珍しくも無い本の雑感14

  • 大御所

やっぱりこの方は凄い。
またまた大御所「村上春樹」だ。
今回は「1973年のピンボール
あっという間にはまり込んでしまった。
何とも言えない設定、思いがけない展開。
小憎らしいくらいの木目濃やかさ。
良く考えるともう四半世紀も前に書かれた作品なんだ。
著者が30歳の頃に既にこんな作品を書いてたんだ。
流石に随所に頑張り過ぎの臭いはするけど・・・。
でも凄い。
考えられない・・・。

  • 宇宙人

いつもながら配役も凝ってる。
スカした「僕」
宇宙人みたいな同居人の「双子」
「鼠」と「ジェイ」
共同経営者の「友人」と事務所勤務の「女のコ」
感心してしまったのは何と言っても「双子」
ある日突然現れて同居する。
ふたりは全く見分けが付かない。
荷物も何も無い。
「僕」はわずかばかりの衣類を用立てる。
ふたりは美味いコーヒーを立てて、食事の支度をしてくれる。
人間離れした会話をしながら静かな時間を過ごす。
3人で夕陽を見る。
近所のゴルフ場に侵入してロストボールを捜しながら散歩する。
3人で工事屋が忘れて帰った「配電盤」の葬式をする。
そしてまた突然「双子」は紙袋1つ抱えてどこかへ帰る・・・。
どうしたらこう言う発想が出て来るんだろう?

  • 1973年

何だか懐かしい時代背景だなあ。
ビートルズが出て来たり、飲み屋の雰囲気もレトロだし・・・。
1973年か・・・。
高校から大学に掛けてのビミョーな時代だったなあ・・・。
不安定で脆弱で過敏で・・・。
好奇心のカタマリで何でもやりたくって仕方が無い。
勉強は・・・?
ま、置いといて・・・。
渋谷や新宿の繁華街の方が興味あらあね。
確かにピンボールマシンに命を掛けてるヒトも居たような気がする。
あの頃は身体を酷使して遊ぶゲームしか無かったし・・・。
マージャン・パチンコ・スマートボール・スロットマシン・・・。
ボウリング・ビリヤード・・・。
ゲームセンターも「モグラタタキ」とか「パンチングボール」とか・・・。
指にタコが出来る様なモノや体力勝負みたいなモノが多かった。
飲みに行くにもボトル原価の安い店ばっかし。
貧乏学生はいかがわしい店なんか行けなかったし・・・。
自分は行かなかったけど踊りまくる「デスコ」も流行っていた。
妙に健康的な遊びの世界だった様な気がする。
アスリート系不良の遊びみたいな・・・。
ま、遊びまくってた事には変わり無いんだけど・・・。
アフター・フェスティバル・・・。