続々々・日本料理【明石】のこと

　こいつは逸品だった。

【桜海老かき揚げ】　天出汁

桜海老とイカのかき揚げだった。
桜海老の香りとイカの香ばしさがびったし。

「ひゃあ、何だかめっちゃハモってて美味ゃあっ！」

　量もちょどいい。
でか過ぎず、小っちゃ過ぎず・・・。
さすがにトシを喰って、揚げ物が苦手になった。
天婦羅なんてまず喰うこたあにゃあ。
アブラに酔っちまあ。

「ひゃあ、この大きさは絶妙だで。挑む気になるもん」

　何より揚げ方が秀逸だった。
ホンットにカラッと揚がってた。
アブラのシツコさがでんでんにゃあ。
さすがにこれは出汁の濃さは気になんにゃあ。

「ひゃあ、こんなに美味ゃあ天婦羅、久しぶりだで」

強いて言えば、大根おろしくいよー！

　ここで酢物・・・？
ふつー、こんなタイミングだっけか？
ま、いいんだけど・・・。
酢の物も好物だで。

【うるい　サーモン　太刀魚　蛍烏賊　敷き桜酢　防風】

　これも好物ばっか。
うるいや防腐が面白れぇ。
太刀魚もいい。
スモークサーモンもびみょーだけど面白れぇ。
不味い訳がにゃあ。
姉さんいわく。

「桜酢が『ジュリ』になっております・・・」

　一瞬、「樹木希林」が浮かんだ。

「じゅううりぃ〜〜〜〜っ！」

「ジュレ」だら・・・？
この「ジュレ」の濃さが問題なんだなー。
やっぱ、全体的に濃い〜いっ！

　最終コーナー。

【季節の釜飯】　赤出汁　香の物

もう結構ハラいっぴゃあ。
でも、やっぱメシは喰いてゃあ！
アサリと青菜の炊き込みご飯だった。
もちろん釜炊き。
　姉さんがよそってくれる。
フタを開けるとアサリの香りが・・・。

「ひゃあ、春らしいじゃんかー」

ただ、気のせいかメシが寝てる・・・？
つやつやした輝きがにゃあ・・・？
気のせいだら・・・。
　気のせいじゃなかった。
何だろー？
炊き方の失っぴゃあ？
コメ・・・？
何ともボソボソした食感。
およそ、高級店に似つかわしくにゃあメシだった。

「ひゃあ、メシはもうちっと何とかなるら？」

　赤出汁も想像通りだった。
しっかりした東京風味。
ま、終始一貫してて、それはそれで・・・。
一貫した濃い〜い味。
一貫した野性味。
なるへ・・・。
　最後は「甘味」。

【自家製甘味】　羊羹　プリン　シャーベット

彩りはキレイ。
甘味としての味は・・・。
ま、ふつーかな・・・。
　っという訳で、記念すべき夜が終わった。

「ひゃあ、好みの問題もあるべーけんど個人的にゃ【☆２つ】が限度かなー」

コストパフォーマンスは高きゃあと思えにゃあ。
多分、今生の別れかと・・・。