クルマ絡みの雑感

  • 何でもない日曜日の夕暮れ時の光景

いつもと同じ日曜日の夕方。
明日の事を考えながら、きっと人夫々の時間帯。
以前はこの時間帯から明日の事を考えると、ジワジワと気持ちが重くなって来た。
最近は歳のせいか、怖いものがどんどん減っている気がする。
日曜日の夕方?だからどうした?くらいのモンである。
いつもの様に嫁さんと用足しに出掛けたついでに夕飯のお買い物。
買い物は歩いても3分のご近所のスーパーだ。
駐車場は無い。
JRの駅から歩いて3分の場所である。
店の前の道路はずらっとクルマが並ぶ。いつもの光景である。
嫁さんが買い物する間、エンジンを止めてしばし読書。

  • エンコ

しばし読書に没頭。
嫁さんが買い物袋を提げて帰って来る。
いつもの様にエンジンをかけ、家に戻って夕食だ。
セルを回す。
キュルキュルキュルキュルキュル・・・。
あれっ!
かぶったかな?
一瞬思うが、この時代に昔のGT-Rじゃあるまいし・・・と思い直す。
アクセルを目一杯踏んで、再チャレンジ。
セルは元気良く回る。
エンジンは回り始めそうながら続かない。完全にエンコだ。
燃料ポンプか?
仕方が無い。SOS発信か。

  • SOS

嫁さんのケータイでディーラーに電話。
時計は18:00少し前。
日曜日でメカニックは休みだが、確か営業はやってるはず。
Y氏を呼んでもらう。
居た。
多分、もうすぐ閉店。そろそろ帰り仕度の時間だろう。
きっと至福の時間直前に、不幸の塊が降って来たと思うだろうな。
状況を話した。
何とか手立てを考えて見るのでちょっと時間が欲しいとの事。
ケータイの番号を伝えて待機。
嫁さんはここに居ても仕方が無いので、先に家に帰る事にする。
嫁さんのケータイと一緒に1人寂しく待つ。

  • セールスマンY氏

我々は転勤族。
この街には6年前に引っ越して来た。
Y氏は何かの用でディーラーを訪れた時に応対してくれて以来の繋がりである。
ウチのクルマは'89年製である。
何と15年目を迎えるビンテージもどきである。
当然、Y氏はセールスマンとして買い替えを勧める。
とは言え、難しい。
ただ、替えろ替えろとは言い難いはずである。
当時は、何年経っても値段が変わらないとか言って売ってたもんね。
でも彼は偉い。
強引な事は一言も言わず、時々電話をくれたり、試乗会の案内をくれたり。
忍の一字のセールスという感じである。
今日はメカニックも休みだし、彼自身が来るしか手は無いだろうな。
そんな彼に借りを作るのは心苦しいが仕方無い。
暫くしてケータイが鳴った。
案の定、「これから私が向かいます」

  • 愛車

ウチのクルマはBMW325iXと言うカワリモノ。
'89年製でこのモデルの最終生産に近い。
若気の至りで購入したが、重い事を除けばやはり良いクルマだ。
我々は6年前まで北海道札幌市に住んでいた。
札幌の冬は厳しい。
市民は雪に足を奪われ、冬場は行動範囲が極端に狭くなる。
札幌勤務時代に、同僚から金曜日に帰宅してから月曜日の朝まで外出しない事がある
と聞いてひっくり返った事がある。
札幌では4駆の寒冷地仕様車は必需品である。
若気の至りで、正に清水の舞台からダイビングして買った。
内地に転勤が決まった時、札幌のディーラーから置いていってくれと頼まれた。
とは言っても買い替えとなればそれなりにカネが掛かる。
愛着もあるし、値落ちしないのが売りじゃ無かったの?
そんな訳で珍しい4駆の325は内地を走る事になった。

  • レッカー移動

Y氏到着。
故障車をウィンチで荷台に上げられるトラック型のレッカーで来た。
丁重に礼を言い、運転席を空ける。
Y氏も何回かチャレンジしてセルを回すがダメ。
諦めてレッカー移動する事にする。
ところがスーパー前の道路は買い物のクルマがびっしり。
「レッカー車と並べる事が出来る場所まで押しましょう」とY氏。
おいおい、と思ったが逆らえません。
Y氏は小柄である。
小市民は昔、土建業や解体屋でバイトばっかりやっていた。
キレは無いが、クソ力はある。
Y氏がハンドルを操作し、小市民はエンジン代わり。
腰が軋んだが何とか向きを変え、信号の合間に交差点を突っ切って広い場所へ。
一般ピープルは好奇の目で見ているが、誰も手伝おうとはしない。
やっぱ、都会だわ。
札幌だったらすぐに人が群がって来るのに・・・。
ウィンチでクルマを荷台に上げ、丁重に礼を言って引き取ってもらった。
どうせ週一しか乗らないのでゆっくりで良いと伝えた。