フライト中のこと

  • 後手

 21:00、「HY−528便」は舞い上がった。
22:20、「関空」着・・・。
タシュケント」からの帰りのヒトがかなり降りた。
なるほど、これなら空いてるかも・・・。
23:30、今度こそ「タシュケント」に向けて出発。
飛行時間は8時間30分とか・・・。
 「関空」からもかなり大勢のヒトが乗った。
周りはぜんぜん空いてないじゃん。
何だよって感じ・・・。
ゆったりと横になって寝られるかと思ったのに・・・。
っとか思ってたら、急に何人かのヒトが立ち上がった。
みんな後ろの方に急ぐ。
 ”しまった!後手にまわった!”
慌てて後ろの方の席を見に行った。
手遅れだった。
既に空いてる席は長々と寝てるヒトで占められてた。
何て原始的なんだ!
単純に前から席を埋めてたんだ・・・。
諦めて、ガンガン飲んで寝るっきゃないか・・・。

  • 映画

 映画も海外旅行の楽しみの1つ。
何ともちゃっちいコードのイヤホンが配られた。
ん?
片っぽしか音が出ない。
嫁さんのも同じらしい・・・。
 映画の案内もガイドブックも見当たらない。
何の映画だかわかんない。
ま、とりあえず観始めた。
音声は英語である。
字幕スーパーが出てる。
どうやらウズベキスタンの言葉らしい・・・。
 気力が失せた。
ま、いっか。
飲むことに専念するべ。
ガンガン飲んで、ナガタビに備えて寝るべ・・・。

  • ドリンクサービス

 ほどなく、ドリンクサービスが始まった。
客室乗務員はみんなロシア人みたいな顔である。
ウズベキスタン」で美人はロシア系になっちゃうんだべか?
テニスの「チャランポア」を思い出す。
笑顔が似合わない。
ってゆ〜かあ、ぜんぜん笑顔が無いし・・・。
 「ドリ〜ンク?」
機械がしゃべってるみたいである。
「ビア、プリーズ!」
ロシア系は無言で「一番絞り」を出して来た。
「ノー、アサヒ、プリーズ!」
ワゴンの「スーパードライ」を指差して頼んだ。
 「ホワッ?」
怖っ!
顔が凍ってる。
日本のビールのブランドなんか知らないらしい。
仕方が無い。
勝手に手を突っ込んで取る。
えりゃあ、不機嫌そうである。
やれやれ・・・。

  • お代わり

 おつまみに「ピーナッツもどき」が付いてきた。
名づけて「ハイパーテンション・ナッツ」
マメが妙に痩せてる。
更に信じられないしょっぱさだった。
 自前の「柿ピー」や「鮭とば」を引っ張り出した。
「ハイパーテンション・ナッツ」は会社の若い衆に喰わせよう。
「ちっくしょ〜っ!」
やっぱ、「スーパードライ」と和製つまみに限る。
 ガンガン飲むのである。
早速、お代わりを頼んだ。
「トゥーモア、ビア、プリーズ!」
ロシア系の表情がピクリとも動かない。
ホントに凍ってるんじゃなかんべか?
でも、空き缶を手渡したんだからわかってくれたべ・・・。
 っと思ったら大間違い。
思いっきり、シカトだった。
それならそうで実力行使である。
スタッフんとこまで歩いて行って、もらって来るまでだ。
そこには兄ちゃんがいた。
兄ちゃんは結構、愛想よくビールをくれた。
以後、兄ちゃんをつかまえる事にする。

 最初の機内食は夜中の1:00っくらい。
これが意外にイケた。
って、良く考えたら日本で積み込んだ食事だもん。
当ったり前か・・・。
 「ビーフ、オア、フィ〜ッシュ?」
もちろん「フィッシュ、プリ〜ズ!」
フィッシュは「うな丼」だった。
うなぎの蒲焼はなかなか本格的でさっぱり仕立てだった。
錦糸卵の上に鎮座している。
ちゃんとした「うな丼」だった。
 あと、「酢の物」「野菜サラダ」「ロールパン」
これもシンプルでちゃんと喰えた。
今回の機内食ではベストだったなあ・・・。
 ビールも3〜4回お代わりしたので、次はワインにチャレンジ。
「赤ワイン」をオーダーしてみた。
これはさすがにダメだった。
昔懐かしい「赤玉ポートワイン」のすえたような・・・。
ぜんぜん不味い!
やっぱビールだけでいいや・・・。

  • 若い衆

 後ろの席に若いペアが座っていた。
後からいろいろわかったけど、最初は情報がない。
”ったく・・・”と思ってた。
いま風のしゃべり方が結構、耳障りだった。
「あれって、ちょーハンパでさあ、うざいんだよねえ」
「まじっ?おれ的には、ぶっちゃけイケてるみたいな・・・」
「まじ〜っ?あり得な〜い」
「あははははは・・・」
 声もでかい。
シート越しにガンガン響いて来る。
わざと聞こえるようにしゃべってるのかと思うっくらい・・・。
話の内容から夫婦じゃない事はわかった。
会社の同僚で旅行に来たって雰囲気だべさ。
 会社の話も良く出て来た。
どうやら、食品関係か何かみたい・・・。
「Aの素」か「K和発酵」と見た。
 嫁さんと大悪口大会の開始である。
「よく会社の事を、あんな大きな声で話すわよねえ・・・」
「ま、中身のない話をえんえんとよくしゃべるねえ・・・」
「軽いわよね。アタマん中も軽いんじゃないかと思っちゃう」
「ウチの会社の若い衆のしゃべり方と良く似てるわ」
「ジュニア世代かしら?」
「多分そうだんべな。30歳ちょっとっくらいじゃないべか?」
 以前は第一印象ってのは外れたためしがなかった。
最近は怪しい・・・。
どうも旅行に行った時の第一印象は良く外れる・・・。