珍しくもない本の雑感69(2)
- 「宮沢賢治」
2人はこの議論の触媒に「宮沢賢治」を利用してる。
何故、あの「賢治」なのか・・・?
「賢治」の童話は有名。
っと同じっくらい有名なのが、政治活動なんだとか。
戦争肯定の政治活動に没頭したそうな。
どっちがホントの「宮沢賢治」か・・・?
「賢治」は「憲法9条」を考える上で、キーパーソンだという。
「中沢」いわく。
「宮沢賢治は、この世界がディスコミュニケーションでつくられているということに、ものすごく悩んだ作家だと思います。これを乗り越えたいと思っていた。そんなときに、彼は”宗教的思想”にのめり込んだのだと思います。”宗教的思想”の中に、自分の理想を見出そうとした。だからこそ、ディスコミュニケーションをなくして、人々が正しい考え方を持って、理想の社会へ向かっていくための運動にのめり込んでいったのでしょう」
- オトナ
”法律”や”宗教”は単一の価値を立てようとする。
ディスコミュニケーションをなくそうとする。
それが世界を完璧なものにすると考えちゃう。
すると、ディスコミュニケーションが危険なマイナス要因に変貌しちゃう。
戦争肯定も、そこからあと1歩。
こーゆー構造なんだそうな・・・。
矛盾を受け入れる思想はどこか未熟に見える。
よく、オトナは自分の中にはっきり価値観を決めておくべきという。
確かに社会の安定の為に、そーゆーオトナも必要。
「中沢」もオトナの端くれとして、そう生きようとは思ったという。
が、自分の内面にある混沌(カオス)は簡単に否定出来ない。
そしたら、それは否定しないで生きていこうとした。
ホントは早めに遠ざけておいた方がいいものもある。
それに近づいてしまってしくじる事もあったそうな。
しゃあないよなあ・・・。
学者だもんなあ・・・。
- 子供
「中沢」いわく。
日本人の思考法ってえのがある。
昔のヒトは、世界が矛盾で出来ているいる事を前提にしてた。
矛盾を平気で自分の中に受け入れて生きてきた。
絶対に正しいとか、純粋な愛情とか・・・。
そんなモン信じてなかった。
昔のヒトは、神話を通じて理想的な状況を考えた。
っと同時に、いっぽうでとっても現実的なものの考え方をした。
この考え方が日本人にぴったしなのかも・・・。
敗戦後、マッカーサー元帥が言った。
「日本人は精神年齢12歳の子供だ」
確かにそうかも・・・。
でも、この年ごろの子供は、よく「世界を凍らせるような」真実を口にする。
- 珍品
日本国憲法は世界の珍品。
何せ、戦争していた日米両国の合作なんだべさ。
いろんなタイミングが重なった。
多分、あんな無垢な理想に向かい合えたのは、あの瞬間しかなかった。
現に、アメリカはその5年後に朝鮮戦争に突入。
まさに奇跡的に出来上がった憲法だべ。
今、その珍品を改憲したいという声が沸きあがってる。
フツーの憲法にしたい、とか。
自分の国の憲法は自分の国で作るべき、とか・・・。
イマイチ説得力がないよなあ・・・。
要は作戦なんだべ。
平和すぎるってこったべな。
みんなヒマなんだべなあ・・・。
ヒマなニンゲンが多くなり過ぎた。
会社でもヒマな社員ほど「カイカク」を口にするもんなあ・・・。