旅行の後始末のことⅥ

  • 返信

 今回の旅行で一緒だった「H場さん」からメールが来た。
先週、もらった名刺のアドレスにメール送った。
写真も意図していなかったけど、2枚ほど写っちゃってたので添付した。
そして丁重なお礼を述べた。
ヴィルニュスのトイレ探し騒動でお世話になったお礼である。
カドカドに見張りを立ててくれたお陰で迷子にならずに済んだ。
恩人なのである。
 相当、交際範囲は広いんだと思う。
先週、メールを送ってからほぼ1週間。
やっと返信したって雰囲気だった。
文面は至ってシンプル。

○○様
メ−ルありがとう。個人通信を送らせていただきます。
興味あるようでしたら又送らせていただきます。

//////////// H場 K治////////////////

 そこに個人通信のファイルが添付されてた。
これがなかなか・・・。
そのボリュームや重さに圧倒された。

  • 「Aマダイ」

 個人通信の名前は「Aマダイ通信」
添付して頂いたファイルは記念すべき第50号だった。
過去、隔月発行されていたらしい。
 まずは第50号を読んでみた。
おっそろしく冗長な文章である。
あんまり改行するのはお好きじゃないと見える。
でも、しっかりした内容と文体でさすがっと思わせる。
 今回の旅行記がかなりのスペースを占めていた。
一緒に旅したヒトの旅行記を読むのは初めてだけど、なかなか面白い。
あの時、同じ場面でこんな風に感じてたのか・・・とか。
あれはこんな気持ちだったのか・・・とか。
 共通点も多かった。
成田に集合した時に「ツワモノどもの集まり」と感じたこと。
1人参加が半数を占めてて、食事の時に楽だったこと。
いつもなら気兼ねしながら夫婦モンに同席させてもらうパターンが多い。
すぐにみんな盛り上がって楽しく過ごせた。
案の定、みんな個性豊かな面白いメンバーだった。
 ずいぶんローカルな話題も出ていた。
「I塚さん」と2回目、「Sコグチさん」とは3回目の同行だったこと。
嫁さんのトイレ探しの事も出ていた。
白人は腸が長いのかどうか、トイレが無さ過ぎる。
日本からパチンコ屋を輸出した方がいい・・・とか。
 「Aマダイ」ってなんだべ?
嫁さんと首を傾げた。
ホームページを開いてみた。
ちゃんと「Aマダイ」の由来ってのがあった。
昔、東大三鷹寮で先輩に「お前は頭が『Aマダイ』に似てると言われた。
「Aマダイ」の一夜干しは別名「銀座干し」という高級品だそうだ。
よって、有難くこのあだ名を頂戴して、会社の名前にも使ってるとか。
なある・・・。

  • 2大テーマ

 圧巻はやはり「アウシュビッツ」と「杉原記念館」の記述。
今回の旅の2大テーマだった。
「H場さん」もやはりこの2つを取り上げて詳細に記していた。
このあたりは一味違うなあ・・・と思った。
 「アウシュビッツ」では人間のおぞましさを痛感。
同時に「仕組みの恐ろしさ」も考えさせられたと書いていた。
国民の1/3の支持しか得ていなかったヒトラーがあそこまで出来た仕組み。
一度、回り始めた仕組みは誰も止められない。
この視点はまったく同感である。
 もう1つ、敷地内に建てられた各国の展示館に触れていた。
夫々の国の政府が資金を出して展示を維持している。
それは単なる被害者の展示ではなく、加害者の一面もあったという展示。
自戒の念を込めた展示館である事が興味深かった。
 「杉原記念館」では日本人としてのちょっとした誇り。
同時に人間の矛盾も感じる。
救われた「ユダヤ人」が何故「パレスチナ人」を追い出すのか?
人間は歴史から学ぶ事は出来ないのか?
人間は歴史を繰り返す事しか出来ないのか?
 同じ2大テーマを見て来たヒトの意見である。
物見遊山のヒトもいたと思う。
でも、このヒトはぜんぜん違った。
な〜んだ。
ちゃんときっちり考えてんじゃん・・・。

  • ホームページ

 「H場さん」はコンサル屋である。
名刺には「有限会社・ティエフネッドワーク」と書かれていた。
「ティエフ」は「Aマダイ」の頭文字だそうだ。
ホームページを開いてみた。
面白い。
パーソナリティ、会社の由来、事業内容・・・。
昭和21年、秋田県生まれ、昭和50年東大法学部卒。
ずいぶん長いことガッコ行ってたみたいだなあ・・・。
 そして「Aマダイ通信」のバックナンバーが載ってる。
個人の近況報告から様々な集いのお知らせ。
ガッコ絡みのネタも多い。
やっぱ、何か違うモンを感じる。
 これも旅の面白さだと思う。
今まで、まったく知らない世界である。
多分、普段の生活の中でこんな世界を垣間見ることはまず無い。
母校の教授や、現役の学生、各企業に出ているOB。
政界・財界の著名人にも範囲が及んでいる。
「第何回生の○○君の応援」とか、「同期の△△さんと事業を開始」とか・・・。
すごいネットワークだと思う。
 やっぱ一種独特の世界なんじゃないかと思う。
当然、個人事業だから定年なんか無い。
生涯このネットワークに包まれて・・・。
ってゆ〜かあ〜、ネットワークを維持しながら生きて行くんだべなあ・・・。
それはそれで大変そうではある・・・。