アブシンベル神殿雑感

  • オプショナルツアー

エジプトツアーで絶対に譲れないと思っていたのがアブシンベル神殿。
テレビでも何度か見たが、アスワンハイダム建設でナセル湖に沈むはずだった。
人間の力で移設した話は有名だが、一度見てみたいと思っていた。
今回のツアーでもオプションとなっていた為、即申し込み。
エアの関係で取れるかどうか直近まで分からないと言う回答だった。
このオプションが取れなければ、行く意味が無いのでキャンセルすると言い切った。
熱い思いのアブシンベルなのだ。

  • 現物

やはり現物を見なくちゃ。
その迫力。周りの荒涼たる景色と相俟って感動的。
政治・経済・文化も含めて、人間はこれだけの事が出来るんだと思う。
神殿の中ではガイドが出来ないと言う事で、炎天下で説明を聞く。
中の石像や壁画など、ガイドのアブドさんの説明は濃やか。
春分秋分の日、日が昇った瞬間に神殿内のラムセス2世とアメン・ラー神の像に
光が射し込む様に作られたとか。
現在は移設により微妙に日付がズレてしまったと聞いた。
でも、すんごいなあ。

  • フリータイム

次の飛行機まで1時間弱のフリータイム。
嫁さんに覚えて来た薀蓄を聞かせてやろうと意気込んで出発。
大神殿の入口で写真を撮った後、急に暗雲が・・・。
迷った。限られた時間。
混雑しているので一旦中に入ったら、出るのは容易では無い。
決断した。
夢にまで見たアブシンベル神殿観光を諦めた。

  • エマージェンシー

嫁さんにカメラを預け、1人で観る様に言い残し一目散にトイレへ。
頭の中ではゲートから神殿に来る途中にあったトイレが浮かんでいる。
もうゲートまで戻るのは不可能だ。
かなりの劇症になって来た。
急ぎ足でもこう言う時のトイレは遠い。
体中から汗が噴出し、息が荒くなって来た。
何度か、岩山の端で・・・とも考えたが、もうすぐそこだ。
トイレの看板が見えた。
地下に向かった階段を駆け降りる。

  • 地獄を見た

階段を降りながらベルトを緩め、臨戦態勢に。
ところが・・・。
そこは地獄だった。
確かにトイレ、だったらしい形跡は残っていた。
が、足を踏み入れる事が出来ない。一面・・・。
猛烈な臭いと群がるハエ。
一瞬、目の前が真っ暗になった。もうだめだ・・・。

  • アブシンベル神殿の想い出

夢にまで見たアブシンベル。
当然だが、地獄の景色しか印象に残っていない。
この後ゲートまで戻り、まともなトイレに行って身なりを整えた。
予想通り、すったもんだで時間切れとなり、神殿内には全く入れず。
炎天下で焼けた石の上に座って、しばし茫然自失。
すっかり復活した嫁さんが、写真を沢山撮っておいたからと慰める。
アブシンベルはクソシンベルだあ〜。
まさにヤケクソだ。

  • 昼食はホテルレストラン

打ちひしがれてアスワンに帰還。
オプショナルツアーはホテルビュッフェの昼食が付いている。
15:00頃、遅い昼食に街中のホテルへ向かう。
とても食欲なんか無い。
我々だけパスさせてもらって一足先にホテルへ戻った。
あ〜〜あ。これが3万円のオプションかあ・・・。