「メテオラ」観光のこと

  • 朝メシ

 ホテルのレストランで朝メシ。
いつも通りのブッフェ形式である。
入口にスタッフらしき女性がいて、にこやかに挨拶してくれた。
「グッモーニン!」
すかさず言っちゃう。
「カリメ〜ラ〜!」
女性は更ににっこり・・・。
いい朝だ!
 テーブルの上にミネラルウォーターのボトルが置いてあった。
500mlボトルが1人に1本ずつ・・・。
ホテルのグレードが高いとサービスもいいなあ・・・。
なあ〜んて思ってたらぜんぜん違った。
昨晩、メニューを間違ったお詫びだと言う。
 さっきの女性はオーナーの奥さんだった。
朝一番で、うるうるしながら謝りに来たそうだ。
そんな・・・。
作り直しまでさせて、喰いっ散らかして・・・。
かえって申し訳なかろうに・・・。
 バスが出発する時にも、2人揃って見送ってくれた。
ギリシャ人っていいヒトじゃん!
単純である・・・。

  • 「メテオラ」

 っていうのは総称だという。
ここいら辺一帯にある修道院をひっくるめた言い方らしい。
もちろん世界遺産である。
それも、文化遺産と自然遺産を兼ねているそうだ。
 元々は24の修道院があったらしい。
でも、時代の流れとともにヒトビトの質も変わった。
修行をするヒトはどんどん減ってる。
今では見学出来る修道院が6つ。

  1. メガロ・メテオロン修道院・・・「メテオラ」で最大、メテオロンは「中空の」っという意味
  2. アギオス・ニコラオス修道院・・・小さな岩山に16世紀再建、宗教画家「テオファネス」が修道生活
  3. ヴァルラーム修道院・・・隠遁者「ヴァルラーム」を偲び、16世紀に「テオファネス」と「ネクタリオス」が建設
  4. アギア・トリアダ修道院・・・15世紀に修道士「ドメティウス」が建造、565mの岩山の上に建ち”絵になる”
  5. ルサヌー修道院・・・16世紀の建造、「メテオラ」で最も美しいと言われる尼僧院
  6. アギオス・ステファノス修道院・・・隠遁者「ジェレミア」を偲び、14世紀に建造された尼僧院

 尼僧院は2つある。
「アギオス・ステファノス修道院」と「ルサヌー修道院」
どこの修道院も修道士の数がどんどん減ってるそうだ。
風前の灯のところもあるらしい。
 観光地化された事を嫌う向きもあるらしい。
そういう修道士は「アトス山」に引っ越してるとか・・・。
ここも有名な修行の場である。
それこそ、命がけ。
 今回は、尼僧院と男子修道院を1つずつ訪れた。
「アギオス・ステファノス修道院」と「メガロ・メテオロン修道院」
王道である。
男女平等ってこって・・・。

  • 「アギア・トリアダ修道院」

 山の途中でバスは一時ストップ。
写真ストップである。
一番の、ビューポイントだそうだ。
有名な景色がそこにあった。
「アギア・トリアダ道院」である。
 「うわあ〜〜っ!」
一同、感嘆の声。
すんごい眺めである。
思わずトリアダが立っちゃう・・・。(^^)
そそり立つ岩山に修道院が張りついてる。
確かにここが一番良く写真になってる気がする。
 どう見ても道路はない。
元々は難行苦行の為によじ登っていたところだ。
今は、荷物もヒトもロープウェイで運ぶらしい。
ニンゲンってすごい!

