和食屋の雑感18(2)

  • お膳立て

 我がメンバーは7人。
役員さんを加えて8人だったら、個室があった。
でも、9人で予約せざるを得なかったが為に、個室は取れなかった。
ったく・・・。
 ま、他の客が見えているのも悪くない。
特別な仕事の話をする訳でもないし・・・。
さすがに、客は圧倒的に女性。
オトコの姿が見当たらない。
 店内は広くて、キレイで、オシャレ。
テーブルには電磁プレートがついて、各席に桐箱が置いてある。
今日はコース料理である。
題して

【豆づくし 初春】 5,500円

まあまあ、上位の方のコースである。

  • メニュー

 ゴングが鳴った。

【小鉢三種】
・山芋寄せ豆腐
・蕪と海老の磯辺和え
・たぐり湯葉いくら添え

 こいつが、桐箱の中身だった。
味は、自分的には全体に濃い目かな・・・。
でも、基本的に豆腐と湯葉がベース。
さっぱり系で、満足した。
残念だったのは、蕪の千切りが小鉢の縁に乾いてひっついてたこと・・・。

【温物】
・名物 とうふしゅうまい

 時節柄、飲茶系はゾッとしないが、ま、これは大丈夫だんべ。
名物って言うだけあって、美味かった。
つけダレなので、味の濃さをコントロール出来るところがいい。
こいつも、ちょっと油断すると乾いてスノコにくっ付いちゃう。

【お造り】
湯葉豆腐のお造り

 何となくシンプル湯葉じゃなかった。
何だべ・・・?
刺身のツマ代わりの、春雨のような葛きりのようなのがイケてた。
無味無臭。
でも、クラゲのような何とも言えない食感がハマった。
何だったんだべ・・・?

【おしのぎ】
・手毬寿司(湯葉と豆腐の味噌漬け)

 ピンポン玉っくらいの寿司。
ネタは、湯葉と豆腐の味噌漬けってな趣向である。
ここで、酢メシはいいかも・・・。
考えてみりゃ、全部豆腐と湯葉
ちょっと、一ひねりしないと飽きちゃうべな・・・。

【預鉢】
・ふく福玉子豆冨 蟹あん掛け

 こいつが、電磁プレートに載っかってた四角い鍋の中身だった。
いつの間にか、キレイな玉子豆腐が出来てた。
これを取り分けて、蟹あんを掛けて食す。
蟹肉やキノコの具沢山のあんは、やっぱり味が濃い目。
でも、調整出来るので、美味しく喰える。
自分的には、これがイチオシだったなあ・・・。

【焼物二種】
湯葉グラタン
湯葉の蒲焼き

 グラタンは、やっぱグラタンだった。
中身がマカロニとか、ポテトじゃないっつーこって・・・。
特に豆腐や湯葉の香りは感じなかった。
味が濃い目の所為だんべな。
 蒲焼きも、やっぱ蒲焼きだった。
豆腐の香りとかってんじゃないなあ・・・。
っとは言え、淡白な味で通してたら飽きちゃうべな。
難しいとこだあね。

【煮物】
・海老芋のみぞれ煮

 お〜、海老芋だ。
やっぱ、濃い目だけどしっかりイモだった。
別に、これでいいような気もする。
そんなに律儀に豆腐と湯葉だけに拘らなくても・・・。

【酢物】
・ながも酢

 これも、良かった。
湯葉がちょろっと載ってるだけ。
しっかりした酢の物だった。
もっと早いタイミングで出ても良かったような・・・。

【飯物】
湯葉茶漬け
・香の物

 パリパリの湯葉を振った茶漬け。
仕上げとしてはちょうどいい。
ただ、だし汁が濃い。
漬物よりしょっぱいのは如何かと・・・。

【デザート】
・麩饅頭

 笹の葉で包んだ小振りな饅頭。
この系統は、不得手なんでよくわかんない。
女性陣がパクパク喰ってたんで、きっと美味かったんだべ。

  • 会食

 役員さんも満足してくれたらしい。

「又、やりましょうっ!」

にこやかに黒塗りに乗り込んだ。
女性陣のお手柄である。
 期待の豆腐懐石・・・。
ま、この値段なら上出来と言えるんだべな。
強いて言えば、料理の味が濃いのと、乾き気味なのが気になった。
デリケートな喰いモンだから大変ではある。
薄味で、しっとりした食感をキープしたら、ン万円なんだべな・・・。
 それにしても、やっぱ疲れるぜ・・・。
メシなんて、仕事に絡まない方がいいに決まってる。
気ままに食事を楽しみたい。
宴席を漁って歩く輩の気が知れない・・・。