ビストロ「M」のことⅡ

当店では結構我がままが聞いてもらえる。
今夜もちょっとリクエスト。
このクソ暑いのに鍋料理だ。
それもそんじょそこらの鍋では無い。
具材がスペシャルなのである。
このクソ暑い中で、汗をだらだら流しながら喰う鍋もオツである。
鍋を中心にシェフにお願いした。

  • つまみ

鍋が煮えるまでの間のビールのつまみも重要だ。
今日は縁日風料理で攻めて来た。
「特製タコヤキ」と「地鶏の焼鳥」である。
タコヤキはタコの薄皮仕立て、と言えるほどのタコの大きさ。
特製ソースと青海苔のバランスも絶妙だ。
ビールが進んでしまう。
焼鳥は良く締まった地鶏を小振りに仕立ててある。
これが微妙に上品で見るからに美味そうだ。
焼鳥は塩・タレ半々。
備長炭で丁寧に焼き上げてくれる。

  • 「花咲ガニ鍋」

鍋のベースは花咲ガニである。
但し、そのままの花咲ガニでは無い。
そもそも今のシーズンで新鮮な花咲ガニを入手するのは大変だ。
北海道の根室で作られる花咲ガニの「てっぽう汁」を使う。
「てっぽう汁」にもいろいろあってカニの種類もまちまち。
その中でもこれっきゃ無い、と言う絶品を入手してくれている。
絶対に浮気が出来ない味である。
その他の鍋の具は時期に応じて変わる。
今日はオホーツクのホタテ貝と相模湾の獲れ立てイワシのツミレ。
あとは地元産の新鮮な野菜、この地方名産の「O山豆腐」
伊豆山中の超肉厚シイタケなどなど・・・。
素材に拘りがある為、具材1つ1つが味を主張している。
堪らなく美味い。

鍋を平らげた最後はうどんだ。
最後に卵でサラっととじた上品なうどん。
香り高いワケギを少々。
四国の馬路村から取り寄せたと言う「ゆず胡椒」がアクセント。
花咲ガニベースの贅沢なダシがうどんに絡む。
ごく薄味だが腰の強いうどんに負けない。
絶品である。
あ〜〜、幸せだ。