  • 「アギオス・ステファノス修道院」

 ホテルのラナイから見えてた修道院だ。
「カランバカ」の街中からも良く見える。
「メテオラ」の看板だべさ。
近づくと、まさに”威容”である。
 カタチだけとは言え、女性はスカートでなきゃ入れない。
ってんで、嫁さんもパレオを持って来た。
バリ島産である。
腰に巻くとジプシーのオバサンってな風情である。
何とも言えない、怪しげな雰囲気で・・・。
 建物の中はそんなにびっくりするようなモンじゃなかった。
そりゃ、「モンサン・ミッシェル」とは比較になんない。
現役の修道院なので、お香やイコンなどを売る売店もある。
ここからの眺めは最高。
「カランバカ」の街が一望である。
あ〜、気持ちいい。

  • 有名人

 売店で盛り上がってるヒトがいた。
ふと、のぞくと例のギリシャ哲学研究家のお2人だった。
さかんにギリシャ語で何か話している。
相手はちょっと若気な美人尼僧だった。
握手なんかしてる。
 お2人はコーフン気味。
「どうしたんですか?」
「あの方は、有名人なんですよ!」
「へ?」
「こないだもMHKのテレビに出てたんです」
「へえ〜」
「それで、『テレビ見ました!』って言ったら、喜んでくれました・・・」
 んな〜るへ。
そういう事だったんだ・・・。
何より意思の疎通が出来るってのがすごい!

  • ローカル・ガイド

 ここの現地ガイドも日本語を話す。
それが又、断片的な単語ばっかし。
「ディスイズ、ショクド!」
「コチラエ、ドーゾ!」
 英語の解説があんまり無い。
「イリグチ!」「ヒカエノマ!」「キリスト!」
日本語とは言え、単語の羅列ばっかで聞いてても面白くない。
「リツ子さん」もやり難そうである。
通訳すべき英語があんまり無い。
 「サミイタイ!」
「?????」
一同、何のこったかわかんない。
「リツ子さん」も悩んでる。
”何だべ?」
「チチ!」「ムスコ!」「セレイ!」「サミイタイ!」
あ〜、三位一体ね・・・。
疲れるぜ・・・。

  • 「メガロ・メテオロン修道院」

 文字通り、一番メジャーな修道院らしい。
観光客が押し寄せてる。
路駐のバスを降りて、一旦谷に下りてから岩山を登る。
115段の石段を駆け登って到着。
結構、ホネである。
 昔ながらの滑車と吊り上げ用のカゴが置いてあった。
荷物とヒトの兼用だったそうな。
かつてはロープが切れて死んだヒトも多かったとか・・・。
 「カイコツゥ!」
また始まった・・・。
単語羅列ガイドが小部屋を指差して叫ぶ。
「カイコツゥ!」「カイコツゥ!」
のぞいてみた。
「げっ!」
そこには、ところ狭しと頭蓋骨が並んでいた。
説明が無いのでわかんないけど、カタコンベかな・・・?
やれやれ・・・。
ガイドはちょっと不作だったなあ・・・。

  • ビュー・ポイント

 更に絶好のビュー・ポイントへ。
各修道院が見渡せる岩山に案内された。
ホントの岩山である。
手すりも何もない。
 すぐに一番高いところに登りたくなる。
岩のてっぺんに登ってみると、断崖絶壁・・・。
若い衆ペアの「A重さん」も登って来た。
つられて嫁さんまで登ってくる。
なかなかの景色である。
「A重さん」がつぶやく・・・。
「落ちたら、死ぬまでに痛そうですね・・・」
そりゃ、痛えべなあ・・・。
 ある意味では「メテオラ」が今回のツアーの目玉だった。
テレビで見て、ここは一度は足を運ばなきゃって思ってた。
やっぱ、来て良かった。
比類なき世界遺産だと思った。
 反面、ゴミの多さには失望した。
修道院の周辺から、山の麓まで切れ目無くゴミが眼に入る。
ペットボトル、菓子袋、パンフレット・・・。
どう考えても日本人だけじゃないべ。
中華風やキムチ風味も怪しい・・・。
 最近の日本人はちょとは進歩した。
今回のメンツでも「篠H♂」以外はそんな事しない。
このオヤジは遺跡にタバコをポイ捨てする希少種だった。
世界的にニンゲンの質が落ちてるってことか・・・?