中華料理屋の雑感20

  • 大本命

 札幌に来たらここ。
絶対に外せない店が2軒ある。
その内の1軒に行った。
中華料理の「黄鶴」である。
「札幌グランドホテル」の2階にある。

http://www.grand1934.com/restaurant/pekin/index.html

 札幌勤務時代にたまたま行って、ひっくり返った。
こんなに美味い中華料理は喰った事が無かった。
その後、札幌市内の有名店は全部行った。
もちろん好みもあるべ。
でも、お気に入り中華料理のベストはここだった。
 しがないサラリーマンの行動範囲は知れてる。
関東甲信越と北海道の範囲しか知らない。
きっと、日本全国どっかにはもっとすごい店があるかも・・・。
でも、今んところ、ここを越える店は知らない。
 横浜中華街はほぼ全滅だった。
唯一、「黄鶴」に近いと思ったのは「桃源」
「横浜そごう」の10階にある。
でも、去年の暮れに行って思いっきり裏切られた。
”恨み言メール”を送ったっきり、それ以来足を運んでない・・・。

  • 分煙

 久々の来店である。
入って行くと、すぐにスタッフが案内してくれる。
「おタバコはいかがなさいますか?」
これがホテルの心地良さである・・・。
ちゃんと禁煙席に案内してくれた。
でも、さすがに知った顔はいなくなってた。
 ところが煙かった・・・。
空調の加減か、煙が流れてくる。
「ちょっと煙いんだけど、席替えてもらえる?」
スタッフは焦った。
完璧に煙くない席を探し回ってる。
確かに、禁煙席で煙いって言われちゃうと困るべな・・・。
 何せ、北海道は全国有数の喫煙王国。
特に女性の喫煙者が多いんで有名だ。
たまたまパーティションの向こうでペアがモクモクやってる。
”吸ってもいいから、出すんじゃねえよっ!”
っとか思ってるウチに、スタッフが嬉々として飛んで来た。
「お待たせしました。個室が空きましたんで、どうぞ」
これがホテルの心地良さである・・・。

  • ランチ

 今回は昼メシである。
おまけに前日は飲み過ぎ、喰い過ぎ・・・。
あんまりヘビーに喰う気はない。
メニューを漁るとコース料理があった。
「プレフィックス・ランチ」ってえのが眼に留まった。
2,300円、1人様からOK。
 前菜から始まって、各グループから好きなメニューを選べる。
デザートまで含めて8品が選べるという。
「これ、どうだべ?」
スタッフに重過ぎないか訊いてみた。
「それは大丈夫です」
よし、信じた!
 まずは生ビール。
ビールは全メーカー揃えたという。
へえ〜、びっくり。
やっぱ、「アサヒスーパードライ」である。
「っかあ〜っ、ちっくしょ〜っ!」である。
不思議な事に、同じ銘柄でも何故か札幌のビールは美味い。
多分、水が違うんだべな・・・。

  • コース

 前菜は定番の【棒棒鶏】を選択。
出て来た【バンバンジー】は彩もキレイに少なめ・・・。
なるほど、納得した。
仏メシやイタメシ風に盛り付けてるんだ。
これなら苦しくなるような量じゃないべ。
 ”う〜〜んめえ〜っ!”
これだっ!
この味だっ!
しっとりさっぱりのササミ。
絶妙なゴマソース。
 ただし、今回はびみょーに濃いめだった。
ちょっとだけしょっぱく、ちょっとだけ辛く感じた。
でも、こんな少量でデリケートな味付けは大変だべなあ・・・。
 次は【芝海老とグリーンアスパラ炒め】
これも洒落た三角形の皿に可愛らしく盛ってある。
これなら絶対喰い過ぎはないべ。
もう、見た目で美味い。
さっぱりパイタン塩味だった。
嫁さんいわく・・・。
「やっぱ、『Wンズ』のパイタン塩味とはちょっと違うね・・・」
「あのね・・・」
 次は【白身魚とキノコの牡蠣油】
タラらしき魚とキノコ、絹サヤの炒めもの。
ここんちのオイスターソースは天下一品だと思う。
柔らかく、しょっぱ過ぎず、めっちゃデリケートな味である。
よくありがちな、焦げたような香りも絶対にない。
いつもは【豆腐のオイスターソース】が定番だったんだけど・・・。
これでも十分に美味しかった。
 次は、定番【青椒牛肉糸】
これもよく喰った定番メニューである。
美味かったあ〜っ!
見るからに繊細な丁寧な仕事である。
味も絶品!
さっぱりした醤油ベースで、しかも薄味。
素材の味が全部そのままわかるってヤツですか?
”お変わりなく、何よりでした・・・。”
 点心は2種類を選べる。
【小籠包】と【かわり春巻き】を選んだ。
ショウロンポウもまずまず・・・。
びっくりするほどじゃないけど、まあ美味かった。
期待の春巻きはちょっとガックリ・・・。
海老入り春巻きみたいなヤツだったけど、ピンボケ。
もちろんフツー以上のレベルなんだけど、期待が大き過ぎた。
 ここんちは【ノーマル春巻き】が抜群に美味い。
ここに来れば必ず注文してた。
カラッと揚がって、油っこくなく、具沢山。
タケノコなどの具が千切りされてて、この食感が又いい。
酢醤油と練からしをちょっとつけて・・・。
あ〜〜っ!喰いてぁあ〜っ!
 食事は嫁さんと別なメニューを選択した。
【カニレタス炒飯】と【五目ラーメン】
この【カニレタス炒飯】も定番だった。
最後に必ずこのさっぱり味の炒飯でしめる。
ほぐしカニ肉とレタスって相性がいい。
あとは塩と油に気ぃ使ってくれれば、OKである。
この絶妙のバランスは健在だった。
美味かったあ〜。
 残念だったのは【五目ラーメン】
鶏ベースのだしで塩味だったけど、しょっぱかった。
具はいつもの五目ラーメンの具だった。
でも、スープだけがしくじってた。
ま、これだけの種類のミニサイズを作るのは大変だべさ。
特に、ミニラーメンなんて味付けが大変だと思う。
納得の失敗作である。
 デザートも2種類を選べる。
やっぱ1つは正統派【杏仁豆腐】でしょ。
もう1つはチャレンジで【マンゴ杏仁】にした。
ここんちの【杏仁豆腐】も定番だったけど、美味い!
最近はどこも出来合いの【杏仁豆腐】を置くようになった。
これがそこそこ味が整ってて美味い。
味の差がなくなってきた。
でも、久々にここんちのを喰ってホントの【杏仁豆腐】の味を思い出した。
 【マンゴ杏仁】も美味かった。
マンゴの香りいっぱいで女性が感激しそうだ。
そもそもデザート2種類って、ターゲットは女性だべな・・・。

  • サービス料

 ホテルってサービス料を取る。
10%である。
高いと言えば、高い。
でも、ホントはホテル次第である。
 確かに、まったくサービス料を取るに値しないとこもある。
でも、腐ってもホテルだべ。
概ね失敗はない。
ほぼ、間違いなく心地良さを提供してくれる。
一種の保険料だべさ。
海外旅行で強制的にチップを取られる事を思えば安いモンである。
 概ね、懐かしい味だった。
幸せだったあ〜。
でも、ホントは幸せかどうか・・・。
ここんちの味がスタンダードになってしまった。
余所でなかなか幸せな気分になれないのは不幸かも・・・。