癌スケ追撃 27日目
・白血球
Dr.E本、来室。
「お変わり、有りませんか?」
ま、変わりはない。
唾液が出ない。
味がしない。
「これは、仕方がないですねー。治療が済めば、徐々に回復すると思います。」
想定内らしい。
「食事は出来てますか?」
食事とは言い難いけど、頑張ってる。
安心した様子。
昨日の診察の事を話した。
白血球が下がったと言われた…。
「あー、2900くらいでしたね。全然心配ありません。」
えりゃあ違いだで…。
「ま、水曜日の血液検査で確認しますが、このまま継続でいいと思います。」
これも想定内らしい。
「だるさとか、有りませんか?」
性格的にはだるいけど…。
これと言った症状はないなー。
更に安心した様子。
〈そら〉
・治験
他に検査値異常はない。
唾液減少や味覚異常も想定内。
消化器症状は想定を上回る少なさ。
って事らしい。
「治験としては順調な症例かな…?」
より少ない副作用で、より高い効果を!
これが目的。
ま、副作用は見える。
「効果はどうやって見るんだべ…?」
人類史上、最大の治験。
EUが揺さぶられてる。
イギリスで、再投票を求める声が増えてる。
離脱票を入れた衆が後悔してる。
EU側は、早く出て行けと要求。
「小学生じゃあるまいし…。」
ヨーロッパ。
成熟した大人の社会ってイメージだった。
玉石混淆、複雑な問題のるつぼ。
何もかもひっくるめて、成熟してる。
器の大きさ、奥の深さ。
ある面、理想社会に思えてた。
「何だかイメージが崩れたなー。」