居酒屋の雑感13

  • チャレンジ

 したいんだけど、なかなか飛び込めない。
ポンポン飛び込んで、新規開拓するにはトシを喰い過ぎた。
昔ならとっくに死んでるトシだに・・・。
もう、いつお迎えが来てもおかしかないべ。
 っとなると、食事の機会ってえのは大切だべや。
年々、大切になってきた。
今さらそんな大それた物欲はない。
喰うことだけが楽しみみたいなモンである。
残り、、何度食事が出来るか・・・?
その貴重な食事の機会を台無しにゃあしたくない・・・。

  • 紹介

 久々に、新規開拓に飛び込んだ。
ご近所の和食居酒屋「然」ってな店である。
飛び込みったって、紹介があればこそ・・・。
紹介者は、嫁さんのスポーツクラブ仲間の「荒Iさん」
 「荒Iさん」ちも結構喰い歩くみたいで、かなり舌も肥えてる。
元々はジモティじゃあない。
旦那さんは道産子、奥さまは元スカギャルだという。
パラシュート開業当初はいろいろ苦労も多かったらしい。
でも、今じゃすっかり土地の名士。
周りはどうしても一目置いちゃう。
置いてないのは、我が嫁さんとそのアスリート仲間っくらいらしい・・・。
 一度、ご自宅の前で奥さまをお見かけした。
一瞬、娘さんかと思った。
奥さまと聞いて、ひっくり返った。
トシは我々と大差ないという。
やっぱ、スポーツしてるヒトって構造が違うんだべか・・・?

  • 九州仕込み

 「素材が良くって、結構イケてたわよ」
奥さまのこのヒトコトが頼り・・・。
恐る恐る、暖簾をくぐった。
「カウンターでもよろしいですか?」
見ると、テーブルは全て予約で埋まってる。
なかなか盛況らしい。
 スタッフは3人。
マスターらしきおっさんと、ねーちゃんと、お兄ちゃん。
何となく、全員雰囲気が似てる。
”ひょっとして兄弟か・・・?”
って思うくらい・・・。
 メニューがヤマほどある。
全部見てると夜が明けそうなので、テキトウに注文。
ベースは九州料理だという。
ただ、素材は鎌倉や横須賀から取り寄せてるらしい。
本場九州から素材が入ると、「本日のスペシャル」になるとか。

  • オーダー

 やっぱ、まずはビールだしょっ!
ビールは「キリン一番絞り」だった・・・。
惜しい・・・。
でも、「かあ〜っ!ちっくしょ〜っ!」だった。

【(つき出し)冬瓜の煮物】
美味かった。上品な薄味で濃厚なダシが良く効いてた。この味なら・・・他も期待っ!

【ダシおでん(大根・タマゴ・ジャガイモ・コンニャク)】
期待通り、美味かった。自ら、「本格的おでん屋の味」と謳ってるだけある。多めのカラシも嬉しい。薄味なんだけど、ダシが濃厚なので、かなりのボリュームに感じる。大根・タマゴ・豆腐・コンニャクは100円、ちくわぶ・ジャガイモは200円という値段もいい。でも、この味で味の濃いジモティは大丈夫なんだべか・・・?

【手造り豆腐】
美味しい豆腐だった。シンプルだけど濃厚な豆腐の味が口の中に広がって、薬味だけでもイケちゃう。嫁さんは薬味のワケギが邪魔だったらしいけど・・・。

カリカリジャコサラダ】
最近では珍しくなくなっちゃったメニューだけど、十二分に美味しかった。やっぱジャコが濃い〜いのと、薄味の梅ドレッシングがマッチしてた。嫁さんはスライスラディッシュと紛らわしい紫タマネギのスライスがとっても邪魔だったらしい・・・。

【魚ロッッケ】
サカナのすり身のコロッケとか・・・。そのまま煮たり焼いたりすれば、さつま揚げ。フライにすると、これになる。素材がいい所為だべか?美味かったねえ・・・。

米茄子の味噌田楽】
美味かったあ〜っ!久々に本格的八丁味噌の田楽だった。余計な味が全くない。グルグルした後味の悪さもない。個人商店のいいトコロが存分に発揮されてた気がする。

 他にも目をつけてたメニューが幾つか・・・。
【新鮮野菜と地鶏焼】、【めんたい厚焼きタマゴ】・・・。
でも、茄子の途中で嫁さんからタオルが入った。
「もう、喰えん!」
「じゃ、簡単に食事にしようよ・・・」

【ダシおでん(キツネうどん)】
あくまで”おでん”なんである。油揚げの中にうどんが詰まってる。ほぼ予想通りだったけど、油揚げのところどころに紅ショウガが入ってたりして楽しい。
これで十分にメシになっちゃう。

【白いご飯】
嫁さんが、今夜一番喰いたかったもの・・・。米茄子八丁味噌の残りがおかずである。この味噌が又、良く合う。シンプル イズ ベストの極致でんな・・・。

 ホントは、豚足とか、黒豚とか、地鶏とか・・・。
店としちゃ、こってり系料理をメインにしたいんだべな・・・。
でも、客はわがまま。
勝手にヘルシー居酒屋にしようとするヤツがいる。
「おめえじゃっ!」