アテネ・フリータイムのこと

  • 朝メシ

 のんびりと起床。
気合を入れれば、いくらでも早起き出来る。
でも、まったりすればいくらでも寝られる。
根っからのズボラなのである。
 9:00っ頃、レストランに行く。
「リツ子さん」に会う為である。
「リツ子さん」の企画した市内散策ツアーは9:30出発。
出掛ける前にスーパーの場所だけ聞いておきたかった。
 スーパーはすぐに確認出来た。
ホテルからそんなに遠くないところにあった。
土産関係を一気に買ってこようって魂胆である。
これで、安心してのんびり出来る。
 レストランに婆ちゃんと孫ペアがいた。
「おはようございま〜す!」
今日は「シンタグマ広場」に買い物に繰り出すらしい。
72歳と21歳・・・。
婆ちゃんもなかなか大変だ・・・。

  • 食あたり

 婆ちゃんがボヤいてた。
昨晩はひどい目に遭ったという。
ディナーから帰って、早めに寝たらしい。
ところが、夜中に急に具合が悪くなったそうだ。
お腹が痛くなって、上から、下から大騒ぎ・・・。
しばらくうなってたとか・・・。
 「何だか『食あたり』みたいな症状ですねえ・・・」
「何だべねえ・・・。いやあ、まいっだ、まいっだ」
「何か油が合わなかったのかなあ・・・」
 嫁さんが鋭い突っ込み。
「ひょっとして、昨日のロブスターだったりして・・・」
「あ〜、何かナマっぽかったもんねえ・・・」
 聞くと、婆ちゃん完食したそうだ。
「だ〜っで、あんな贅沢なモン、残したらもっだいないべさ」
「そりゃ、そうですけど・・・、ミソも喰ったんですか?」
「ぜ〜んぶ、キレ〜イに平らげだ」
「え〜っ・・・。」
どうも原因はそれっぽいなあ・・・。
 もう、すっかり大丈夫だとは言ってた。
でも、街を歩くのに不安だべさ。
常備してる胃腸薬を進呈した。
えりゃあ喜んでたから、きっと完全じゃないんだべな・・・。

  • 親子

 婆ちゃんの息子の話になった。
つまり、孫の「アユミちゃん」のお父さんである。
何と、我々と同い年だった。
・・・親子か・・・。
そりゃ、そーだよなあ・・・。
 若い衆ペアのご両親もそれっくらいだとか・・・。
「A重さん」のお父さんだけは50代半ばらしい。
あとはみんな我々と同世代だとか・・・。
・・・親子か・・・。
 親子間の世代差なんだ・・・。
親と同じっくらいのオッサン・オバサンを相手にしてるんだ・・・。
大したモンである。
”後世、おそるべし!”

  • 買い物

 スーパーに出かけた。
ホテルのチェックアウトタイムは12:00。
買い物を済ませて、パッキングしても余裕だべさ。
今夜は機中泊になる。
もう一度シャワーも浴びてくべ・・・。
 スーパーはすぐに見つかった。
徒歩10分ってとこである。
そんなに大きな店じゃなかったけど、品数は豊富だった。
食品の物価は安い。
ミネラルウォーターの500mlが0.2ユーロ(約30円)。
缶ビールの500mlが0.5ユーロ(約75円)。
 地酒の「ウゾ」、タコの缶詰、蜂蜜なんかをゲット。
あとはチョコだ。
ギリシャのチョコを探す。
ギリアン」ってのがあった。
名前はそれっぽいけど、これはベルギー産だそうだ。
 イチゴのチョコ発見。
ギリシャのイチゴ・・・?
聞かんなあ・・・。
ま、いっか。
イチゴイチエってこって・・・。(^^)

  • まったり

 部屋に戻って、シャワー。
湯上りビールを飲りながら、パッキング。
12:00ちょっと前にチェックアウト。
完璧である。
 さて、これから15:00までどうしよう?
前もって立てた作戦なんかどこへやら・・・である。
「アゴラ」が何だ?
「死んだクマ」がどうした?
すっかり、まったりモードに入った。
そこにベッドがあれば寝れる・・・。
 それでも、嫁さんが殊勝な事を言い出した。
せめて、博物館っくらいは見た方がいいんじゃないべか。
そっか・・・。
じゃ、昼メシがてら出掛けるか・・・。

