遥か遠い道のりの雑感

 初めてフィンランド航空っというのに乗った。
日本からヨーロッパへの最短ルートを飛ぶんだそうだ。
飛行時間も短くて結構人気があるんだとか・・・。
確かに行きも帰りも満席だった。
 地味な飛行機だった。
座席での液晶画面の映画もない。
前方スクリーンで映画は1本だけ。
ヒノキオ」とかいう邦画だった。
この夏封切りの新作映画をいっぱい観ようと期待してたのに・・・。
ふにゃふにゃふにゃふにゃ〜〜である。
でも、モノは考え様。
そのお陰で久々に集中して本が読めた。
 飲み喰いも地味だった。
ビールはアサヒスーパードライフィンランドビールがあった。
ワインは見るべきものが無かった。
考えてみりゃフィンランドじゃワインは作らないべや。
ウィスキーなどは有料だとか・・・。
なかなか堅実である。
機内食も堅実だった。
ま、覚えてないくらい何の変哲も無いメシだった。

  • トランジット

 そもそも今回のフライトは腑に落ちない。
何でこんなルートなのかどうも理解出来なかった。
10:55成田発のAY-074便で15:20ヘルシンキ着。
日本との時差は6時間。
ってことは飛行時間が10時間半。
ま、ここまではいいとして、その後が問題。
シェンゲン条約締結国とかでフィンランド入国手続き。
折りしもヘルシンキ世界陸上開催中。
イミグレーションで並ばされてえりゃあ待たされた。
そう言えば生まれ故郷に「シェンゲン神社」ってのがあったなあ・・・。
 17:05ヘルシンキ発のAY-767便で18:35ウィーン着。
日本との時差は更に1時間増えて7時間に。
この飛行時間は2時間半。
そして今度はオーストリアから出国手続き。
このトランジットの為だけに空港利用税が3,000円かかる。
 19:30ウィーン発のLO-226便で20:45ワルシャワ着。
この間はポーランド航空である。
何だ、飛行機会社を変えるんならもっと他のルートもあるべや。
ヘルシンキで4〜5時間待ったって同じじゃんか!
っと素朴な疑問が湧いてくる。

  • 度量

 キョーコさんは警戒し続けてる。
よっぽどこの旅ズレしたメンバーが心配なんだべ。
ず〜っとハイテンションだ。
ってゆ〜かあ〜、ちょっとピリピリし過ぎかも・・・。
何となく度量の狭さを感じてしまう。
 ウィーンの空港では走り出した。
確かにちょっとだけ到着が遅れた。
「乗り遅れそうです!走って下さい!」
そんな訳ゃないべ、と思いながらも一応従うフリ・・・。
後ろの方の杖の老人が気になる。
キョーコさんはアウト・オブ・眼中のようである・・・。
テキトウに急ぎながら後ろがはぐれないように見ていた。
先頭集団が受付けを始めりゃ大丈夫だべや・・・。
でも、誰も何も言わない。
何だかなあ・・・。
 ワルシャワに着いたらロストバッゲージが3個も出た。
そりゃ、これだけムダな乗り継ぎすりゃあ・・・って言いたくもなる。
何となくツアー全体に沈滞した空気が漂ってきた。
キョーコさんはパニくってた。
空港係員とギャ〜ギャ〜やってる。
 我々は現地スルーガイドとバスの中で延々と待つ。
スルーガイドはポーランド人のマーガレットさん。
在日経験もある日本語ペラペラの女性だった。
後から思えばオアシスとの出会いだった。
 キョーコさんは手続きを終えて戻って来てもハイテンション。
「ホンットに大変でした!」
興奮醒めやらぬ様子。
まずは「皆さん、大変お待たせしました」だべや・・・。
ホテルまでの車中もマーガレットさんを捕まえてギャ〜ギャ〜やってる。
やれやれ・・・。

  • 両替

 空港でキョーコさんから両替について執拗なくらいに説明があった。
何せこれから4ヶ国を移動して全て通貨が違う。
一番無駄にならず、不足しない方法を力説してくれる。
有り難いことなんだけど・・・。
力説し過ぎて訳がわかんない。
良かれと思って言ってくれるのはわかるんだけど・・・。
ちょっとなあ・・・。
 まずはポーランドズウォティ」について説明があった。
今日、ワルシャワの空港で両替しなきゃいけないという。
ホテルでは「ズウォティ」の両替が出来ないそうだ。
ポーランドでは5泊するので1人200ユーロっくらいが適当だと言う。
 え〜〜〜っ?
200ユーロって30,000円弱だぜ・・・。
いつも我々は現金なんて50,000円くらいしか持ってこない。
最初っから破産だべや。
結局、聞いたフリしながら150ユーロだけ両替。
それでも22,000円っくらいになる。
果たしてこれでも余った。

  • 疲労困憊

 今朝は5:00起きだった。
当然、夕べはいつも通り2:00っくらいまでビール飲んでた。
いつも通りの寝不足である。
ワルシャワに着いた時点で既に24時間以上経ってる。
 加えて空港で走るわ、ロストバッゲージで待たされるわ・・・。
でも、誰1人文句なんて言わない。
みんな悠然としたモンである。
キョーコさんのピリピリだけが宙を舞ってる雰囲気である。
明らかに噛み合って無い。
やれやれ・・・。
先が思いやられるなあ・・・。
何だか慰安旅行に来たのに血圧が上がりそうだ。
 ホテル「ノボテル・セントラム」に落ち着いたのは0:00近かった。
街のど真ん中で、近所にライトアップされた「文化科学宮殿」が見える。
ソ連時代にスターリンから贈られたシロモノらしい。
従って市民にめっちゃ嫌われている。
ソ連が建てたワルシャワの墓石」と呼ばれてるとか・・・。
でも、如何にもワルシャワらしい景色だ。
すぐ傍なんだけど今夜は見に行く気にならないなあ・・・。
さすがに疲れた。
 いつも通り、ホテルの部屋で慰労会。
持参のアサヒスーパードライで嫁さんと乾杯。
仕上げははるばる海を越えてきたおにぎりと助六寿司だ。
ホントに疲れたあ〜〜〜。
明日は「ワルシャワ近郊と市内」の観光だ。