「大仁ホテル」のこと

  • 憧れ

 観光地、伊豆。
我が地元、沼津は伊豆への玄関口。
シーズンになると東京のクルマであふれる。
地元にとっては迷惑以外のナニモンでもなかった。
 その伊豆で、一流ホテルと言えば・・・?
やっぱ、長岡の「三養荘」
そして、大仁の「大仁ホテル」だったべ。
ともに西武系で、当時は絶好調だった。
政界・財界のオオモノ、芸能関係もお忍びで来てた。
堤オーナーはひょこひょことタケコプターで来たらしい。
 一流は、値段もチョー一流。
ざっと1人1泊、5万円ってえのが相場だったらしい。
小市民にとっては高嶺の花だった・・・。

  • 栄枯盛衰

 盛者必衰の理。
まさか、あの西武が・・・。
ってなくらいに没落はあっけなかった。
全国のホテル・リゾートは叩き売り状態。
天皇も、今は隠遁生活らしい。
 でも、さすがに「三養荘」は相変わらずと聞く。
小市民も、ちょっとホッとする。
あーゆーモンは残って欲しい。
そして、いつか死ぬ前に一度っくらいは「三養荘」の庭を眺めてみたい・・・。
 時代が変わって、都内の豪華ホテルが盛況らしい。
外資高級ホテルが次々と参入してるとか。
プリッツ」とか、「インターコンチワ」とか・・・。
そんなカネがあったら、やっぱ「三養荘」だしょっ!
趣味の違いだべか・・・?

  • 「伊東園」

 叩き売りホテルの1つに「大仁ホテル」も入っていた。
あの「大仁ホテル」が・・・。
買ったのは「伊東園」っていうホテルチェーン。
全国に「伊東園ホテル」のブランドで経営してる。
 でも、さすがに「大仁ホテル」ブランドは捨てなかった。
んで、大々的に広告を出した。

霊峰富士を望む格式の宿
【大仁ホテル】 365日同一料金!
○バイキングプラン・飲み放題付 お1人様1泊2食付 8,800円
○和食膳プラン・飲み放題付  1室1名様     11,800円

  • 予約

 えっ?
ウソだべ?
にわかには信じがたい値段である。
半信半疑で電話してみた。
「え〜〜っ、半年先でしたら空きがあります・・・」
1年前の話である。
そんな先の予定が立てられる身分とちゃうわいっ!
 でも、さすがに落ち着いて来たと見える。
1ヶ月ほど先なら、休前日を外せば何とか予約出来るようになったとか。
今年は三島のば〜ばの喜寿の祝いのトシ。
ちょいと練習で親孝行すっか。
ってんで、5名様ご一行で行く事になった。
 当然、日曜日泊。
月曜日は有給休暇だべや。
これも1ヶ月前に予約した。
「この日は休みを取りますが、何か・・・?」