜じは特に意思はない。
決定である。
 長い事、地元を離れていたんですっかり土地勘がなかった。
熱海と熱川の距離がどんなモンか?
字も似てるし、きっと近所なんだべ・・・。
甘かった。
お店に着いたのは14:00過ぎだった。
全員腹ペコである。
もう、何喰っても美味いぞー!