「モン・サン・ミッシェル」〜ノルマンディー〜パリの雑感

  • コンチネンタル・ブレックファースト

今回はこの系統が多い。
パンとハム、チーズ、コーヒー程度だ。
でも丁度良いかも知れない。
全体的にコテコテだし、朝メシくらいさっぱり系で良い。
聞いた話ではアルプスを隔てて南と北で料理がガラっと変わるらしい。
南は豊富なオリーブ油を使ったあっさりシンプル味。
北はバターを始め乳製品を使ったこってり味になるそうだ。
なるほど。

ポン・デュ・ガール」と並んで死ぬ前に1回見ておきたかったところ。
その容貌は芸術品だ。
サグラダ・ファミリア」の計算し尽くされた美とはちょっと違う。
無意識に造作を続けて、後から見たら芸術だったみたいな・・・。
まずは遠景が素晴らしい。
海の中にそびえる要塞の様な修道院。
手前の草原では羊がのんびりと草を食んでいる。
すっばらしいコントラストだ。
潮の干満差が大きく、多くのヒトが命を落としているそうな。
来年の年賀状の版画の題材はこれだ、と思った。
土産物屋が並ぶ参道を登り、修道院の内部を見学。
なかなか見応えがある。
8世紀から建造が始まったとは思えない造りだ。
ここの名物は特大オムレツ。
幾つかの店で作っていたが、流石に朝一番。
残念だがさっき朝メシ喰ったばっかりじゃ喰えねえ。

  • 有料トイレ

ここは参道の始点に1ヶ所有料トイレがあるだけ。
周りは海だし・・・。
修道院内も見た限りではトイレは無かった。
流石にフランスも最北端、ノルマンディー地方は涼しい。
それまでのバカ暑さがすっかり影を潜めてしまった。
今までのペースで水分を取るとややこしい。
と言う訳でトイレも近くなった。
ちょっと甘く見て、観光から戻って来て出発間際に行こうと考えた。
ところが修道院は広く、高く、たっぷり2時間くらいは戻って来られない。
やっとトイレに辿り着いた時には破裂寸前だった。
モン・サン・ミッシェル」恐るべし。
トイレは先に行っておくべし。

  • ドゥービル

ノルマンディー地方を代表するリゾッチャらしい。
映画「男と女」の舞台にもなったそうだ。
如何にもリッチな街並みだ。
ノルマンディー風の木組みの建物が美しい。
街には花が溢れ、高級商店街が軒を連ねる。
この街でしばしフリータイム。
こんな所にリゾッチャに来る事は地球がひっくり返っても無いだろう。
とか思いながら大人のリゾッチャ地を散策した。

  • 赤ワイン

昼食は小さなレストラン。
料理はキノコサラダ、サーモンムニエル、デザートにスフレ。
当店は掛け値無しに美味かった。
珍しく涼しいので赤ワインをオーダー。
ハーフボトルで10ユーロ(約1,150円)。
でもこいつは抜群に美味かった。
隣の沼津3姉妹グループがつられて奮発。
フルボトル40ユーロ(約4,600円)の赤ワインをオーダー。
ちょっと味見してみろ、と言う訳でおすそ分けを頂いた。
ところが格段に差がある。
値段は倍なのに、断然我々のボトルの方が美味いのである。
あまりに違い過ぎ、お返しの味見が勧められなくなってしまった。
「流石に美味いっすねえ。こいつとは訳が違いますよ」
とか何とか言っちゃったりして・・・。

  • オンフルール

ノルマンディー地方最後の観光地。
印象派の画家を魅了したと言う美しい漁港の街だ。
ここでもフリータイム。
「サント・カトリーヌ教会」を覗いてみる。
船大工が作ったそうで天井が船底の様相だ。
純木造である。
花に囲まれ、何とも素朴で良い感じの教会だった。
港を囲んでオープンカフェが林立している。
港町独特の光が降り注いでホントに絵になりそうだ。
後は一路パリへ。

  • シティホテル

今日の泊まりは「ルレ・メルキュール・ガレ・デ・エスト」
長げ〜よ。
安宿だがロケーションは良い。
地下鉄駅の真上である。
近所に幾つか店もある。
大したホテルじゃ無いし、従業員も無愛想だ。
場所だけが撮り得か?

  • 散策

チェックイン後、夕食は徒歩15分のレストランへ。
添乗員のジュンコさんの先導で出発。
ホテル前から東駅の前を通ってレストランまで散策。
憧れのパリの街並みである。
憧れのパリの街並みはおっそろしく汚かった。
駅前はゴミだらけ、小便臭い、ホームレスみたいなのがうようよ。
ニースから始まって段々分かって来たのでそんなに驚く事は無かった。
フランス人はゴミを捨てる、犬のフンは置いて来るのが常識。
なぜなら税金で働く清掃員の仕事が無くなるからだそうだ。
現地スルーガイドに聞いた話。
フランスが芸術の都たり得た大きな理由。
それはフランス人がエゴイストだからだそうだ。
周りを省みないジコチューの揺ぎ無い個性が芸術を生むんだそうだ。
ふうううん。
食事はショボかった。
肉パテ、ローストチキン・ポテトグラタン添え、デザートはヨーグルト。
味はほぼ全滅だった。
食事中の皆の話題はこの後どうするか?
まだ時間も早いしどっか行こう、と言う事になった。
我々がモンマルトルの丘を提案。
ジュンコさんにルートを聞いてみる。
「ん〜〜〜ん。モンマルトルですかあ・・・」
ノリが悪い。
「実は最近、あそこは治安が悪くて夜は避けるようにお願いしてるんです」
そ〜なんだ。
「こうしましょう。私がセーヌ川クルーズにご案内すると言うのは如何ですか?」
異論無し。
全員一致でそのまま地下鉄へ。

「会社には内緒でお願いしますよ」とジュンコさん。
本来ならばオプショナルツアーで行くところだ。
でもバスで移動して団体で動くのとは一味違っておもろい。
てくてく歩って、地下鉄に乗って、一般ピープルとも接して・・・。
ダイアナ妃が事故死した場所も通りかかった。
献花禁止だそうだが花が絶えないとか。
チケットを買って船に乗る。
ジュンコさんが団体扱いでチケットをまとめ買い。
ところが窓口が間違えたと見えて1枚足りない。
船が出る時間が迫っている。
窓口に戻って交渉している時間も無い。
え〜い。
と自動改札を団体突破。
係員が怪訝な顔をしていたがシカトである。
クルーズはなかなか良かった。
主だった観光名所のライティングがほとんど見られる。
皆、大満足で帰還。
ジュンコさんに感謝。

  • ナイトドリンク

ホテルのバーでビールを飲もうと思ったがバーは真っ暗。
工事中なのか、やる気が無いのか・・・。
フロントでビールが飲みたいと聞いてみる。
ビールはあるが部屋で飲んでくれと言う。
1本4ユーロ(約460円)は安く無い。
が、背に腹は代えられない。
明日は午前中簡単なパリ市内観光の後、フリータイム。
どうするか作戦を練る。
嫁さんが緻密な計画を練っている訳が無い。
さてどうするか?
どう考えたって半日で満足な観光が出来る訳が無い。
ルーブル美術館だけでも1週間かかると言われている。
美術館巡りは次回の楽しみに取っておこう。
ポイントを絞ってゆったりとマーキングしよう、と言う事になった。