ルクソール雑感

  • 警備体制

エジプト航空国内線で空路ルクソールへ。古都テーベに期待が膨らむ。
昔、テロ事件があった事で有名になった場所だけに不安がちょっと頭をよぎる。
でもカイロ空港から始まって至る所で厳重っぽい警備に驚かされた。
あのテロ事件で観光産業が大打撃を被った為、国を挙げて警備体制を強化したとか。
説明はそうであったが、ん〜〜〜ん。
どうも雇用対策っぽく見えなくも無い。
軍隊、警察、私兵(?)、ガードマン(?)。
どれだか区別がつかない。
兎に角至る所に鉄砲(自動小銃)持った人がうろうろしている。
が、何となくへらへらしていて緊張感を感じないのがまた不安。
いいから話し掛けんなよ。鉄砲片手にジョークなんか言わなくて良いから。
鉄砲持ってんだから緊張してろよ、と小市民は思ってしまう。

王家の谷や王妃の谷の入口となる場所にある1対の巨像。
アメンヘテプ3世の座像とか。ふ〜〜ん。狛犬とは意味が違うんだろうな。
バスを10分くらい停めて、1枚写真撮って丁度良いくらいかな。
大事な事だがトイレはある。勿論、便所乞食付き。

  • 王家の谷

谷間に歴代の王の墓が沢山密集している所。
初っ端はトトメス1世という王が、墓泥棒の格好の餌食になるピラミッドを避け、
岩山に穴を掘るアイデアを出して以後、ブームになったらしい。
広大で、砂漠の中の岩山で、40℃の炎天下で、相当な体力・気力が必要。
駐車場から入口まで電気自動車で運んでもらってもなかなか堪える。
1チケットでお好きな墓3つに入れると言う趣向である。
大体は有名で内部の壁画がキレイな所に集中している。

名前に釣られて、別料金40£E(約720円)を払って入ってみた。
この墓は他の王の立派な墓のすぐ傍に地味っぽく作られていた。
お陰で墓泥棒の餌食にならず、1922年になって手付かずのままで発見されたとか。
灯台下暗しと言うヤツか。
でも2,000点もの副葬品が出たそうだが、大半がカイロのエジプト考古学博物館に。
ここには技術的に動かせなかったと言う本人のミイラのみが残る。
結構地味で料金に見合ってるかどうか・・・。

  • ハトシェプスト女王葬祭殿

かの有名な銃撃テロの現場だ。
至る所で軍隊が警備しているので大丈夫だろう。
とは思いつつもつい周りをキョロキョロ見回してしまう。
警備以上に多いのは、物売りとバクシーシ(喜捨=施しのチップ)期待のジモティ
大人から子供までターバンに寝巻きみたいなワンピース着てビーサン姿でうろうろ。
どうもうざい。
葬祭殿そのものは素晴らしい。今も残る壁画も素晴らしい。

これはすごい。絶対に見逃せないと思う。
スケールの大きさ、レリーフの見事さ。圧倒された。
炎天下で身体はきついが、やはりエジプトの遺跡は強烈な太陽の下に限るそうだ。
で無いとレリーフコントラスト、巨像の光と影が分からないとか。
かなりの広さであるが、遺跡のはずれには至る所に怪しげなターバン姿。
単純に「ワンダラー」と言って手を出すヤツ。
絶好の撮影スポットを教えるからフィーを出せと言うヤツまで様々。うざい。

これもすごい。街中にあるのでロケーションも良い。
正面入口のオベリスクのカタワレが、パリのコンコルド広場に立っている事でも有名。
てっきり強奪されたのかと思っていたら、プレゼントだったそうな。
我々は時間的に丁度夕方だった為、石の色と長く伸びた影がいい感じ。
壁のレリーフの題材は圧倒的に古代エジプトの神々だ。
エジプト航空のロゴにもなっている隼の姿のホルス神、太陽のラー神などが有名だが、
小市民にははずせないのがバイアグラ不要のミーン神。
神殿の一番奥の壁のレリーフはこの神だけが大人気の様で、一部だけが手垢で真っ黒。