国情雑感

  • 所得水準

ガイドのブンさん曰く、情けないくらい貧しいとか。
GDPは世界でワースト2と言い切っていた。
平均所得を訊ねた。
難しいが、警察官の月収が約$30らしい。
とても喰えないので、皆アルバイトをする。
窃盗団から遺跡を守るガードマンもやっているとか。
これが$10くらいになるらしい。
何と言ってもおいしいのは観光産業である。
ホテルマンになれれば月収$80〜$300も可能とか。
観光客はチップで$1以下を出す事は無い。
相当な高収入になる。
観光していて警察官から警察バッジを勧められた。
「スーベニア」とか言いながら差し出され、訊くと$5で売ると言う。
どうせ贋物だろうと言ったら、ブンさんが「ホンモノです」。
バッジはいくらでも支給されるらしい。
公認アルバイトか。

シェムリアップの中心からちょっと離れたら何も無い。
特に電気・上下水道が無いのはなかなか想像出来ない。
郊外では共同井戸にろうそく・ランプの生活。
小屋の外でマキで煮炊きして、みたいな。
お金持ちは自家発電機を持ち、テレビ・冷蔵庫など家電もある。
ガスもプロパンガスである。
微妙な境目の生活もある。
ヤシの葉の小屋に日本や韓国の廃品家電がある。
カップ麺にフカヒレと言うヤツかな。
街中に数えるほどしか公衆電話が無く、料金も高いらしい。
でもケータイの波は容赦無く押し寄せている。
物質文明は罪な気がする。
いかにもバランスが悪い。

  • 物価水準

正確なジモティ価格は分からなかった。
ガイドのブンさんが物売りの子供から大学芋みたいな菓子を買った。
5人で分けて食べるくらいの量で500リエル。
約14円くらいか?
露天商でTシャツを買った。
$1で結構しっかりした品質だった。
ん〜〜〜ん。安い。

  • 交通機関

見たところ庶民の交通機関の基本はチャリンコ。
でも一番多いのはバイクの様だ。
決して安く無い様だが、免許不要で子供も乗ってる。
家族全員3〜4人が乗ってるのも珍しく無い。
クルマはほとんど観光産業関係者だけと見受けられる。
後はタクシー、バイクタクシーがホテル近辺に張ってる。
交通ルールはあるのかどうか分からない。
シェムリアップの中心に信号が1つだけある。
後は早いもの勝ちらしい。

  • 露天商

多分、許可とか言う概念は無いと思う。
道端のいたる所で露天商が出ている。
良く見るのが、2㍑くらいのビンを並べてある店。
中身は赤・黄・オレンジと色とりどりの液体。
何かと思ったらガソリンである。
かなり高価で1㍑$1くらいするとか。高い!
もう一つ多いのはサトウキビ。
民家と言う民家の庭先で必ず並べてある。
どこんちもこれが子供の仕事の様だ。
地べたに穴掘って焚き火で鶏を焼いてる店もあった。
ほとんど原型を留めていて、ダメである。

  • 修復作業

アンコール遺跡群は1992年に世界遺産に登録されたそうだ。
以来、日本も含め各国が救済の為に修復作業をしている。
ガイドのブンさん曰く、日本チームが一番修復が上手。
フランスが一番雑で下手。
アメリカは理屈先行で手が遅い。
確かにフランスが手掛けたと言う箇所はコンクリートで固めてある。
これなら放っといた方が良いかも知れない。
ところで自国はどうなってんだ?

  • 政府の対応

カンボジア政府の対策を訊いてみた。
俄かにブンさん、熱くなって来た。
如何に現政府がダメか、こんこんと力説した。
アンコール遺跡群は大変な観光資源であり、現実にかなりの外貨を獲得している。
にも拘わらず、カネは一部役人とホテルなど観光産業に流れる。
インフラ整備や遺跡の修復に使われるカネは皆無だと言い切る。
嘆く気持ちも分かるなあ。
遺跡群の修復も外国任せと言う印象。
しかも評価だけはいっちょ前みたいな。
そもそもこの国ってアンコール遺跡群が無かったらどうなってただろう?