珍しくもない本の雑感69
- ミーハー
久々にミーハーしちゃった。
新聞広告でいつも気になってた。
タイトルが巧い。
「憲法9条を世界遺産に」
思わず読んでみたくなるべ〜じゃん。
著者は2人。
あの「中沢新一」と、「爆笑問題」の「太田光」
何だ、この取り合わせ?
って誰でも思うべ。
実は、長年のメル友だったそうな。
ま、わからないでもないなあ・・・。
- 対談
この本の中心は2人の対談。
都内のホテルで3回にわたって話し合ったそうな。
「中沢新一」は1950年生まれ。
団塊のシッポ。
「太田光」は1965年生まれ。
新人類のシッポ。
年の差は15歳。
片や、東大人文科学院卒で日本を代表する「思想家」
片や、日大芸術学部中退で日本を代表する「お笑い芸人」
奇妙な取り合わせなんだけど、イケてる。
「大田」がチカラいっぱい吐き出す。
「中沢」は円熟の器で悠々と受け止める。
そんなやり取りに見える。
ちょっと羨ましかったりして・・・。
- 「わんっ」
「中沢」が愛犬と散歩してる時の話が出ていた。
「犬と人間の関係は、わずかなコミュニケーションとほとんど大部分のディスコミュニケーションでできています。おたがい誤解だらけです。しゃべりかけると『わんっ』と返事をするけど、ほとんどが誤解の『わんっ』です。長い間つきあっていると、だんだん了解も増えてくるんですが、当たっている部分もかなりおおざっぱな了解でしょう。だけど、そうやって犬と散歩していると、世界ってこんなふうにできているんだなって、しばしば感動を覚えます」
心の構造はみんな違う。
同じ現場にいても、違う世界を見ている。
誤解を伴ったディスコミュニケーションで世界は成り立っている。
誤解やズレが世界を豊かにしている。
確かに・・・。
我が家の”そら”とニンゲンの間もズレばっかし。
だからこそ、面白いのかも・・・。
もう1つ、ワンコの話が・・・。
「中沢」が大好きな話だとか。
京都に日蓮宗の寺と浄土宗の寺が道をはさんで向かい合わせにあった。この寺同士がものすごく仲が悪くて、お互いに悪口を言い合っている。悪口を言うだけでは気がすまなくなって、日蓮宗のお坊さんたちは、法然と名づけた犬を飼っていじめた。「法然のバカ」とか言って、みんなでこづき回す。それを見ていた浄土宗の寺のお坊さんが、何くそと日蓮と名づけた犬を飼っていじめ始めた。
ところがある日、日蓮という犬と法然という犬が道でばったり出くわして、大ゲンカを始めたわけです。そうしたら、日蓮宗のおぼうさんたちが、「法然頑張れ」、浄土宗のほうは「日蓮頑張れ」と応援しちゃった・・・。そのうち、はっと気がついて、お互い反目をやめた・・・。
う〜〜む。
古典落語、おそるべし・・・。
この話は「中沢」は宗教学を志したきっかけの1つだそうな。