ワルシャワ市内観光の雑感
- 「ワルシャワ蜂起記念碑」
相変らず空は抜けるような曇天である。
今にも降り出しそうなヤな感じ。
楽しみにしていたワルシャワ旧市街に光が届かない・・・。
ぶつぶつぶつぶつ・・・。
ここは1944年にドイツ軍に対して市民が一斉蜂起した記念碑。
でも、蜂起は失敗した。あてにしていたソ連の援軍が来なかった。
ヒトを見る目が無かった・・・。
市民20万人が死んだそうだ。
実はすんごく重たい記念碑のはず。
こんなところでキャッキャ言いながら写真撮る気にゃなれない。
でも、今回のツアーの国々は全部同じ境遇である。
第二次世界大戦でドイツに痛めつけられた。
やっと解放されたと思ったら今度はソ連にやられた。
みんな暗い過去を背負っているし、独立してからたった15年。
やっぱ至るところでソ連の臭いを感じる。
不遇な歴史の一端なんだべなあ・・・。
- 「キュリー夫人博物館」
有名なキュリー夫人の生家で、今は博物館。
当時の雰囲気を壊さずに周囲とも巧くマッチしている。
こういう保存の仕方がさすがだと思う。
館内には夫人の子どもの頃の写真、遺物などが展示されている。
当時の実験道具や衣類などもある。
やはり維持するのは大変らしくて小さな売店で土産を売ってる。
キューリの漬物なんかはない。
ラジウム饅頭もない。
切手やメダルなど、これも雰囲気を壊さないモンばっかし。
マーガレットさんが詳しく解説してくれる。
夫人は2回ノーベル賞を受賞したそうだ。
そして血縁関係者も皆、立派な功績を残している。
娘さんもノーベル賞を受賞したとか・・・。
やっぱDNAか・・・。
- 「旧市街」
楽しみにしていた「旧市街」はやっぱ色があせていた。
第二次世界大戦でその95%が破壊された町並みを復元したという。
資料を元に忠実に再現して素晴らしい街並みを作った。
でも、光が無い。
晴れていたらさぞキレイだったろうなあ・・・。
うらめしや〜。
「旧市場広場」でちょっとフリータイム。
本来なら広場のカフェでビールでも飲んで・・・。
ぐぁ、とっても寒くてそれどころじゃない。
すぐに土産物屋に飛び込んで寒さをしのいでいた。
一部、元気なおじさんがビールをあおっていたけど、すぐに避難して来た。
そうだべなあ・・・。
8月だっちゅうにホントに寒い。
何だっつうねん。
集合はマーガレットさんに紹介された琥珀の店の前。
集合時間になっても何人か足りない。
見るとさっきのおばさん連が店員に喰い下がっている。
マーガレットさんを間に立てて値切ってるらしい。
交渉は難航しているようだ。
「ポランドでは値切る習慣がありませんのでとっても難しいです」
マーガレットさんもお手上げらしい。
お〜い。
寒い中を待ってるヒトの身にもなれ〜。
「ったく・・・」
キョーコさんがぶちぶち言いながら迎えに行く。
ほどなく雨が降り出した
あ〜あ、遂に雨だぜ。
- 「聖十字架教会」
本日、最後の観光はやはり有名なこの教会。
何が有名なのか?
