「エーゲ海1日クルーズ」のこと

  • 「ミニクルーズ」

 「エーゲ海クルーズ」
この憧れの甘美な響き・・・。
ずう〜〜っと昔から「エーゲ海」は夢だった。
いつかはじっくりと大型クルーズ船に乗り込んで島巡り・・・。
時季は6月〜7月初めだんべなあ・・・。
楽しみは後に取っておくっきゃない・・・。
 実は、嫁さんは船が苦手である。
北海道からフェリーで帰省した時も具合が悪かった。
一応、「さんふらわあ」の1等個室だったんだけど・・・。
ゆ〜ったり揺れるのがたまらんらしい。
仕方なく、甲板でジョギングしてた。
でも、「エーゲ海」には魅力を感じてるらしい。
 今回はテストである。
多分、ミニクルーズだからチンケな船だんべ。
もし、揺れるようなら一緒に甲板を走ってやるから・・・。
それで感触をつかんでおけばいい。
次に機会があれば不安なく出掛けられるべ・・・。
ってな作戦だった。

  • 13名

 この「オプション」には15名中、13名参加。
不参加の2名はギリシャ哲学研究家たちである。
彼女達は3回目のギリシャでクルーズも経験済み・・・。
今回はどうしても調べたいテーマがある。
そりゃ、当然だべな・・・。
 ところが、ややこしい問題があった。
オプションは、15名以上で無いと添乗員が同行出来ないらしい。
多分、現地旅行会社との取り決めなんだべ。
「リツ子さん」が行けないのである。
ホテルで見送られて出発。

  • 預かりモノ

 段取りもなかなか大変である。
何かあったら、「JТB」の添乗員に頼んであるとか・・・。
船の中に「ヨーコさん」というヒトがいるので、何でも聞いて欲しいとか・・・。
1人連れの「篠H女史」がチップや酔い止め薬を預かった。
気苦労が絶えない商売やねえ・・・。
 バスは30分ほどで港についた。
早速、バスの運ちゃんと「篠H女史」がモメてる。
「たった30分の運転で、10ユーロは無いわよねえ・・・」
彼女はバスで往復した帰りに渡す積りだったらしい。
ところが運ちゃんは今、チップをくれと言ってる。
帰りは別な運ちゃんだと言う。
 「しょーがないっすよ」
「あげちゃうっきゃ無いっしょ」
運ちゃんは喜んで帰って行った。
やれやれ・・・。

  • 乗船

 予想通り、船は大きからず、大きからず・・・。
小っちぇえ〜!
「GIORGIS号」とか書いてあった。
ビルみたいな船が並んでるので、ヤに小っちゃく感じちゃう。
多分、実際に小っちゃい。
次に来る時は、絶対にあっちの船に乗ってやる・・・。
 人種はさまざまである。
白人が多いけど、キムチ風味も沢山いた。
キムチ風味のオバサン軍団である。
声がでかい。
そして何故か、オソロの髪型だった。
 やっぱり日本人も多い。
夕べ、見かけた「JТB」と「HⅠS」が全員いるらしい。
最近の日本人旅行客は大人しくなった。
かつての「ノーキョー・ツアー」のオヤジは見掛けなくなった。
たまたま今回は、同じグループに希少種がいるけど・・・。
 クルーズ会社もいろんな人種に慣れてる。
それぞれの人種が、どうすりゃ喜ぶかわかってるみたいだ。
見事に仕組みが出来てる。
何となく、出来過ぎてる気もするけど・・・。

  • 記念写真

 タラップを上がる前にプラスチックの札を渡された。
島巡りして、再乗船の時見せろと言ってる。
札は色分けされてる。
食事やショーの時に客を2班に分ける為の色だった。
先に食事をした班のヒトは、ショーが後の組になる。
結構、きめ細かい仕組みになってる。
 タラップを上がると民族衣装のお兄ちゃんが待ってた。
そして写真屋がいて、次々と写真を写してる。
写真を撮り終わるまで、後ろのヒトは待ってる訳だ。
うっとうしいこっちゃ・・・。
”どうせ買わないから・・・”
嫁さんと2人で横からすり抜けて乗船。
反逆児である。
この船、かなり成熟した観光ビジネスと見た・・・。

  • 「ヨーコさん」

 日本人は全員、2階ラウンジに案内された。
話に聞いていた「ヨーコさん」という女性が登場。
久々にすんごいモノを見ちゃった・・・。
まず、見てくれがすごい。
ごつい身体に、歌舞伎みたいな塗装・・・。
とって喰われそうである・・・。
 声もでかい。
しかもドスの利いたダミ声である。
九州出身だとか言ってたけど、明らかに日本人離れしてる。
昨今、日本でこんなヒトを探しても絶対にいない。
思わず感心して、見とれてしまった。
クルーズの案内をしてたんだけど、よく聞いてなかった・・・。

  • 「オプショナル・ツアー」

 巡る島は「ボロス島」「イドラ島」「エギナ島」の3つ。
先の2島は舐める程度しか上陸出来ない。
でも、「エギナ島」は2時間の自由があるそうだ。
ここで、クルーズ会社は「オプショナル・ツアー」を用意してる。
「オプション」の中の「オプション」である。
 所要1時間30分のミニ・バスツアーである。
行き先は「アフェア神殿」と「アギオス・ネクタリオス修道院」
ま、時間から考えても舐める程度だべ・・・。
ツアーは午前中で受け付けを締め切るという。
 実はギリシャ哲学研究家から情報を仕入れてあった。
「エギナ島に行ったら『オプション』に参加した方がいいですよ」
「そんなにいいですか?」
「なかなかいいです。値段も千円っくらいですから・・・」
「それじゃ、是非行って来ます」
 何の、何の・・・。
「オプション」は、24ユーロ(約3,600円)。
又は日本円で、3,750円だという。
う〜〜ん、悩ましい値段やなあ・・・。
結局、申し込んだ。
いつも通り、”迷ったらやれっ!”っである。

 若い衆ペアの「A重さん」は「オプション」パス。
水着とシュノーケルを持ってきたので潜ってみるという。
なかなかのチャレンジャーだ。
でも、5月の水温はどうだべ?
 片割れの「リカちゃん」は「オプション」組に・・・。
「陽に焼けるし・・・、寒そうだし・・・」
とっとと別行動である。
なかなか、この感性が面白い・・・。
ヘンにベタつかず、個が出来上がってるって気がする。
ま、結果的には寒くて泳げなかったらしいけど・・・。