  • 国立考古学博物館

 基本的に街歩きは好きだ。
出掛ければ元気が出る。
それにしても汚い街である。
せっかくバラの花壇があってもゴミだらけ・・・。
中国の”13億の無神経”を想い出させる。
 徒歩15分。
立派な博物館だった。
1、2階合わせて50以上の展示室がある。
よし、全部回るぞ。
特に「ミケーネ」の出土品は必見だ。
ガイドブック片手に勇んで出発した。
 けど、すぐにお腹がいっぱいになっちゃった。
この辺が、美術館とはちょっと違う・・・。
「黄金の仮面」にたどり着いた頃には食傷気味・・・。
「仮面」も思ったよりちゃっちい印象だった。
でも、有名な展示物は全部舐めて来た。

  • 想像力

 2階に、「サントリーニ島」で出土した有名なフレスコ画があった。
「ボクシングをする少年」である。
やっぱ、現物は見てみるモンである。
7割がた、後から書き足されてる事がわかる。
「デルフィ」にあった「ブロンズの戦車」と似たようなモンだべ。
ギリシャ人って想像力豊かなんだべか・・・。
ま、いいんだけどね・・・。
 このフレスコ画の前に、1人連れの「篠H女史」がいた。
「こんにちは・・・」
「あ、どうも・・・」
聞くと、朝から既に4時間ここにいるという・・・。
すごい・・・。
「今日は特別展だったのよね。こんな絵が見れてラッキーだったわ」
”いや、確かこの絵は常設展示だったような・・・。”
言えねえ、言えねえ、口が裂けてもそんな事言えねえ・・・。

  • 昼メシ

 博物館はお腹いっぱいになった。
今度は喰いモンで腹を満たさなきゃ・・・。
博物館のお向かいにピザ屋があった。
これならお手軽に喰えそうだ。
 軽すぎた。
セルフサービス形式の店だった。
しかも英語が1つもない。
何が書いてあるかもわからんし、どうやって買うのかもわかんない。
店員はいるけど、知らん顔である。
ま、セルフだから当然か・・・。
 しばらくメニューを解読しようと頑張った。
でも、仕組みがわかんない。
ついにキレた。
”めんどくせ〜っ!”
他の英語が通じる店を探そう。

  • オープン・カフェ

 結局、ホテルのすぐそばまで戻った。
考えてみりゃ、この辺は駅前である。
お店も沢山ある。
公園にパラソルを出したオープン・カフェがあった。
 「ここがいいじゃん」
「気持ちいいかも・・・」
ギリシャの薫風もご馳走だ。
一番、風上の席をゲット。
タバコ吸ってる輩がやたらに多いから・・・。
 スタッフが来た。
ちゃんと英語だった。
まず「Amstel」のドラフト・ビアをオーダー。
500mlで3ユーロ(約450円)
生ビールと思えば、そう抵抗感はない。

  • 「Lサイズ」

 問題は喰いモンだった。
サラダとピザを1つずつ頼もうとした。
ピザは「Lサイズ」が20ユーロ(約3,000円)。
「Mサイズ」が10ユーロ(約1,500円)っと書いてある。
当然、「Mサイズ」でいい。
馬に喰わせる訳じゃあるまいし・・・。
 ところがスタッフいわく。
「この時間帯は『Lサイズ』しか出来ません」
一瞬、言ってる意味が理解出来ない。
聞き間違いかと思って、もう一度注文してみた。
「『Mサイズ』のピザをくれ」
間違いじゃなかった。
今の時間帯は「Lサイズ」の3,000円のピザしか焼けない、っと言ってる。
 そんなバナナ・・・?
ヘンなぼったくりの店に引っ掛かっちゃったかなあ・・・。
急に不愉快になってきた。
なんで、昼メシ時にパーティサイズしか出来ないんだ?
ま、議論しても始まらん・・・。

  • メニュー

 結局【ハム・チーズトースト】をオーダー。
何と、2ユーロ(約300円)である。
それと【グリーク・サラダ】、4ユーロ(約600円)。
そんなに沢山、喰える訳じゃないし・・・。
 【生ビール】登場。
でけえっ!
どう見ても、日本の大ジョッキである。
ま、いいじゃん。
「かんぱ〜いっ!」
「んめえ〜っ!」
「かあ〜っ!ちっくしょ〜っ!」である。
 【グリーク・サラダ】登場。
これがホンモノの郷土料理【ホリアティキ・サラダ】だ。
ま、キュウリ・トマト・ピーマン・タマネギのぶつ切りサラダである。
その上に、石鹸っくらいの大きなフェタチーズ。
オリーブオイルもたっぷりかかってる。
このオイルが上質で、まったくベタつかなかった。
今まで喰った中で一番美味かったなあ・・・。
 【ハム・チーズトースト】
意外や、意外・・・。
これが美味かった。
ハムもチーズもトーストも全部美味かった。
何の芸も無いんだけど・・・。
トータルでも☆2つはかたかった。