旅立ちまでの騒ぎ

  • 紆余曲折

「TBX社」の必殺技「催行されません」を喰らってからは大変だった。
もうキャンセル料が掛かる1ヶ月前を切っていた。
再度各社チラシをひっくり返して検討。
どうも値段は安くは無いが、「N通旅行」が良さそうと判断。
JAL指定で観光コースにオリジナリティが漂う。
以前、同社を利用した時の添乗員「H口氏」を思い出す。
一昨年のフランスもそうだったが、彼が企画に参加したと言う。
「旅行を楽しくするのは参加者の心掛け1つです」と言い切る。
一家言持っているヒトである。
たまにメールもやり取りしている。
申し込みすると第一希望8/11は満席。
8/4なら残り3席と言う。
結構チャレンジャー的日程だが思い切って申し込み。
会社の周囲の眼が頭を過ぎるが、ま、いっか。

  • 環境整備

旅行までの環境整備は大仕事。
仕事の段取りもさる事ながら、我が家には大問題がある。
「まお」くんである。
10〜12日間ペットホテルは些かしんどい。
元々お留守番は得意であるが、狭いケージは苦手である。
普段は家の中を目一杯使って飛び回っている。
寝場所も自分のベッドだけで無い。
人間のベッド、ソファー、電気あんま機、出窓、テーブルとフルに使える。
やりたい放題である。
いつも頼りにするのが「ばあや」である。
「まお」の「ばあや」と言うのは嫁さんのお母さん。
今は沼津で1人暮らし。
数年前まで我が家で同居していたので、勝手は分かっていてくれる。
「まお」も何かと口うるさい我々よりお気に入りである。
嫁さんは数ヶ月前からジャブを打ち始める。
「ホテルに預けても良いんだけどさあ・・・」みたいな。
果たして「まおが可哀想だから・・・」と言って来てくれる。
足を向けて寝られない有り難い「ばあや」である。

  • 始発

成田発ロンドン行きJAL-403便は10:20フライト。
集合時間7:50に合わせると始発でないと間に合わない。
と言うか、地方都市ならまず前泊になるところだが、この街は間に合う。
計算では始発で出掛けて、エアポート成田に乗換え。
東京駅で成田エクスプレスに乗換える手もある。
指定席券は2,000円弱である。
到着時間はエクスプレスが6分早い。
折角の海外旅行。
エクスプレスじゃ無いと気分が出ないと言う声もある。
教科書通り大船乗換えで利用すると10,000円。
東京乗換えでも8,000円弱。
その分、美味いもの喰った方がいいな。
小市民はケチである。

  • 宅配便

便利な時代だ。
スーツケースは宅配便で空港受取りが出来る。
スーツケース1個当り2,000円で往復だと3,500円くらい。
なかなか良い値段である。
どう考えても距離と重さを考えると割高ではある。
でも重い荷物を持って階段の上がり下がりは大変である。
手ぶらで行ける気楽さは魅力だ。
これが付加価値なんだろう。
最近はこの街のJR駅も進化している。
我々が住む駅の南口にも駅ビルが出来た。
1階のスーパーは24時間営業している。
朝食の握り飯もここで買える。
スーパーの横にはエレベーターもあり、駅の改札口に繋がる。
結構前に駅ホームにもエスカレーターが設置された。
計算するとホームに降りる1回だけ頑張れば後は全て転がせる。
小市民はケチである。
宅配便代でメシが1回喰えると思っちゃう。
と言う訳で、4:30、2個のスーツケースを転がして出発。

  • 計算外

世の中、思う様にはならない。
駅ビルのスーパーは確かに開いていた。
が、エレベーターはシャッターが閉まっていた。
又、朝早過ぎて握り飯・弁当はまだ到着していなかった。
げっ。
ここの駅の改札口は3階の高さだ。
しょうがない。担ぎ上げるしか無い。
嫁さんは別なコンビニに朝食の調達に向かう。
いつもの事で夕べ寝たのは1:00頃である。
起きて間も無い寝不足の身体に応えた。
2個のスーツケースをホームに降ろしたらもう汗みどろである。
嫁さんは嫁さんで2軒の店を走り回って来た。
やはり汗みどろである。
こんな時の電車の冷房はやたらに良く効く。
汗が冷えて寒くなって来る。
しくじった。