珍しくもない本の雑感68(4)

 【ガセネッタ&シモネッタ】

  • 慣用句

 言われてみりゃ、確かにそーだと思った。
我々は無意識の内にポンポン成句を使ってる。
これも、えりゃあ通訳泣かせらしい。
ま、そーだべな・・・。

「足が出る」、「手が伸びる」、「ヘソが茶を沸かす」、
「火のクルマ」、「カモがネギしょって」、「油を売る」、
「お茶をひく」、「閑古鳥が鳴く」・・・。

何だか、気の毒になっちゃう。
 しかも慣用句を間違う顧客も少なくないとか・・・。
「それじゃ、ロシア側からクチビルを切って下さい」
っとか言ったヒトがいたそうな。
これっくらいならすぐ察しがついて何とか訳せた。
でも、笑いを噛み殺してクチビルが切れそうだったとか・・・。

  • 日本語

 確かに難しい。
使ってる日本人だって難しいと思う。
よく仕事でも言われた。
「自分がしゃべった事の半分伝わってたら大成功と思え」
そーかも知んない。
 ひらがな、カタカナが48文字ずつ。
更に漢字は、約3千字を書けて、5千字以上を読める。
これが日本人像だそうだ。
ロシア語は大文字小文字合わせて63だとか。
日本人が億劫がるような数じゃない。
その気になれば、すぐ覚えられるべって著者は言ってる。
ま、そーかも知んない。
でも・・・。

【必要は成功の母】

ってなこって・・・。

  • 多言語

 著者いわく。
現在の「NHK」の海外向け発信は22カ国語。
英国「BBC」は56ヶ国語。
でも、最盛期の「モスクワ放送」は何と85ヶ国語だったとか。
 ロシア大使館や、通商代表部職員の日本語は抜群に上手い。
日本語だけじゃあない。
どんな弱小国でも同じだそうだ。
これがロシアの世界戦略だったらしい。
世界制覇の為に、あらゆる国の言語を勉強した。
あらゆる国の辞書や訳本があるそうな。
 1人の同時通訳者を育てる。
その背後に2,000人っくらいの学習者が要るそうな。
並大抵のこっちゃない。
ロシアは国家計画に従って各国に学生を派遣してた。
いつでもどこでも英語で押し通すどっかの国とはえりゃあ違いである。
でも、旧体制でなきゃ出来なかったワザかも・・・。

  • ウワバミ

 劇作家「永井愛」との対談も載ってた。
日本語について熱く語ってた。
「永井愛」いわく。

「日本語はウワバミみたいだ」

「”ら”抜き言葉」、「カタカナ言葉」、「語尾上げ」・・・。
日本語はかなりフレキシブル。
 何故か?
このヒトは「多分、中国文化との衝突が原因では・・・」っとか。
島国「ニッポン」では、異文化との出会いはショック。
大陸なら徐々に影響を受けるだろうけど・・・。
ショックのあまり、無節操にすべてを受け入れてしまった。
もちろん、言葉も・・・。
以来、外来語をどんどん採り入れる体質になっちゃった。
だから、”何でもあり。”
んなるへ・・・。