癌スケ追撃 45日目
・土曜日
世間は今日から三連休。
海の日絡みで、バカンスシーズン突入。
「じぇんじぇん関係にゃあで…。」
夏休みだで。
旅行の計画とかしてんだべなー。
でも、海外がぶっポーそー。
ニースのテロなんか、どこでもあり得る。
免許証さえあれば出来る。
「気持ちが失せるべ。」
病院で納涼祭があった。
多分、学園祭みたいなモンだべ。
縁日とかもやってたらしい。
でも、患者に詳しい案内は無かった。
「ま、行っても何も喰えないべ。」
花火も上がった。
部屋の窓から、良く見えた。
「特等席だで!」
ちょっとだけ、夏休み気分。
〈そら〉
・じじばば
明日、又来ると言う。
もちろん次男坊一族が連れて来る。
「こないだ来たばっかしじゃ!」
又、せがまれたらしい。
次男坊も気の毒。
「せっかくの三連休なのに…。」
その心は…?
ヒマ?
当方、状況は変わり無い。
味がわかんない。
唾液が出ない。
腸管がきゅーきゅー絞まる。
「楽しくメシが喰える状態じゃない!」
何度も言ってる。
でも、聞いちゃいない。
「せっかくだから、晩メシを一緒に…。」
更に、言う。
「見舞いに、何か喰いたいモンはないかね?」
イジメか…?
リハビリか…?