「ショパンの心臓」が眠っている。
ショパンは1810年にポーランドで生まれ、1849年にパリで死んだ。
1830年にポーランドを出た後は一回もポーランドに戻れなかった。
何とか心臓だけでも故郷に返して欲しいという遺言だったらしい。
近所にショパンの姉ちゃんが住んでて頑張ったらしい。
ヨーロッパを旅していつも思うことがある。
観光スポットに教会が多い。
でも、団体客がズカズカ入って行くのがどうも憚れる。
撮影OKとか言われてもフラッシュを焚くのは気が引ける。
ガイドが大きな声で説明すると傍に居たくない。
今回の添乗員のキョーコさんはまた、格別に声がでかい。
ツアー客は教会の外で説明を聞いた方がいいと思う。
その後で個別に静かに見学すればいい。
写真はフラッシュなしでも十分撮れる。
旅行社もそろそろ考える時期なんじゃないべか・・・。
- 「ワルシャワ大学」
「聖十字架教会」の帰りがけだった。
大学の門の前で写真撮るだけ。
簡単に中には入れない。
でも、なかなか雰囲気のある建物だった。
ツアーメンバーのおっさんの1人が訊いた。
「ここはマーガレットさんの母校なの?」
マーガレットさん、良くぞ訊いてくれましたと言わんばかり。
「そです。ここには日本語学科がありますね」
「へえ〜〜〜っ」
一同感心。
- 同席者Ⅱ
また、緊張の時間がやって参りました。
晩メシである。
レストランに入ると大きなテーブルに8人ずつ座るようになってる。
会社の食堂じゃあるまいに・・・とも思える。
とりあえず端から詰めてくっきゃない。
今回のメンツは大人数である。
多分、最長老と思しき秋田から参加したという「S木夫妻」
そして茨城から来たという「A田夫妻」
後は1人ズレの男性「H場さん」と女性「O田さん」
老夫婦以外はいずれも団塊の世代に属するらしい。
「S木老夫妻」は2人とも寡黙だった。
時々小さな声で2人だけの会話をしている。
周りのヒトはアウト・オブ・眼中という風に見える。
「A田夫妻」と「H場さん」「O田さん」の会話がはずんでいる。
はずみ過ぎて、どっか遠い彼方に飛んでっちゃってる。
皆さん、達者である。
カネも地位も有り余ってそうな話のオンパレード。
皆さん、高いところから世間を見てるらしい。
沼津弁で言えば「話ができゃあ」のである。
スポーツや学校絡みの話が多いようだ。
やれスペインでサッカーの追っ駆けをやってたとか・・・。
酒もガンガンやってる。
「H場さん」はろくに喰わずにウォッカをあおってる。
早々にこの苦手な会話に参加する努力をする気力を失ってしまった。
いつも賑やかな嫁さんまでが何だか大人しい。
嫁さんが大人しきゃ、もうお手上げである。
嫁さんと2人で食事をしていると思い込むことにした。
何だかなあ・・・。
- 晩メシ
いつもならまずビール。
ぐぁ、今回は何も頼まなかった。
1日寒かったし、何となく腹が落ち着かないこともあった。
何より、どうもノリが良くなかった。
ノードリンクの晩メシなんて滅多にありゃしないわよ。
食事は悪くなかった。
ちょっと警戒していろいろ喰いモノをスーツケースに詰めてきた。
何だか大丈夫そうだなあ・・・。
- 【パスタスープ】 スープスパゲティと言っても通じる。ホシ1つかな・・・。
- 【ローストポーク・ジャムソース】 出た!ジャムを除けて醤油で喰った。味は悪くない。ホシ2つ。
- 【ロールケーキ】 ふつーなんだけどまずまず。ホシ2つ。
何だ、結構いけるじゃんって感じ。
でも、嫁さんの忠告通りどの料理も半分は残した。
ちょっと後ろめたいけど・・・御身大切、御身大切・・・。
- スーパーマーケット
ホテルは街のど真ん中。
道路を挟んでデパートが並んでいる。
こっちではデパートの地下はスーパーと決まってるらしい。
しかも23:00まで開いてるとか・・・。
一度覗きに行ってみることにする。
なかなかの規模である。
モノにもよるけど物価も安い。
缶ビールとミネラルウォーターを仕入れた。
缶ビールは500mlで大体2zl=約80円。
ミネラルウォーターも1.5Lで大体同じくらい。
昼メシのレストランのビールの値段は何だったんだべ?
今夜もホテルの部屋で慰労会。
何だかとっても疲れる。
買って来たビールと日本産のつまみで乾杯。
仕上げは昨日温存しておいた「穴子寿司」
美味かったあ〜〜!
明日は鉄道でクラクフに向かう。